読売テレビ制作、日本テレビ系
眞島秀和「おじカワ」で発見
何歳になっても世界は広がる
誰にだって「好きなもの」はある。「おじさんはカワイイものがお好き。」の主人公、小路三貴(眞島秀和)はカワイイもの全般に目がない。
特に好きなのは犬のキャラクター「パグ太郎」だ。しかしバツイチで独身の43歳、部下の信頼も厚い敏腕課長としては、会社の人間などに自分の趣味・嗜好を知られたくない。勝手な決めつけや誤解は迷惑だからだ。
救いは取引先のアートディレクター、河合ケンタ(今井翼)である。同じ「カワイイもの好き」と分かり友情が芽生えた。一方社内では、小路をライバル視する年下の課長、鳴戸渡(桐山漣)が何かと目を光らせている。
とはいえ、大きな事件が起きるわけではない。会社でカワイイものに過剰反応してあわてたり、出張先で鳴戸の目を盗んで「ご当地グッズ」を入手するのに苦労したり。演じる眞島もすっかり「カワイイおじさん」だ。
10日に最終回を迎えたこのドラマが手渡してくれたメッセージは、自分にとっての「消せない好き」を大事にすることだ。そして「好きをあきらめない」こと。さらに大切な相手には、自分が思っていることを「言葉で伝える」努力をする。いずれもパグ太郎の教えだ。
いや、小路の「発見」がまだあった。それは「何歳になっても世界は広がる」ということだ。パグ太郎のキーホルダー、お守りとして一つ欲しくなってきた。
(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは‼」2020.09.16)