半沢有終
最終回視聴率32・7%
「恩返しです」名言反響
27日に放送されたTBS系連続ドラマ「半沢直樹」の最終回の平均視聴率(関東地区)が32・7%だったことが28日、ビデオリサーチ社の調べで分かった。
初回から一貫して20%台を保ち、最終回はそれまで最高だった第8話から7・1ポイント伸びた。テレビドラマの30%超えは、2013年放送の前作「半沢直樹」の最終回の42・2%(同)以来。
ドラマは、堺雅人さん演じる巨大銀行の行員、半沢直樹が理不尽な仕打ちに立ち向かう物語の続編。放送はコロナ禍で開始が4月から7月にずれ込み、感染予防の関係で第8話の放送が1週間延期されるなど難航した。
一方、奮闘する医療従事者などに感謝の気持ちを表す意味で「施されたら施し返す。恩返しです」というセリフが急きょ脚本に盛り込まれるなど、社会状況を見極めた対応もあり、TBSの佐々木卓社長は「はね返す勢いが、よりすばらしい現場の雰囲気を作った」と話している。
放送中はインターネットのSNS上でも、香川照之さん演じる大和田が半沢に言い放つ「おしまいDEATH!」などの“名言”に多くの視聴者が反応した。
ツイッタージャパンによると、最終回の放送前(午後8時半)から午後10時までの関連のツイートは計43万件に達し、昨年のラグビーW杯日本大会の準々決勝・日本対南アフリカ戦の時の国内でのツイート数(40万件)に匹敵するという。担当者は「スポーツ中継でみられるような一緒に見ながら盛り上がる感じがあった」と話す。
メディア文化評論家の碓井広義さんは「今作は現実社会を取り込んだドラマ作りが痛快で、半沢の姿にコロナ禍での閉塞感(へいそくかん)から解放された視聴者も多かったのでは。TBSは話題作りもうまかった」と分析する。
(朝日新聞 2020.09.29)