日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。
今回は、岸部一徳さんが出演している、全保連のCMについて書きました。
全保連「渡したくない」編
「大家」岸部さんに認知度アップ託す
持論の一つが「岸部一徳さんの出演作にハズレなし」だ。『医龍』(フジテレビ系)や『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)などのドラマシリーズだけでなく、映画『ハッピーフライト』の運行管理官や、『十三人の刺客』の庄屋でも存在感を示してきた。
出てくるだけで、ここまで“不穏な空気”を醸し出せる役者など、そうはいない。今回、岸部さんが扮するのは賃貸物件の大家さんだ。入居者がちゃんと家賃を支払ってくれるのかが不安で、マンションの鍵を手渡すことが出来ない。
結局、鍵を握り合ったまま、カンフー映画さながらのアクションへと突入していく。スタントも交えた動きは本格的で、唖然としながら笑ってしまう。しかも岸部さんにはセリフがまったくない。まるで往年のバスター・キートンだ。
賃貸保障の全保連は沖縄に本社を置く会社。岸部さんを起用することで全国的な認知度アップを目指している。
(日経MJ 2017.02.06)