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Channel: 碓井広義ブログ
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新聞の放送時評で書いた「あまちゃん」と「半沢直樹」

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、ラジオで話をした「あまちゃん」と「半沢直樹」を取り上げています。


ドラマ「半沢直樹」
堺雅人の目ヂカラ抜群
先月27日(土)にHBCラジオ「大人のラジオ〜土曜は朝からのりゆきです!」に出演した。この日、午後1時から3時半までの2時間半が「ラジオでテレビを斬る!」という特集だったのだ。タイトルは剣呑(けんのん)だが、テレビ批判を展開したわけではない。放送開始60周年を踏まえて、現在のテレビのあり方をリスナーと一緒に考えてみようという試みだ。

とはいえ、具体的な番組名も挙げながら明快に批評していく番組など、通常民放のテレビでは決して作れないし、流せない。ラジオという同じ放送メディアの持つ自由度と潜在能力を感じさせる好企画だった。

このラジオ番組の中で話題となったドラマが2本ある。1本はNHKの連続テレビ小説(以下、朝ドラ)「あまちゃん」。もう1本がTBS「半沢直樹」だ。

「あまちゃん」は先月から東京編に入ったが、物語としてのパワーが落ちないどころか、むしろ加速化している。これまでの朝ドラでも、主人公は必ず地方から東京へと出て行った。いや、むしろ地方は東京へ出るまでの助走や踏み台であり、上京してからが物語のメ―ンと考えられていた。

しかし、「あまちゃん」は違う。アキのアイドル修業と並行して、北三陸が常に登場する。東京にいるヒロインと北三陸に暮らす人たちが、まさに同時代を生きていることが実感できるのだ。このドラマが共感を呼ぶ理由はこんなところにもある。

次に「半沢直樹」だが、原作に元銀行員の作家・池井戸潤が書いた小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」を選んだことが決定的だ。主人公の半沢は大量採用の「バブル世代」である。企業内でも「楽をして禄をはむ」といった負のイメージで語られることの多い彼らにスポットを当てたストーリーが新鮮なのだ。

また、夫の地位や身分で自分の序列も決まる、社宅住まいの妻たちの苦労も見逃せない。男たちの企業ドラマでありながら、銀行という閉じられた空間だけの話にせず、周辺にいる人たちもきちんと描いている。

だが、このドラマで見るべきは、やはり主演の堺雅人だろう。今年6月、堺は「リーガル・ハイ」(フジテレビ)と「大奥」(TBS)の演技でギャラクシー賞テレビ部門の個人賞を受賞したが、まさに旬の俳優だ。シリアスとユーモアの絶妙なバランス、そして目ヂカラが群を抜いている。半沢の台詞「やられたら、倍返しだ!」は、「じぇじぇじぇ!」と同様、すでに流行語である。

(北海道新聞 2013.08.06)


・・・・4日に放送された「半沢直樹」第4話が、平均視聴率27.6%をマーク。

一度も数字を下げないまま30%の大台に乗せるか、という勢いだ。

雑誌でもあちこちで特集が組まれ、「あまちゃん」に続く社会現象化が見られます。

「水戸黄門」的というか、「遠山の金さん」的というか(笑)、この猛暑の夏に、何かスカッとするものを、みんな望んでいたのではないでしょうか。

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