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Channel: 碓井広義ブログ
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週刊新潮で、TBSドラマ『コウノドリ』についてコメント

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TBSドラマの鬼門枠で
好調『コウノドリ』を支える朝ドラ女優
未知の「化学反応」が望外の成果をもたらすのは、何もサイエンスの世界に限らない。ドラマのキャスティングにおいても大いに威力を発揮するようで、10月期の新番組『コウノドリ』(TBS系)も、そんなケースの典型だという。

さる民放関係者が言う。

「TBSの金曜22時ドラマ枠、通称『金ドラ』は40年以上の歴史を重ねていますが、最近では“鬼門”といえるような時間帯となっていました」

実際に前作を振り返ると、

「7月期の『表参道高校合唱部!』は平均5・92%と惨敗。また4月期に山下智久が主演した『アルジャーノンに花束を』も8・61%に沈み、その前年もひとケタ台を連発している。“看板枠”には程遠い状況が続いていたのです」(同)

が、今期の『コウノドリ』は、初回が12・4%、2話目も12・0%と順調の滑り出し。

「原作は漫画ですが、綾野剛演じるピアニスト兼産科医と、妊婦や医療現場の同僚らが織りなす社会派の人間ドラマに仕上がっています。新生児が頻繁に登場するという、これまでの医療作品にないリアルな演出も特徴的です」(同)

ライターの吉田潮氏が言う。

「綾野が銀髪を振り乱してピアノを弾くシーンばかりだと、せっかくの良作が台無しになりますが、今回の作品はすべてが主役級の『チーム医療』で、綾野だけを美化して描いてないことでバランスが保たれています。吉田羊は人肌の温もりを持った助産師役で演技の広さを見せつけているし、青臭い医師を演じる松岡茉優も、若手の実力派だから安心して観ていられます」

■視聴者に親和性が

そうした脇の好演に、

「ある『共通点』が見てとれます」

と指摘するのは、スポーツ紙芸能デスクである。

「『純と愛』で名を売った吉田羊に、『あまちゃん』でアイドルを演じた松岡茉優。第1話のゲストで妊婦を演じたのも『まれ』でブレイクした清水富美加と、NHKの朝ドラで話題になった女優を揃えているのです。また『マッサン』で酒造会社の事務員だった江口のりこがソーシャルワーカー役、男優でも綾野と同期の産科医を演じる星野源は『ゲゲゲの女房』に出演していました」

そもそも主演の綾野からして『カーネーション』で紳士服職人を演じているのだから、さながら“朝ドラクロニクル”だ。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)いわく、

「同じ医療ドラマでも米倉涼子さんの『ドクターX』(テレ朝系)は、切った張ったのアクションもので男性視聴者が多い。対して『コウノドリ』は赤ちゃんと妊婦さんが中心で、女性視聴者に主眼を置いています。このあたり、朝ドラの視聴者と親和性があるのでしょう。意識して起用している部分があると思われます」

試みはさしあたり吉と出たようだ。

(週刊新潮 2015年11月12日号)

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