“後ろ倒し”初年となった今年の就職活動。
短期決戦というより、むしろ長期化しているように見えます。
また、すでに疲れ気味の学生もいたりします。
以前、新聞に以下のような文章を寄稿しました。
今ごろのタイミングと合致しているので、再録しておきます。
偉大なる常識人であれ
大学四年生の就職活動が続いているが、この時期、学生は三つのタイプに分かれてくる。すでに就職先を決めた(就活を終了した)者、内定は得ているが就活を継続中の者、そしてまだ内定が一つも出ていない者だ。
実は三番目の学生たちには小さな共通点がある。まず、根拠のない自信に振り回されていること。もちろんプライドは高い。自分一人で何とかなると思っているから教員や大学、親などへの報告や相談をしない。
次に、仕事とは何か、会社や組織に所属することの意味といった根本的な命題を考えないまま動いている。企業の新人採用が「一緒に働きたい仲間を探す行為」だという自覚が足りないのだ。
また、彼らから来るメールには「件名」がないことが多い。「本文」では、相手(受取り手)の名前が省かれ、いきなり文章が始まっていたりする。しかも一般的な敬語が使えていない。文末の名前がなかったり、あっても名字だけだったりする。すぐ連絡を取ろうと思っても携帯番号すら書いてない。
さらに言えば、もらったメールにこちらが返信しても梨のつぶてだ。自分からメールを出した場合、「返信、ありがとうございました」のひと言でもいいから、最後は自分のメールで終わるのがマナーだろう。
個々の学生はそれぞれいいものを持っており、少し修正するだけで違ってくる。私のアドバイスは毎年変わらない。「まずは、偉大なる常識人であれ」だ。