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「特捜9」最終回  班長・宗方は主人公以上に印象を残した

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「特捜9」最終回

班長・宗方は主人公以上に印象を残した

 

井ノ原快彦主演「特捜9season2」(テレビ朝日系)が終わった。警部補となった浅輪(井ノ原)、小宮山(羽田美智子)、青柳(吹越満)など馴染みの面々が並び、そこに新藤(山田裕貴)という新メンバーも参加した9係。毎回、チームワークのよさで事件を解決してきた。

最終回では、2人の弁護士が被害者となる連続殺人が発生。捜査を進めるうちに、過去の冤罪事件が浮上する。真相を知る裁判官(嶋田久作)を追及するが、上から捜査に圧力が加わって……という展開だった。

実は、この最終回で強い印象を残したのは、主人公の浅輪よりも班長の宗方(寺尾聰)のほうだ。警察という組織内の“悪”を、その職を賭けて正そうとする浅輪を守るために、自分が辞表を出す宗方。それは覚悟の“刺し違え”だった。

「1億人の規範となるべき法の正義は冷たい。たった1人でも浅輪のような“優しい正義”が必要だ」と言って去っていく宗方がカッコいい。

思えば40年前、「西部警察」(テレ朝系)のリキこと松田刑事(寺尾)は、でっかい44マグナムをぶっ放していたっけ。捜査上のやり過ぎや行き過ぎは、軍団長の大門(渡哲也)が見えないところでカバーしてくれていた。あのリキが、今度は愛すべき後輩のために、自身の警察人生に自ら幕を下ろしたかのようだ。

さらば! 宗方。そして、また会おう! 浅輪。

(日刊ゲンダイ 2109.07.03)


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