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信濃毎日新聞で、「録画再生率」について解説

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故郷の新聞であり、信州では圧倒的なシェアを誇る「信濃毎日
新聞」。

13日の紙面に掲載された「録画再生率」についての記事の中で、
解説しています。


番組作りが変わる? 録画再生率公表 
来年から本格運用
ビデオリサーチが録画再生率を初めて公表し、放送業界に反響が広がっている。録画機の普及が進み、現行のリアルタイムの視聴率に反映されない視聴動向を把握するのが狙いで、同社は来年1月から運用を本格スタートさせる。

新たな評価指標が加わり、今後の番組作りが変わるのか。関係者の声を集めた。

7月に試験的に公表されたのは、関東地区300世帯で3月31日~6月29日に行われた調査結果だ。録画番組が放送後7日以内に再生された割合を集計し、トップは池井戸潤原作の「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS)の7.7%(全話平均)だった。

TBSによると、番組の全話平均の視聴率は14.5%。同番組を含め、上位20番組中、17番組をドラマが占め、バラエティーやスポーツに比べ、ドラマを見る傾向が強いことが明らかになった。

調査対象世帯やサンプル数が違うため視聴率と録画再生率の数字を単純に比較できないが、今回の結果に各民放では「テレビ離れと言われる中、本当はテレビが見られていることが裏付けられた」と歓迎。

一方で「われわれにとってCMを出してくれる会社は神様のような存在。録画視聴ではCMがスキップされる可能性が高く、手放しんい喜べない」と複雑な胸中を語る幹部も。ビデオリサーチの調査では、録画再生中のCMスキップ率は約5割だったという。

「これからもテレビの制作現場はリアルタイムで熱狂できる番組を目指すべきだ」。そう力説するのは、プロデューサー時代に「東京ラブストーリー」など多くの大ヒットドラマを手がけた大多亮・フジテレビ常務だ。

一例として、同局の夏クールのドラマ「昼顔」を挙げる。「不倫妻」を題材にして話題を集め、視聴率やネット有料配信が好調で、大多常務は録画再生率も高いと推測。「職場や学校で話題となり、見たいという気持ちをあおるものが結局は録画率も高くなるはずだ」

碓井広義・上智大学教授(メディア論)は「今後、録画視聴を前提とした大人向けの良質な番組が増える可能性もある」と予測。

CMスキップはネックだが、「広告業界はスキップされないぐらい質の高いCMを作る方向にいくべきだ。一方で番組中に商品紹介が自然と入ってくる番組が増えるだろう」と指摘している。

(信濃毎日新聞 2014.10.13)

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