日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」を取り上げました。
テレビ東京系「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」
オール熟年探偵の
“ゆるやかな連帯”が気持ちいい
若者狙い、女性狙いが目立つドラマの中で、「三匹のおっさん」に続く、テレビ東京らしい独自路線といえるのが「僕らプレイボーイズ熟年探偵社」である。
何しろ主演の高橋克実(54)が最年少だ。共演者も石田純一(61)、笹野高史(67)、角野卓造(67)、伊東四朗(78)というベテランぞろい。まさに熟年の、熟年による、熟年のためのドラマになっている。
リストラに遭った高橋の再就職先が探偵社。元刑事、元五輪選手といった経歴を持つメンバーの仲間になる。毎回読み切りの物語はいわゆるハードボイルドではなく、もちろん殺人など血なまぐさい事件も起きない。迷子のペット探し、初恋の人探し、中高年の引きこもり解消などが依頼の案件だ。
5人の探偵たちは、それぞれのキャリアを生かして調査を進める。しかも、チームというより個人プレイの集積という雰囲気に好感がもてる。長い間、組織に属して仕事をしてきた男たちにとって、業務命令やノルマはもうたくさんだ。熟年になったら、できるだけ自由に動きたいではないか。この探偵社の“ゆるやかな連帯”が気持ちいい。
また、このドラマではゲスト出演者も熟年となる。田中美佐子、市毛良枝、秋野暢子など、往年の美人女優たちによる練達の演技を楽しめるのも、熟年ドラマの醍醐味だ。
(日刊ゲンダイ 2015.08.18)