NHK「逆転人生」
司会が山里亮太なのはちょっと出来過ぎ?
先週の芸能ニュースは、南海キャンディーズ山里亮太の結婚話でもちきりだった。いわゆる「非モテ」キャラと思われていた山里のお相手が、女優の蒼井優だったという意外性から、“逆転勝利”的フィーバーが起きたのだ。
そんな山里が、この春から司会を務めている番組のタイトルが「逆転人生」というのは、ちょっと出来過ぎかもしれない。
コンセプトは極めてシンプル。絶対絶命の危機から奇跡の大逆転を遂げた人たちの「実話エピソード」を紹介するのだ。スタジオには山里と杉浦友紀アナ、主役である本人、そしてゲストが並び、逆転劇は再現VTRを軸に語られていく。
たとえば、元ヤクザの牧師さんが登場する。「力と居場所」が欲しくて足を踏み入れた極道の世界。やがて博打で抱えた巨額の借金で命の危険にさらされ、関西から東京へと逃げた。
偶然新宿の教会に立ち寄ったことをきっかけに厚生し、自身も牧師の道へ。現在は、かつての自分に似た境遇にある人たちを支援する活動を行っている。
大きかったのは信じて励ましてくれた牧師と、じっと待っていてくれ妻の存在だ。スタジオでは「神様とカミさんに救われました」と言って山里たちを笑わせた。
この番組のメッセージは「人生はやり直せる」。いずれも誰かに「救われた」だけでなく、自らを「救っていた」ことがわかる。目指せ、逆転!
(日刊ゲンダイ 2019.06.12)