キムタク娘、本木息子も
芸能人はなぜ子供をバイリンガルに?
木村拓哉と工藤静香の次女・Koki,が、ファッション誌『エル・ジャポン』(7月号)でモデルデビューを飾って脚光を浴びたのは記憶に新しい。同時期に、2019年春夏パリメンズコレクションで鮮烈なデビューを飾ったのは、本木雅弘と内田也哉子の長男、UTA(雅楽・うた)だ。
Koki,は現在、インターナショナルスクールに通っており、英語、フランス語が堪能でスペイン語も勉強中だという。UTAは小学生の時は東京のインターナショナルスクールに通い、中学からは単身でスイスに留学。現在は、米カリフォルニア州の大学に在学中で、英語の他にフランス語も話せるそうだ。
この2人のように、自身の子供を海外に留学させたり、インターナショナルスクールに通わせる芸能人は少なくない。松山ケンイチと小雪夫妻、FUJIWARA・藤本敏史と木下優樹菜夫妻は子供をインターナショナルプリスクールに、赤西仁と黒木メイサ夫妻は長女をアメリカンスクールに通わせていて、紗栄子は2人の息子をイギリスに留学させている。
なぜ芸能人は、子供を海外留学やインターナショナルスクールに通わせるのだろうか。上智大学文学部教授(メディア文化論)の碓井広義さんはこう分析する。
「幼少期にこうした教育を子供に受けさせることで2か国語を話すバイリンガルに育て、いずれ芸能界でデビューさせようと考えているというのがひとつの理由だと思います。実際に芸能界で語学が必要かどうかはともかくとして、語学に堪能というイメージはアピールポイントのひとつにはなります。
また、将来的に海外での活躍を考えているなら、そのための武器にもなる。実際、UTAさんはパリコレでモデルデビューしていますし、Koki,さんは海外での活躍を視野に入れているといいます。それに日本人は、海外で活躍して凱旋する“逆輸入”に弱い。芸能人として付加価値を高めるという狙いもありそうです」(碓井さん、以下「」内同)
もうひとつ、大きな理由として、親なら誰もが考えることだが、“自分ができなかったことを子供にやってほしい”という思いがあるようだ。
「学業の分野で、何か人より秀でたものを持ってほしい、という思いがあるのではないでしょうか。とくに芸能人の場合、自身は勉学よりも芸能活動を優先させてきた人が多いですから、自分が学べなかったもの、なし得なかったことを子供には与えてあげたいという傾向が強いかもしれませんね」
名の知れた芸能人ともなると持ち合わせているであろう、豊かな財力も関係する。インターナショナルスクールの授業料は、一般的には年間、約200~250万円、海外留学は行き先で大きく異なってくるが、約150~700万円といわれている。
「インターも留学も、親に経済力がないと実現できません。つまり自分と同じ著名人やセレブの子供たちが集まるわけで、親が芸能人であるというだけで変に注目されたり噂されたりする事態が少ないことも保護者としては楽なのでしょう。そもそも、インターや留学先では、親が芸能人だと知らない父兄や子供が多いでしょうからね」
芸能人にとってはメリットが多いインターナショナルスクール通いや海外留学。今後も、子供をバイリンガルにさせたがる芸能人は増えていきそうだが、こうした流れに碓井さんはこう注文をつける。
「今年4月から小学校で英語教育の義務化がスタートしました。グローバル化に伴い、幼いうちから英語を学ばせようという流れはますます加速するでしょう。ただ、英語ができることがすばらしいのではなく、英語を使って何をするのかが大切です。芸能人に限らず言えることですが、インターや海外留学することの先までを見据えて、しっかり吟味する必要があると思います。日本の学校でしか学べないことも、たくさんあるはずですから」
(NEWSポストセブン 2018年8月25日)