脚本家・倉本聰さんの新著、「見る前に跳んだ 私の履歴書」(日本経済新聞出版社)が出版されました。
今年1月に81歳となった倉本さんの自伝で、昨年、日経新聞で連載された「私の履歴書」が一冊になったものです。
連載時も読んでいましたが、こうしてまとまると、面白いだけではなく、貴重な証言になっています。
実は、倉本さんからご指名を受けて、この本の巻末に、10ページほどの「解説」を書かせていただきました。
題して、「倉本ドラマの魅力――『北の国から』を中心に」。
併せて読んでいただけたら、嬉しいです。
以下は、アマゾンに掲載されている、「見る前に跳んだ 私の履歴書」の内容紹介文です。
<内容紹介>
「北の国から」「前略おふくろ様」……これらは老若男女がお茶の間のテレビにかじりついたドラマ黄金期の著者の脚本になる作品である。脚本家の名を冠にしたテレビドラマが大衆の人気を博した世代、向田邦子、山田太一と並ぶ巨匠の自伝的エッセイが本書。
テレビ草創期の作り手が円熟期を迎え、良質のドラマが作られていた時代。とりわけ倉本氏はテレビに異議申し立てを行う作風で、ドラマになりにくい題材を人気ドラマに仕立ててきたことで知られる。そのドラマはどこから生まれたのか。現在のテレビへの思いまでほとばしる、とにかく熱い自伝である。
純と蛍の成長物語「北の国から」についての説明は不要だろう。「時代と寝る」作家が多い中で貫いた反骨精神は、生い立ちから現在の自然保護活動まで一貫している。
語られる数々の製作秘話や高倉健、八千草薫、ショーケン、田中邦衛から岩城滉一、桃井かおりまで深く関わった名優たちとの想い出、ゼロから切り開いた富良野での生活と若者たちとの芝居づくり……かつてのテレビに、日本人は何を見ていたのか、それが言葉になっていることがこの作品の最大の魅力である。
本書は二部構成。第一部は幼少期から修業時代、売れっ子作家の時代、北海道の大地に根を下ろし無名の人たちと共に迎えた円熟期、そして現在までを自身のドラマのように骨太な筆致で綴る自伝エッセイ。第二部が年譜形式で、テレビドラマ、映画、ラジオドラマ全脚本作品と作・演出を務めた演劇全舞台のキャスト・スタッフ・内容を網羅した50ページにも及ぶ放送・上演記録決定版。
テレビマンユニオン時代から倉本作品を熟知する碓井広義・上智大教授が同時代における作品解説を加え、冒頭に同時代の大物脚本家のエッセイも収録する予定。
(アマゾン 2016年4月)
・・・ちなみに、「同時代の大物脚本家のエッセイも」とありますが、これは山田太一さんです。