週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。
川本三郎 『映画の中にある如く』
キネマ旬報社 2700円
『キネマ旬報』で連載中の「映画を見ればわかること」をまとめた最新刊だ。「クロワッサンで朝食を」のライネ・マギの美しさ。「ハンナ・アーレント」から連想する丸山眞男。そして、俳優の中で「誰よりも倫理的だった」高倉健のこと。映画の細部に神が宿る。
山口 瞳:著、小玉 武:編
『山口瞳ベスト・エッセイ』
ちくま文庫 1026円
『江分利満氏の優雅な生活』や『居酒屋兆治』などで知られる作家、山口瞳。この文庫オリジナルに並ぶのは、31年間続いた本誌連載「男性自身」から選ばれた、向田邦子を偲ぶ「木槿の花」など名作エッセイの数々だ。「美的でないものは悪だ」の精神が蘇る。
鹿島 茂
『悪の箴言(マクシム)
~耳をふさぎたくなる270の言葉』
祥伝社 1944円
社会に2つの不幸が蔓延している。「右派的で強引な政権運営」を止められない不幸と、「もうひとつの希望ある選択肢」を持てない不幸だ。政治思想を専門とする著者は、「立憲主義」を検証することでこの国の明日を探っていく。保守の本来の意味が見えてくる。
(2018年4月12日号 )
中島岳志
『保守と立憲
~世界によって私が変えられないために』
スタンド・ブックス 1944円
社会に2つの不幸が蔓延している。「右派的で強引な政権運営」を止められない不幸と、「もうひとつの希望ある選択肢」を持てない不幸だ。政治思想を専門とする著者は、「立憲主義」を検証することでこの国の明日を探っていく。保守の本来の意味が見えてくる。
(2018年4月5日号)