尊敬できる人間を持ってる人間が光るんです。
尊敬される人間は別に光らない。
倉本聰
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「高倉健さんの映画は必ず上に人がいることで成立している」と、
脚本家は言う。
権力者も反逆児も「上に立つ人」がいないお山の大将。
そこがだめなんだと。
自分の不完全を知り、自分に優(まさ)る者のほうから自分を量る。
その人が後生大事にしているものは命を張ってでも護(まも)る。
そういう「重し」が人には要ると。
元TVプロデューサー、碓井広義との共著『ドラマへの遺言』から。
鷲田清一 「折々のことば」
(朝日新聞 2019.04.16)