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Channel: 碓井広義ブログ
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デイリー新潮で、「大塚寧々」CMについて解説

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とか言いつつ……
「大塚寧々」レディースアートネイチャーCMに
イラッとするワケ

同性から髪型を誉められ、

「いやいやいやいやぁ~!……とか言いつつ、内心すっごくうれしい私です!」

8月よりレディースアートネイチャーのCMに登場している大塚寧々(50)。もう五十路かという驚きと共に、彼女の台詞回しがなんだか鼻につくのは、いったいなぜだ?

年はとったが、相変わらず綺麗だなあ、と思ったのも束の間――、

「とか言いつつ、内心すっごくうれしい私です」
「とか言いつつ、聞いた時は、そりゃー驚いた私です」
「とか言いつつ、秘密を教えてしまい、ちょっと後悔した私です」
「とか言いつつ、みんな連れてきちゃった私です」

と、大塚寧々がわずか1分のCMに「とか言いつつ」の4連発を放つのは、8月1日より放送がスタートしたアートネイチャー「ビューティアップ(Beauty Up)」のCM。その名も「とかいいつつ」篇である。

ネット上でも、大塚が女性用ウィッグのCMに起用されたことへの驚きとともに、ウザったさを挙げる声が増えてきている。

〈とうとう大塚寧々がレディースアートネイチャーのCM出てた。私も年とるわけだ〉
〈連呼がわざとらしくてイライラするイラつく〉
〈大塚寧々の変な乗りツッコミ的なノリで「~とか言いつつ〇〇な私です」って語りかけてくるやつ、イラッとしてウザ…苦手〉
〈嫌いな女優ではないがなんかうるさい〉
〈あのレディースアートネイチャーCMの “とか言いつつ” やめて欲しい〉

また、〈「とかいいつつ」がウザい女優は誰?〉なんて声は、彼女がかつて靴メーカー・ホーキンスのポスターで披露したセミヌードを知らない世代だろう。

鬱陶CM

ともあれ、「レディースアートネイチャー」の商品を宣伝しているだけにもかかわらず、なぜにこんなに鬱陶しいのだろうか。

上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)が解説する。

「レデォースアートネイチャーといえば、風吹ジュン(66)や石野真子(57)がCMに起用されてきましたが、さらに客の年齢層を下げたいという狙いもあって、今回50歳になったばかりの大塚寧々を起用したのでしょう。綺麗ですし、まだまだ女性として現役感も感じられますから、視聴者に向けて“あなただってまだイケるわよ”と思わせたいはず。

だからこそ、『とか言いつつ』とカメラ目線で視聴者に向かって訴えかけるわけです。このCMで『とか言いつつ』は、建前から本音に切り替わるスイッチみたいなモノ。そこから商品の宣伝に入っていくのですが、それが他の商品と比べても大して驚くほどのものではないというのが、イラつく最大の要因かもしれません。シャンプーできるとか、これまでにも宣伝してきましたし、知ってることをいかにもすごいことを言ってるかのような鬱陶しさが繰り返される、“鬱陶CM”です」

石野真子の「ビューティアップ!」では、テニスラケットを振り回していたっけ。

「テレビは“ながら見”される宿命があるため、CMの作り手はどうしても視聴者にこっちを向いてもらおうとするわけです。しかし、つい耳を傾け、画面を見たところが、さほどでもないことを何度も繰り返されて、ひっかかった感さえ覚えさせられて、裏目に出てしまうのです」(同)

「世の中の文字は小さすぎて読めなーいっ!」の絶叫が鼻につく渡辺謙(58)のハズキルーペも同様か。

(デイリー新潮 2018年8月25日掲載)

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