日経MJ(流通新聞)に連載している「CM裏表」。
今回は、ソフトバンクのCM、白戸家「戦国」編を取り上げました。
ソフトバンク 「白戸家戦国編」
音楽の「文脈」で
訴える力は倍増
当然のことだが、CMは映像と音声で成り立っている。たくさんのCMがランダムに流れる中、視聴者の注意を引くためには耳からの情報、特に音楽は重要だ。
ソフトバンクのCM、白戸家「戦国」編で使われているのは映画「ゴジラ」(監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二)のテーマ曲。あの迫力のあるメロディが、他社とのサービス競争をイメージさせる合戦シーンによく似合う。
今年は1954年の「ゴジラ」公開から60周年に当たる。また音楽を手がけた作曲家・伊福部昭の生誕百年でもある。
さらに7月にはハリウッド製「GODZILLA」の公開が控えている。何かと「ゴジラ」が話題となり、そのテーマ曲が流れる機会も多いはずだ。
CMが既存の楽曲を使用する際、コンテンツとしてだけでなく、背後に広がるコンテクスト(文脈)をも取り込むことで効果は倍増する。“世界の怪獣王”の力を借りるという狙いは悪くない。
(日経MJ 2014.06.30)