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Channel: 碓井広義ブログ
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「親の年収・学歴」と「子どもの学力」が正比例する時代に

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教育社会学の第一人者、お茶の水女子大学の耳塚寛明教授は、
松本深志高校の同級生です。

現在は、お茶大の副学長でもあります。

その耳塚君が研究リーダーを務めたのが、文科省の「全国学力調査」。

「親の年収や学歴」と「子どもの学力」が“正比例”する実体が明らかになっています。

以下は、29日の朝日新聞の記事・・・・

「本・新聞」「親子の会話」学力のカギ 
環境不利でも工夫の余地 全国学力調査分析
全国学力調査の詳細な分析結果が28日公表され、親の年収や学歴の高さに子どもの学力が比例する傾向が明確になった。一方、不利な環境でも学力を伸ばすために、親や学校が工夫すべき要点も見つかった。かぎは、「読書」や「親子の会話」などだ。

研究班は、年収と両親の学歴の高さから4グループに分けて分析。それによると、年収水準・学歴が高く、学校外の学習時間が長い子ほど学力が高かった。年収・学歴が最も低いグループで学校外学習が「1日3時間以上」という子の平均正答率が、年収・学歴が最も高く学校外学習を「全くしない」という子を下回る、という結果も出た。「単に学習時間を延ばす以外の工夫が必要」と研究班は指摘する。

一方、学力には「読書活動」の影響が強い、との結果も出た。「本や新聞を勧める」「一緒に図書館に行く」「小さいころに読み聞かせをした」などだ。「言語の価値を理解したり、新しいことを学んだりする力を習得している」とみる。勉強や社会の出来事について親子で話したり、規則正しい生活を整えたりする家庭ほど、「自ら学び、学校に楽しく行く傾向が強いことを示唆」とも指摘した。

年収・学歴が最も低いグループで、算数(数学)Bの成績上位25%に入る子は小6で17%、中3で12%いた。特徴を分析すると、「読書」「親との勉強に関する会話」「規則正しい生活」のほか、宿題をしっかりしていたり、親が学校行事に積極的に参加したりする傾向があったという。

学校は家庭の「格差」をどう抑えるか。小6算数Aの成績を基に分析すると、放課後の補充学習や習熟の遅い子に対する少人数指導を頻繁にしたり、小中が連携して指導をしたりする取り組みが効果的だった。

格差縮小の成果が表れた小中7校を調べると、子どもに自分の課題を意識させるきめ細かな宿題の指導▽教師同士で見合う授業研究▽地域独自の学力調査結果の活用▽基礎学力習得の徹底――などの特徴的な取り組みがみられたという。研究班代表の耳塚寛明・お茶の水大副学長は「社会経済的な学力格差の動向は国が定期的に監視する必要がある」と指摘した。(岡雄一郎)

◆キーワード
<全国学力調査と結果分析> 2007年から小6と中3を対象に文部科学省が実施。教科は国語と算数(数学)で、基礎知識中心のA問題と活用力をみるB問題がある。今回の分析は、お茶の水女子大の研究班が、昨春の学力調査について公立学校778校で保護者約4万人へのアンケートと子どもの結果を調べた。年収などと学力の関係について、国が委託して全国的な分析をしたのは初。

(朝日新聞 2014.03.29)



・・・・まあ、実感としては、ずいぶん以前からその傾向はありましたが、あらためてデータで示されると、「格差社会」のエグイ一面を見る思いです。

多分、大学生の保護者の平均年収で一番高いのは東大でしょう。

こんなバカ話を聞いたことがあります。

近年、東大の女子学生に、美人が多い、と。

本当かどうか、知りませんよ(笑)。

そういう、話です。

まず、東大などの高偏差値大学を出た高学歴・高収入の男が、高学歴にして美しい妻をめとる確率(可能性)が高いのだ、と。

両者の間に生まれた子は、親に似て頭脳優秀にして眉目秀麗である確率(可能性)が高い。

しかも幼少時より、塾だろうが、お受験だろうが、名門私立だろうが、とにかく経済的に余裕があるから、教育にお金をかけられる。

で、東大には、高学歴・高収入の親をもつ美人女子学生が多い、と。

そしてまた、自身も高学歴・高収入の親となり、子どもが生まれ・・・という話でした。

もはや立派な「階層社会」です。

記事にある「環境不利でも工夫の余地」というのも分かりますが、
そう簡単じゃないことも想像できます。

かつては「貧家の秀才」の出世物語は普通に存在したけど、それが通用しない社会になりつつあるってこと?

そりゃ、辛いよ。

どうしたらいいんだろうね、耳塚君。



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