「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。
池田晶子
『絶望を生きる哲学~池田晶子の言葉』
講談社 1080円
没後10年、残された哲学エッセイからテーマ別に言葉が選ばれた。たとえば「不安の正体」。形なき幸福を形あるものと捉えることで不幸になると著者は言う。また未来への不安も過去への後悔も、時間認識の勘違いであると。悩むことを楽しむ心の構えを知る。
茶谷誠一
『象徴天皇制の成立
~昭和天皇と宮中の「葛藤」』
NHK出版 1728円
今年6月に天皇退位の特例法が成立。約200年ぶりの生前退位が実現することになった。今あらためて天皇制について考える際、大いに参考となるのが本書だ。象徴天皇制はいかにして生まれたのか。成立後の混乱は何を意味するのか。憲法との関係も示唆に富む。
(週刊新潮 2017年7月20日号)