日刊ゲンダイに、「マッサン」でヒロインを演じた、シャーロット・ケイト・フォックスさんに関する記事が掲載されました。
この記事の中で、コメントしています。
”黒船女優”の成功例はゼロだが・・・
「マッサン」女優
日本続投に勝算アリ
バックに“大物”ディレクター
胸元がパックリと割れたセクシーなスーツに身を包み、歌声を披露する姿は堂々としたもの。3月末までNHK朝ドラ「マッサン」のヒロインを演じていたシャーロット・ケイト・フォックス(29)。あのエリー役の女優である。
「朝の顔」という大役を終えた彼女が次に演じるのは、またもや大役。今度は米ブロードウェーのミュージカル「CHICAGO」(NY公演10月26日~、東京公演12月4日~)の主演の座を射止めたのだ。
8日の記者会見には70社120人の報道陣が集まり、注目度の高さをうかがわせた。熱気ムンムンの会場でシャーロットが口にしたのは、感謝の言葉だった。
「日本では勇気と忍耐を培い、演技力も同じ人間とは思えないぐらいスキルアップしました。今があるのは『マッサン』のおかげ。私の人生を大きく変えてくれました」
朝ドラの撮影が始まって間もない昨春にはホームシックにかかり、夫や家族恋しさに一時帰国したのも、まるで嘘のよう。今ではすっかり“親日家”で、今年1月に大阪市内で行われたイベントでは「ずっと日本でこの仕事を続けられるようにしたい」と永住宣言。
もっとも、この発言が原因で「絶対ムリ」「勘違い女優」なんてアンチの声が多く上がっているが、まあ、無理もない。かつて「熱中時代」に出演して人気を博したミッキー・マッケンジーは、共演した水谷豊の妻となり、活動の場を日本に移したが、女優も結婚生活も長くは続かず、あっという間に過去の人に……。
上智大学の碓井広義教授(メディア論)はこう言う。
「朝ドラひとつとっても次から次へと新たな作品が放送される中、視聴者の記憶はどうしても褪せてしまう。“エリー効果”は永遠に続くわけではありません。日本のテレビ界では毎クールごとにドラマが量産されていますが、果たしてどれだけ外国人女優を起用する作品があるのか。そして、酷なことをいうようですが、現時点のシャーロットは誰もが認める演技達者とは言い難い。もし仮に彼女の生き残る道があるとすれば、役の大小や作品を選り好みすることなく、何でも引き受ける覚悟。そして、バラエティーでも通用するトーク力を習得することではないでしょうか」
過去に成功例がないだけに、厳しい声ももっともだが、実はシャーロットには、強力な助っ人がバックについている。NHKのオーディションに彼女を紹介した演出家の存在だ。
「国内外の映画やドラマの配役を担うキャスティングディレクターの奈良橋陽子氏です。彼女はハリウッドに顔がきき、『ラストサムライ』で渡辺謙、『バベル』では菊地凜子をキャスティングした仕掛け人。シャーロットは奈良橋さんの娘が代表を務める事務所に所属している。“勝算”がなければ、日本で活動させるわけがありません」(芸能関係者)
“黒船女優”が日本の芸能界を席巻の予感である。
(日刊ゲンダイ 2015.04.09)