日刊ゲンダイに連載中のコラム「TV見るべきものは!」。
今週は、綾瀬はるか主演「奥様は、取り扱い注意」について書きました。
日本テレビ系「奥様は、取り扱い注意」
美人妻とアクション
綾瀬はるかをダブルで楽しめる
綾瀬はるか(32)が、「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ系)で民放ドラマに久々の登場だ。何しろ昨年1月の出演作「わたしを離さないで」(TBS系)の原作者はカズオ・イシグロ。今回のノーベル文学賞受賞で、ドラマも綾瀬本人も再注目という上げ潮になった。
まず物語の冒頭部分でびっくりだ。中国某所に監禁されていた綾瀬が、素手で屈強な男たちを次々と倒し、脱出に成功する。その戦いぶりは「え、秘密諜報部員?」「腕利きの暗殺者?」と聞きたくなるほど。まるで“女性版ジェイソン・ボーン”みたいなカッコよさだ。昨年から放送中の「精霊の守り人」(NHK)の成果としか思えない。
そんな秘密の過去をもつヒロイン・菜美(綾瀬)が、IT企業経営者である伊佐山勇輝(西島秀俊)と結婚して専業主婦に。退屈だけど平和な日々を過ごすかと思いきや、トラブルに巻き込まれた善良な人たちにとっての救世主となっていくのだ。
初回では、料理教室で知り合った主婦(倉科カナ)の窮状を見かねて、彼女のDV夫(近藤公園)を懲らしめる。見た目は綾瀬はるかなのに(当たり前か)、ボクシング経験者の夫を完全制圧。また包丁で野菜を切るのは下手なくせに、武器として使わせたら完璧だ。このギャップがいい。
“隣の美人妻”と“秒殺アクション”。綾瀬はるかをダブルで楽しめる。
(日刊ゲンダイ 2017年10月11日)