「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。
堀江敏幸
『音の糸』
小学館 980円
雑誌『クラシックプレミアム』の連載をまとめた、著者初の音楽エッセイ集。休日のFM放送に始まり、音楽教室で聴いたLPレコード、修道院の慈善コンサートで体験したプロの演奏など50のエピソードが並ぶ。著者の記憶の中から音楽が聴こえてくる静かな一冊だ。
高田 明
『伝えることから始めよう』
東洋経済新報社 1728円
著者は「ジャパネットたかた」の創業者だ。会社勤めをしていたが、26歳で家業のカメラ店に入った。20年後にはテレビショッピングに進出。以降の発展ぶりは言うまでもない。著者の原動力はスキル、ミッション、パッションの3つ。そこから何かが伝わっていく。
武田 徹
『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか』
新潮新書 864円
副題である「ネット時代のメディア戦争」のほうが内容をよく表しているかもしれない。印刷本とデジタル本。スマホとジャーナリズムの関係。そして「ネットはコンテンツを殺すのか」という刺激的な命題。多くの取材を元に書かれた、奥行きのあるメディア論だ。
(週刊新潮 2017年3月16日号)