「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。
谷本真由美 『不寛容社会』
ワニブックスPLUS新書 896円
タレントの不倫問題はもちろん、政治でも職場でも事あるごとにバッシングが展開されている。気がつけば、「一億総叩き社会」になっていると著者。その背景にある「ウチ」と「ソト」の意識や、煽動するメディアの実態などに迫る。特に海外の比較事例が効いている。
川上弘美
『東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。』
平凡社 1404円
「WEB平凡」での連載日記、昨年までの3年分だ。例によって大きな事件など起きない。それなのに時々不穏な空気が流れるところが著者ならではだ。「原稿が書けない」とか、「いちにち、ドラクエ」といった記述が連続するほど、読む側の想像力が刺激される。
(週刊新潮 2017.06.22号)