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Channel: 碓井広義ブログ
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書評した本: 『文学はおいしい。』ほか

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週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。


小山鉄郎:著、ハルノ宵子:画 
『文学はおいしい。』
作品社 1944円

文学を、作中に登場する「おいしいもの」と共に味わう一冊である。夏目漱石『こころ』のアイスクリーム。川端康成『山の音』の落鮎。村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』で主人公が猫に与えていたサワラ。全100種類の食べ物や飲み物は、ほぼ追体験が可能だ。


高橋修一 
『いい家をつくるために、
 考えなければならないこと』
平凡社 1944円

著者は白井晟一を師とする建築家。本書では「いい家とは?」という問いに始まり、コスト、素材、空間、さらに設計者についても考察していく。家は単なる器ではない。自らの生活、そして生き方を反映するものだ。読了後、著者の〈住まい塾〉に参加したくなる。


スティーブン・レビツキー 、
ダニエル・ジブラット:著、
濱野大道:訳、池上彰:解説
『民主主義の死に方
 ~二極化する政治が招く独裁への道』
新潮社 2700円

「民主主義の後退は選挙によって始まる」という指摘はアメリカだけでなく日本にも当てはまる。民主主義的ルールの無視、対立相手の正当性の否定、暴力の許容、そしてメディアを含む市民的自由の剥奪など、独裁主義的行動を示す四つのポイントもリアルだ。解説・池上彰。

(週刊新潮 2018年11月22日号)



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