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新潟日報で、「NGT48」問題について解説

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NGT活動再開、道険しく
暴行発覚から半年、公演日程公表されず

新潟県を拠点とするアイドルグループ「NGT48」の元メンバー山口真帆さん(23)の暴行被害が発覚してから8日で半年となった。運営会社「AKS」(東京)は暴行に端を発した騒動により、劇場公演の中止など1億円以上の損害を受けたとして、暴行で逮捕された男性2人に賠償を請求。民事訴訟は10日に新潟地裁で始まる。一方、現在もなお公演再開の日程は公表されておらず、グループの先行きも不透明なままだ。

新潟市中央区のNGT専用劇場では、5月18日に山口さんらが卒業して以降、公演は開かれていない。1月に山口さんが被害を訴えるまでは月平均13回の公演があったが、現在は土日を中心にロビーでグッズが販売されるのみだ。

東京からの出張のついでに劇場に寄り、グッズを購入したという会社員、小出三郎さん(45)は「劇場施設は素晴らしい。だがNGTの活動再開は難しいのだろうか」と残念がる。

AKSは訴状に損害額を記載した。劇場公演中止で1カ月当たり1188万円、ツアーコンサート中止で3994万円に上るとした。

影響は劇場外にも波及した。地域密着を掲げ、県内企業や行政とも積極的に連携していたが、騒動の後、有力スポンサーがCMを休止。9月開幕の「国民文化祭」「全国障害者芸術・文化祭」も県はスペシャルサポーターの再契約を見送った。花角英世知事は6月の会見で、NGTとの契約について「(県民から歓迎されるとは)思えない」と述べている。

地元放送局で持っていたテレビやラジオの番組も終了、休止し、現在、メンバーたちが日常的に県民の目に触れる機会はなくなった。

AKSは8日時点で、NGTの劇場公演の見通しについては「今お答えできる状況にない」とする。一方で今月1日にはメンバーのセキュリティー強化などの対策をホームページで公表しており、活動再開に向けた布石と見ることもできる。

しかし、騒動の収束は容易ではないとみられる。

山口さんの卒業公演直後には、他のメンバーが会員制交流サイトで、山口さんを取り上げたテレビ番組について不適切な投稿をし、処分される事態となった。インターネット上ではメンバーへの誹謗(ひぼう)中傷が拡散。批判コメントが殺到する“炎上”がたびたび起き、メンバーがファクスで「殺す」と脅迫されたこともあった。

再生を願うファンの声は切実だ。劇場を訪れた新潟市北区のフリーター男性(40)は「グループのイメージが悪くなり、残ったメンバーがかわいそうだ」と嘆いた。

◎見守り育てる視点、AKSに欠如

NGT48を巡る一連の騒動の背景について、上智大文学部の碓井広義教授(64)=メディア文化論=は、AKBグループの拡大路線による「限界」を指摘した上で「若いメンバー一人一人を見守り育てる視点がAKSに欠如していたのではないか」と分析する。

NGTの現状については「新潟の元気を発信するために発足したはずのグループ。アイドルは人を元気にするのが仕事だが、今は新潟の元気を奪っている」と断じる。

活動再開については「アイドルにとってイメージは大きい。疑念を持たれたままでは再開は難しいだろう」と強調。「セキュリティー面だけでなく、衣装や楽曲なども含めて一新し、新生NGTとして出直すべきでは。対応は早ければ早いほうがいい」と述べた。

(新潟日報 2019.07.09)


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