ファンには理想郷
秀逸ドラマ「オー・マイ・ジャンプ!」
ドラマ24「オー・マイ・ジャンプ!」(テレビ東京系)は、この枠の記念すべき50作目。しかも同じ50ということで、今年創刊50周年を迎える「週刊少年ジャンプ」とのコラボ企画だ。
まず物語の舞台である秘密クラブ「オー・マイ・ジャンプ!」がいい。店内に「ジャンプ」のバックナンバーや漫画の単行本がずらりと並ぶ、ファンにとっての理想郷だ。
また店に集う人々も強烈だ。「ジャンプ」にやたら詳しいマスター(斉木しげる)。「NARUTO」の格好をした智子(生駒里奈)。「アラレちゃん」と同じサロペットと帽子の美樹(佐藤仁美)。そして「聖闘士星矢」の聖衣に身を包む水川(寺脇康文)もいる。
そこに元愛読者で営業マンの主人公・月山(伊藤淳史)が加わり、毎回、一つの作品をめぐってエピソードが展開されるのだ。先日は、月山が上司(ケンドーコバヤシ)から「魁!!男塾」さながらのハードな特訓を受けた。月山は「ジャンプ」が成功するまでの苦難の歴史を知って発奮し、厳しい試練に耐えていく。
超マニアックなこのドラマ。ジャンプ好きにはたまらないし、そうでない人も出演者たちの予想を超える熱演に思わず笑ってしまうはず。深夜ならではの、いやドラマ24ならではの「こだわり」と「ゆるさ」のブレンド具合が抜群なのだ。ライバル誌の「マガジン」や「サンデー」とのコラボも、いつか見てみたい。
(日刊ゲンダイ 2018.03.14)