既成概念打破、大泉さんが発信
凸版印刷「TOPPA!!! TOPPAN立ち上がり」編
20年前、北海道の大学に単身赴任し、初めて「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)を見た。そして大泉洋さんの面白さに圧倒された。
とはいえ、当時の芸風は大暴走の無手勝流。やがて「ノーサイド・ゲーム」で日曜劇場の主役となり、NHK「紅白歌合戦」の司会を務める国民的俳優になるとは思いもしなかった。
凸版印刷の新作CMもじわじわとおかしい。成田凌さんの前に現れた大泉さんが、「凸版のこと、印刷の会社だと思っていません?」と訊く。名前からして印刷会社だと答える成田さんを、大泉さんが諭す。「突破する会社ですよ!」
確かに現在の凸版印刷は、情報コミュニケーションからエレクトロニクスまでを扱う先端技術企業だ。印刷会社の既成概念を自ら壊してきた軌跡は、いくつもの壁を越えながら進化してきた大泉さんと通じるものがある。
突破する企業、突破する俳優。転がる石に苔はつかない。
(日経MJ「CM裏表」2021.05.10)