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産経新聞で、「秋の民放ドラマ」について解説

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産経新聞に、「秋の民放ドラマ」に関する特集記事が掲載されました。

この記事の中で解説しています。


下町ロケット、新相棒、釣りバカ日誌…
力作ぞろい、秋の民放ドラマ
民放テレビの10月期の連続ドラマが出そろった。目立ったヒット作のなかった7月期とは打って変わり、話題作がそろい、全体的に視聴率も上々だ。主な作品の序盤の動向と見どころを探る。(三品貴志)

■下町 痛快な逆転劇

◆キャスティング絶妙
8日現在、最新話の視聴率が10%以上を維持しているのは、日本テレビ系「偽装の夫婦」▽TBS系「下町ロケット」▽テレビ朝日系「相棒season14」▽フジテレビ系「5→9~私に恋したお坊さん~」など計6作。7月期には、2話時点で2桁超えが2作しかなかったのと比べ、活況を呈している。

中でも「下町ロケット」(日曜21時)は、視聴率を第3話(18・6%)まで右肩上がりに伸ばし、好調を維持(第4話は17・1%)。「半沢直樹」で知られる作家、池井戸潤さん原作のドラマで、ロケットエンジン開発に情熱を注ぐ下町企業の奮闘を描いている。

主演の阿部寛演じる工場経営者らが、大企業の圧力をはね返す逆転劇が痛快。上智大の碓井広義教授(メディア論)は「立川談春、吉川晃司、池畑慎之介など重厚さと意外性を組み合わせたキャスティングが絶妙で、俳優の好演が目立つ。物語、役者、演出が三位一体となって、映像が作り込まれている」と称賛する。

■新・相棒 反町隆史に注目

◆サイレーン評価上昇
テレ朝の人気刑事ドラマ「相棒」新シーズン(水曜21時)は、名物刑事、杉下右京(水谷豊)の4代目相棒に決まった反町隆史に注目が集まる。法務省から警視庁に出向中のキャリア官僚で、頭は切れるが、おちゃらけた一面も。けれん味のある人物像はファンの間に定着するだろうか。

日テレ「偽装の夫婦」(水曜22時)は「家政婦のミタ」の遊川和彦さんが脚本を担当。人嫌いの女(天海祐希)と同性愛者の男(沢村一樹)が偽装結婚し、奇抜な人物が続々と登場する。ただ、碓井教授は「笑える場面もあるが、凝った設定ばかりが先行し、物語自体に不自然さが漂う」と、からめの評価だ。

フジ「5→9」(月曜21時)は、英会話講師(石原さとみ)と僧侶(山下智久)を中心としたラブコメディー。田中圭や古川雄輝といった俳優の存在感が光り、若者を中心に支持を集めているが、コメディー演出に物足りなさを指摘する声もある。

このほかにも注目作は多く、TBS系「コウノドリ」(金曜22時)は産科医療のリアルな現場を描き、視聴者の満足度を数値化するオリコンの調査「ドラマバリュー」でも高い数値を記録。連続殺人鬼を菜々緒が迫力たっぷりに演じているフジ系「サイレーン」(火曜22時)への評価も上昇しているという。

■釣りバカ ハマった浜田岳

◆余韻残る掘り出し物
そんな中、テレビ番組に詳しいコラムニストの桧山珠美さんは、テレビ東京系「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」(金曜20時)を推す。「主演の浜田岳が役柄にハマっている。シリーズに新しい風を吹き込み、昔の映画版を見返したくもなる」と話す。

また、TBS系「おかしの家」(水曜23時53分)についても、「何げない下町の日常を描いていて、心地良い余韻が残る掘り出し物」と、好意的だ。

一方、作り手の狙いと視聴者の期待が、うまく一致していない作品もあるようだ。桧山さんは、アラフォー女子の恋愛模様を描いたフジ系「オトナ女子」(木曜22時)について、「主演の篠原涼子の魅力を生かせておらず、トレンディードラマ風の物語にも共感できない」と手厳しい。ただ、「恋愛ドラマの火を絶やしてなるものかと、恋愛ものにこだわり続ける姿勢は買いたい」とも語る。

昨年7月期のフジ系「昼顔」のように、中盤以降、口コミやインターネットを通じて支持が広がる作品が出てくるのも連ドラの面白さ。力作ぞろいの今秋は、大いに「夜長」を楽しめそうだ。

(産経新聞 2105.11.10)


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