日経MJ(流通新聞)で、新しい連載コラム「CM裏表」を始めました。
「CMの魅力や社会への影響などを解説」するというのが趣旨なのですが、個人的には、CMを通じて世の中や時代を見つめられたら、と思っています。
毎週月曜の掲載で、私の他に放送作家の山田美保子さんなど3名の方々が参加。
月に1度、順番が回ってきます。
自分でも楽しみな連載なので、どうぞよろしくお願いいたします。
CM裏表
「ロト7」
上司を信じるな
実感する会社劇
会社は面白い。色々な人間が生息している。特に上司は奇々怪々だ。成功は自分の手柄、失敗は部下のせいというタイプも少なくない。ロト7の柳葉敏郎さんみたいに「すべて私の指示です。責任は私がとります」なんて言う上司は貴重だろう。
でも、気をつけよう。上司は豹変(ひょうへん)する。柳葉さんも、得意先に名刺ではなくロト7のマークシートを渡したミスを、部下の妻夫木聡さんに転嫁した。
「君子豹変」という言葉は、急に態度を変える身勝手な振る舞いを指すことが多い。だが本来は、立派な人間ほど自分の間違いを直ちに改めるという意味だ。
CMでは、柳葉さんが「キャリーオーバー」に反応したことでロト7好きが露見する。この上司、信じていいのか。部下の自己決定が試される瞬間。それもまた会社の醍醐味だ。
(日経MJ 2014.04.07)