「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。
有森 隆
『住友銀行暗黒史』
さくら舎 1728円
戦後最大の経済事件といわれる「住友銀行・イトマン事件」。90年代初頭、大銀行から商社経由で6000億円が裏の世界に流れ込んだ。著者はその経緯を丹念に洗い直していく。東西暴力団の代理戦争、バブルの闇、マスコミ人の暗躍。事件はまだ終わっていない。
安倍 寧
『ミュージカル教室へようこそ! [増補改訂版]』
日之出出版 3200円
『オペラ座の怪人』『美女と野獣』など劇団四季のミュージカルはいかにして創り出されるのか。音楽評論の泰斗である著者が解説していく。たとえば『ライオンキング』の演出の要点はダブル・イヴェント。仮面劇の体裁をとりつつ役者の個性も生かしている。
(週刊新潮 2017.03.30号)