「大竹まことの金曜オトナイト」、22日は「夏休み 文化情報スペシャル」ということで、ゲストは水道橋博士さんでした。
一度お会いしたいと思っていた一人です。
で、想像していたように、とてもクレバーな方でしたね。
番組では、博士さんに、オススメの映画を3本、紹介していただきました。
まず、「ガープの世界」。
先日亡くなった、ロビン・ウイリアムズ主演です。博士さんにとって「自分の人生観に最も影響を与えた映画」だそうです。
次は、「プライベート・ライアン」。
こちらは「戦争映画の概念を変えてくれた映画」とのこと。
最後は「ライフ・イズ・ビューティフル」。
「美しさの中に現実の残酷さを感じさせる映画」というのが理由です。
また、もえちゃんが紹介してくれたのは、シェル・イルヴァスタインの絵本「おおきな木」でした。翻訳は、村上春樹さん。
そして、私がオススメしたのは、中原清一郎さんの「カノン」です。
この本については、「週刊新潮」に書評を書いたので、一応、それを転載しておきます。
よかったら、読んでみてください。
中原清一郎 『カノン』 河出書房新社
著者の名前を知らない人は多いかもしれない。しかし、外岡秀俊のペンネームだと言われたら食指が動くはずだ。
学生時代に『北帰行』で文藝賞を受けながら、新聞記者の道を選んだ伝説の作家。編集局長を最後に退職した著者が、37年を経て世に問う長編小説である。
舞台は近未来の東京だ。末期がんで余命1年となった58歳の男性・北斗と、記憶を失っていく病に冒された32歳の女性・歌音(かのん)。2人は人間の記憶をつかさどる脳の部位「海馬」を交換する手術を受ける。
物語は若い女性の体に入った北斗の“こころ”を軸に展開されていく。夫や4歳の息子との関係。他者の意識との相克。社会における男女差の問題。北斗にとって全てが初体験だ。自分とは何か、生きるとは何かという問いかけが続く。
小説ならではの興奮と静かな感動が味わえる秀作だ。
今週の「繁田美貴アナウンサー」