日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、テレビ東京「不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。」について書きました。
「人間劇場」のDNAを蘇らせた
トライアル企画を高く評価したい
誰の人生にも「ここが勝負だ」という場面が何回か訪れる。その挑戦や賭けは、果たしてどんな結果を招くのか。
「不躾ですが、ドキドキな発表の瞬間立ち会わせて下さい。」(テレビ東京系)という長〜いタイトルの番組は、誰かのトライに密着し、「結果発表」や「合格発表」までを追ったドキュメント・バラエティだ。今月1日から22日まで、月曜深夜に限定4回で放送している。
登場したのはプロ資格を獲得すべく奮闘するソーシャル・ダンスの男女ペア。美容師ではなく理容師を目指している女子専門学校生。また自分の限界に挑むためコンテストに出場する76
歳のボディビルダーなどだった。
番組は彼らの取り組みを取材したVTRを、司会のサンドウィッチマンが見ていくというシンプルな作りだ。無理に視聴者を笑わせようとか、ウケようとかせず、素に近い感想を述べる2人に好感がもてる。
テレビ東京はかつて、有名・無名を問わず1人の人物にスポットを当てた1時間の人物ドキュメンタリーを放送していた。1992年から7年半ほど放送された「ドキュメンタリー人間劇場」だ。もちろん高い視聴率を取るような番組ではないので、当時の制作も編成もよく頑張ったと思う。
今回の4回限定放送を、そんなDNAを現代に蘇らせようとしたトライアル企画として高く評価したい。
(日刊ゲンダイ 2014.09.16)