日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、清水富美加と松井玲奈のドラマ「笑う招き猫」について書きました。
TBS系「笑う招き猫」
清水富美加を再びドラマで
見る日は来ないのだろうか
小説「笑う招き猫」は作家・山本幸久のデビュー作。売れない女性漫才コンビ「アカコとヒトミ」の笑える奮闘物語だ。
深夜ドラマ「笑う招き猫」は今月末に公開される映画への助走というか、サイドストーリーである。特筆すべきはキャストで、ヒトミが出家騒動で注目された清水富美加、アカコは元SKE48の松井玲奈だ。もちろん映画と同じ布陣だが、連続モノである分、この漫才コンビのおかしさをじわじわと味わうことができる。
毎回、2人はプロモーション用のネット動画を制作していく。動画の中身は、爆睡しているアカコに早朝バズーカならぬ早朝大爆破を仕掛けたり、ボウリングの球をヒトミの顔面に直撃させたりとバカバカしい。その一部始終をネットに上げるが、再生回数は伸びない。ドラマ自体が、動画のメーキング映像みたいな雰囲気になっている。
体を張って熱演の松井玲奈にも拍手だが、やはり相方の清水富美加に目がいく。地方出身のヒトミはバイトをしながら漫才を続けている。明るくノーテンキで恐れ知らず。でも繊細さと独特の暗さもある。そんな両面を持つヒロインを清水は生き生きと演じているのだ。
同じ“NHK朝ドラ出身”の有村架純が主演の「ひよっこ」が始まった。宗教家・千眼美子も結構だが、女優・清水富美加を再びドラマで見る日は来ないのだろうか。
(日刊ゲンダイ 2017.04.05)