関西テレビ『スーパーニュースアンカー』の「インタビュー映像偽装」に関して、BPO(放送倫理・番組向上機構)が出した意見書を全部読んだ。
以下は、BPOのサイトに掲載されたリード部分です・・・・
放送倫理検証委員会 委員会決定 第16号
関西テレビ『スーパーニュースアンカー』
「インタビュー映像偽装」に関する意見
関西テレビの夕方のローカル番組『スーパーニュースアンカー』が2012年11月30日に放送した「大阪市職員 兼業の実態」という特集企画で、兼業について証言した情報提供者のモザイク映像が、取材スタッフを使って偽装した映像であったうえ、新聞報道で発覚するまで3か月余りも視聴者に説明していなかった事案。
委員会は、社内でのチェックが機能せず問題のインタビュー映像を放送してしまったこと、問題発覚後これを視聴者に伝えない決定をしたことの2点について、放送倫理に違反すると判断した。
そのうえで、今回の問題の本質は、関西テレビがいう「不適切な映像表現」ではなく、テレビを信じてモザイク映像の放送を容認している視聴者の信頼を裏切るような「許されない映像」が放送されたことにあると指摘した。
(BPOサイト 2013年8月2日)
・・・・テレビでは、様々な手法が使われている。
「モザイク映像」もその一つだ。
本来は見せたいが、事情があって見せられない。
しかし、モザイクを外せば、そこには人であれ、モノであれ、「本物」が存在している。
そのことを前提にして、視聴者に伝えているはずなのだ。
ところが今回、モザイクの向こうには別人がいた。
関西テレビ側の主張は、「情報提供者の保護」だった。
だから、ことが明らかになった後でも、「視聴者に知らせないまま」にした。
事情はともかく、「モザイクを取ったら実は別人」をOKにしてしまえば、今後、モザイク処理された映像を通じて伝えられる情報の「内容」「中身」の信憑性、信頼性も危うくなる。
やはり、「迅速かつ率直な訂正」を行うべきだったと思う。
関テレといえば、2007年の『発掘!あるある大事典?』における「ねつ造問題」の記憶が、今も生々しい。
だが、現場では、果たしてどうだったのか。
すでに風化していたのではないか。
そんなことさえ思わせる、何とも残念な出来事だ。