週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。
ピエール・メール、橘明美:訳
『監禁面接』
文藝春秋 2160円
『その女アレックス』の作者による最新作だ。失業4年目のアランは57歳。ようやく一流企業の最終試験までこぎつけるが、出された課題は「就職先の重役会議を襲い、重役たちを監禁して尋問しろ」だった。予測できない緊迫の展開と驚くべき結末が待っている。
嵐山光三郎・磯田道史
『影の日本史にせまる~西行から芭蕉へ』
平凡社 1512円
『西行と清盛』の作家と『武士の家計簿』の歴史家。二人が文学と歴史をつないでいく。西行の奥州行きは諜報活動だったのか。戦争広告代理店としての連歌師たち。芭蕉の句におけるリアルとフィクション。やがて日本人論にまで至る議論は異端の文学史だ。
(週刊新潮 2018年10月18日号)