村上春樹さんの新刊「女のいない男たち」(文藝春秋)が出ました。
この短編集に収録されている「ドライブ・マイ・カー」が、「文藝春秋」に掲載された時、タバコのポイ捨ての場面が問題になった。
ポイ捨てをする登場人物の女性が、北海道の実在の町「中頓別(なかとんべつ)」出身という設定になっていた。
そして主人公が「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と感想を述べたのだ。
すると、町会議員が、我が町に対する「偏見と誤解が広がる」と抗議し、それが新聞記事となって広がった。
村上さんは、単行本化の際に変えることを表明し、騒動はおさまった。
で、読んでみると、「中頓別町」は、架空の「上十二滝(かみじゅうにたき)町」になっていました。
「たぶん上十二滝町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」って。
中頓別町の議員さんは、これでよかったのかな?
読者としては、やはり中頓別町のほうがよかったと思うのですが・・・・。
<このブログ内での関連記事>
2014年02月20日
週刊朝日で、村上春樹作品「中頓別町」問題について解説
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/6a32247b7d4ff88869ffb60e775bc58e
今週、「読んで書評を書いた本」は次の通りです。
中原清一郎 『カノン』 河出書房新社
門田隆将 『記者たちは海に向かった』 角川書店
小路幸也 『スタンダップダブル!甲子園ステージ』
角川春樹事務所
小林史憲 『テレビに映る中国の97%は嘘である』 講談社α新書
加島祥造 『アー・ユー・フリー?』 小学館
上野千鶴子 『映画から見える世界』 第三書館
沢野ひとし 『北京食堂の夕暮れ』 本の雑誌社
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(4月24日号)
読書欄に掲載されています。