書評した本:『笠原和夫傑作選 仁義なき戦い 実録映画篇』
週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。 「実録」の世界を生んだ脚本に込められた気迫 笠原和夫 『笠原和夫傑作選 仁義なき戦い 実録映画篇』 国書刊行会 5,400円 脚本は映画の設計図であり海図だ。制作側も出演者も、そこに書かれた物語と人物像を掘り下げ、肉付けしながら完成というゴールを目指す。...
View Article週刊新潮で、広瀬すず「紅白」司会について解説
紅白司会に抜擢の広瀬すず、 ノルマは“39・4+3”% NHKもずいぶん露骨なことをおやりになる。 大晦日の紅白歌合戦の紅組の司会に、来春の連続テレビ小説「なつぞら」主演の広瀬すずを持ってきたのだ。 このパターンはそう、2年前の有村架純がやはり朝ドラの「ひよっこ」主演を控えて、紅白司会に抜擢されたのと同様だ。...
View Article「ハラスメントゲーム」は社会派エンタメの佳作
「ハラスメントゲーム」は 起伏に富んだ社会派エンタメの佳作だ 唐沢寿明主演「ハラスメントゲーム」(テレビ東京系)は、社会派エンタメの佳作と言っていい。主人公の秋津渉(唐沢)は、大手スーパー「マルオーホールディングス」のコンプライアンス室長だ。パワハラ疑惑で地方に左遷されて7年目、いきなり本社に呼び戻されて室長となった。...
View Article書評した本: 『ふたつのオリンピック~東京1964/2020』ほか
週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。 ロバート・ホワイティング:著、玉木正之:訳 『ふたつのオリンピック~東京1964/2020』 角川書店 2592円 『東京アンダーワールド』の著者による自伝的ノンフィクションだ。1962年に米軍の諜報部員として来日。以来、半世紀以上も東京の表と裏を見つめてきた。本書は街、スポーツ、人物について時にクールでシニカル、また時に熱く語った極私的現代史でもある。...
View Article現場からの報告「十三回忌追善 実相寺昭雄 特撮ナイト」
現場からの報告 「十三回忌追善 実相寺昭雄 特撮ナイト」 今年は『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』、そして映画『帝都物語』などで知られる、実相寺昭雄監督の13回忌にあたります。 11月29日が命日だったのですが、12月1日から翌朝にかけて、池袋の新文芸坐で追善のオールナイト上映会が開かれました。...
View Article書評した本: 『文学はおいしい。』ほか
週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。 小山鉄郎:著、ハルノ宵子:画 『文学はおいしい。』 作品社 1944円 文学を、作中に登場する「おいしいもの」と共に味わう一冊である。夏目漱石『こころ』のアイスクリーム。川端康成『山の音』の落鮎。村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』で主人公が猫に与えていたサワラ。全100種類の食べ物や飲み物は、ほぼ追体験が可能だ。 高橋修一 『いい家をつくるために、...
View Article言葉の備忘録 68 覚えていることだけが・・・
覚えていることだけが 重要なのではない。 忘れてしまい、 もはや復元できない経験は、 覚えている事柄と同じくらい大切で、 かけがえがない。 蜂飼耳 『朝毎読~蜂飼耳書評集』
View Article週刊新潮で、深キョン「4K・8K」キャラクターについて解説
深キョンが誘う別世界―― 「4K・8K」の目玉番組は 「もうすぐですよ別世界」、そう深キョンが微笑む――。 12月1日から始まる4K8K衛星放送。その推進のため民放キー局などで作る「放送サービス高度化推進協会(A‐PAB)」のキャラクターを務めるのが深田恭子(36)だ。彼女が注目番組などを紹介する4K画像のPRスポットが、11月19日から民放BS局、NHKなどで流れている。...
View Article福田演出をひたすら楽しむドラマ「今日から俺は!!」
賀来賢人「今日から俺は!!」は 福田演出をひたすら楽しむ 日曜夜10時30分の「今日から俺は!!」(日本テレビ系)の舞台は、80年代の千葉の私立高校。脚本・演出は「勇者ヨシヒコ」シリーズなどの福田雄一監督である。...
View Article書評した本: 『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』
週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。 常識が失われた時代に考えたい保守主義の本質 適菜 収 『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』 講談社+α新書 907円 かつて高校の国語教師をしていたことがある。教科書には小林秀雄の文章も載っていたが、教えるのに難渋した記憶ばかりで、作品名さえ覚えていない。もしも当時、適菜収『小林秀雄の警告...
View Article毎日新聞で、「リバイバル女優」について解説
特集ワイド 「リバイバル女優」花盛り 今も昔も変わらぬ存在感 近ごろ、長期の“休業”を経て復帰した女優が目立つ。多くは1980年代後半から90年代前半のトレンディードラマで名をはせた主演女優である。似たようなタイミングで、なぜ「リバイバル(復活)」しているのだろう。【小松やしほ】...
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