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Channel: 碓井広義ブログ
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産経新聞で、放送10周年の「和風総本家」についてコメント

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テレ東系「和風総本家」放送10年
「日本の良さ」丹念に発掘
伝統文化や最新技術を取り上げて日本の良さを再発見するテレビ番組が人気だ。その元祖ともいえるのが、放送開始から10年を迎えたテレビ東京系のクイズバラエティー番組「和風総本家」(木曜午後9時)。当初は内容が時流になじまない面もあり苦戦したが、今や他局も追随する一大ジャンルとして確立した。転機はどこにあったのか、番組の歩みを検証する。 【三宅令】

放送開始は平成20年。それ以前は、TBS系バラエティー番組「ここがヘンだよ日本人」など外国人が日本のおかしなところを指摘して討論する内容などが主流で、「和風-」の開始時にもそうした風潮が残っていた。

「当初は苦戦しました」と番組の庄田真人プロデューサー(テレビ大阪)は振り返る。

転機となったのは、23年の東日本大震災だ。「がんばろう日本」という復興の合言葉に象徴されるように、日本らしさが見直され、再評価されるようになった。さらに25年、2020年東京五輪の開催が決まり、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで機運も高まった。

「和風-」の視聴占拠率(テレビをつけていた世帯のうち、その番組を見ていた割合)を見ると、震災前の平均8・7%が、震災後には11・8%と大幅に伸びた。現在も11%台と高水準を保っている。

上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は「当時の日本は、長く続く不景気とともにグローバル化という名の欧米ナイズを強いられて疲弊していた。震災が追い打ちをかけ、日本ならではのものが世界に通用することを示し、『日本はダメじゃない』と励ましてくれる番組が受けた」と指摘する。

番組内の企画「世界で見つけた Made in Japan(メード・イン・ジャパン)」は特に大きな反響を呼んだ。25年末に放送された回では、イタリアで楽器修復職人が愛用するミニのこぎりに着目。それを作った廃業寸前の新潟県の職人技術に光を当てた。放送後、注文が殺到し、伝統技術存続のきっかけを生んだ。

同番組の成功後、他局でも、「とっておき日本~外国人が見つけた素晴らしい日本の街~」(TBS系)、「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」(テレビ朝日系)など日本の良さを再発見する番組が目立つように。「和風-」の庄田プロデューサーは「長く続いた番組ならではのテーマの深掘りと発見感を今後も大事にしていきたい」と話している。

(産経新聞 2017.06.20)

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