Quantcast
Channel: 碓井広義ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

産経新聞で、消費税増税の「政府広報」について解説

$
0
0

カウントダウンとなった消費税増税。

3月30日付けの産経新聞に、「政府広報」に関する記事が掲載されました。

その中で、解説をしています。


「引き上げ分5兆円 すべて社会保障に」
政府 必死の駆け込み広報 

「増税分5兆円はすべて子育て・医療・介護・年金といった社会保障のために使われます」−。4月からの消費税率引き上げを目前にして、政府がこんな“駆け込み広報”を活発化させている。企業が商品値上げなど増税対応を強める一方、増税の目的に関する消費者の理解が不十分との懸念からだ。広報活動の成否は、税率10%への移行にも影響を与えかねないだけに、必死のPRを展開している

23日付の新聞各紙には消費税広報のチラシが一斉に折り込まれた。A3版カラーの4ページ構成で発行部数は計約3600万部。税の使途から、負担軽減のための給付金の説明まで、内容は盛りだくさんだ。投じた費用は約2億9千万円。製作を担当した内閣府政府広報室は「国民に納得して増税分を負担してもらいたいため」と説明する。

政府は平成25年度当初予算と補正予算に、消費税関連の広報費として計約12億6千万円を計上した。昨年は新聞広告による啓発中心だったが、今月に入って、利用媒体も主婦向け雑誌やインターネットサイトのバナー広告、コンビニエンスストア内の有線放送にまで急拡大。26日には内閣府職員自ら、都内の駅前でチラシを配った。

政府が駆け込み広報を加速させる背景には、消費税増税の目的が、国民に十分に理解されていないことへの危機感がある。

「消費税増税は、どうしても家計負担が重くなるイメージが先行する」。政府関係者は口をそろえる。増税に伴う税負担が、社会保障の原資になるということには結びつきにくい。カルチュア・コンビニエンス・クラブが今月実施した調査では、2割近い消費者が、10%への再増税について「何がなんでも反対」と回答した。

内閣府は4月以降も、テレビCMを企画。小売りの店頭で増税分が価格転嫁されることへの理解を求めるなど、切れ目のない広報活動を展開する予定だが、これで国民の理解が進むかは未知数だ。

広報活動に詳しい上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「政府広報には世代や地域、関心の有無を問わず、痛みを伴う政策を周知させる難しさがある」とした上で、「今回の消費税に関する広報は、『社会保障に使われます』という弁明に終始しすぎで、露出量よりも質の向上が求められる」と指摘している。(佐久間修志)

(産経新聞 2014.3.29)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

Trending Articles