原稿の仕事をちょっとサボって、新百合ヶ丘にある川崎市アートセンターへ。
上映中のドキュメンタリー・フィルム「グレン・グールド 27歳の記憶」を見る。
原題は「Glenn Gould: Off the Record / On the Record」だ。
前半は、カナダのトロント郊外にある別荘での練習風景。バッハの「パルティータ第2番」などが聴ける。
後半は、ニューヨークのコロンピア・レコードでの録音風景。こちらは「イタリア協奏曲」が中心だ。
スタンウエイが並ぶ倉庫で、ピアノを選ぶところなんて、見ていて嬉しくなる。
よく知られた超低めの椅子。
ピアノを弾きながら歌うというか、唸りながらの(笑)独特の演奏スタイル。
時には、左手で鍵盤を叩きつつ、右手で指揮をしていたりする。
納得いくまで録音を続ける様子からは、演奏会よりもレコードを優先したグールドらしさが垣間見られた。
時は1959年。
制作したのはカナダのテレビ局だ。
モノクロフィルムに焼きつけられた、若き日の天才の姿。
画質は現在とは比べるべくもないが、その内容が画質など凌駕する。
DVDも発売されているが、音楽ドキュメンタリーであり、人物ドキュメンタリーでもある傑作を、スクリーンで見られたことはラッキーでした。
上映は川崎市アートセンター・アルテリオ映像館にて、7月5日まで。
http://kawasaki-ac.jp