日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、TBS日曜劇場「半沢直樹」を取り上げました。
ドラマ「半沢直樹」TBS
大胆さが吉と出た
夏ドラマの初回視聴率がとても高い。テレビ朝日「DOCTORS2」19.6%。フジテレビ「ショムニ2013」18.3%。そしてTBS「半沢直樹」が19.4%だ。
個別の分析はともかく、最大の要因は「毎日メチャ暑い!」ことだろう。この猛暑では外で夜遊びする気にもならない。みんな早く家に帰って、クーラーの効いた部屋で休息したいのだ、多分。
「半沢直樹」の注目ポイントは2つある。
まず主人公が大量採用の“バブル世代”であること。企業内では、「楽をして禄をはむ」など負のイメージで語られることの多い彼らにスポットを当てたストーリーが新鮮だ。
池井戸潤の原作「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」は、優れた企業小説の例にもれず、内部(ここでは銀行)にいる人間の生態を巧みに描いている。
福澤克雄ディレクター(「華麗なる一族」など)の演出は、この原作を相手に正攻法の真っ向勝負だ。
第2のポイントは主演の堺雅人である。
今年6月、「リーガル・ハイ」(フジ)と「大奥」(TBS)の演技により、ギャラクシー賞テレビ部門の個人賞を受賞したが、まさに旬と言っていい。シリアスとユーモアの絶妙なバランス、そして目ヂカラが群を抜いている。
思えばタイトルを「半沢直樹」としたのは大胆な選択だったはず。
その大胆さも吉と出た。
(日刊ゲンダイ 2013.07.16)
・・・・ちなみに、14日に放送された「半沢直樹」の第2回。
視聴率は21.8%でした。
もちろん今期最高です。