発売中の「アサヒ芸能」最新号に、「紅白歌合戦」に関する特集記事が掲載されました。
この中で、解説しています。
例によって、記事全体は本誌をご覧ください。
以下、私の解説部分です・・・・
●「紅白」と時代
今年で65回を迎える紅白だが、「時代遅れ」の感は否めないといえよう。
.上智大学文学部新聞学科教授(メディア論)の碓井広義教授が語る。
「紅白が変わったというより、視聴者側が変わったといえるでしょう。視聴者のテレビに対するスタンスが変わってしまった。今の視聴者にとっての『メディアの優先順位』で、何が自分にとって大事か? と考えると必ずしもテレビは一番ではありません。他のメディアもできましたから」
●「紅白」と社会
「家族・家庭のあり方が個人主義どころか『バラバラ主義』になってしまいました。家庭にテレビが一台、そこにみんなが集まって覩るというスタイルが変わってしまったということです。そうした流れに紅白も巻き込まれていったということでしょう」
●NHKと「紅白」
「視聴者にとってより、公共放送にとっての『紅白』という思いがあるのかもしれません。NHK にとって3大“記号”、“シンボル”は『朝ドラ』『大河』『紅白』です。『朝ドラ・大河』がドラマの看板、エンターテイメントの看板が『紅白』です。やめるのは簡単ですが、手放したらNHKは多くのTV局のワンノブゼムになってしまうのではないかという、思いがあるのではないでしょうか」
「ここしばらく紅白は『対処療法』を行っているという印象は否めません。なんとなく状況に合わせる形で、こっちで求められているものを用意 し、あっちが欲しがるものも並べてみましたという、まるで潰れかけの総合デパートみたいです。本当はNHKとして『紅白とはこういうもの』という、『紅白の哲学』を考えるべきなのでしょう」
(アサヒ芸能 2014.12.11号)