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25日(金)のHTB北海道テレビ「イチオシ!」

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25日(金)の午後、HTB北海道テレビ「イチオシ!」。

ニュースコーナーで、「子どもをめぐる事件の多発」について話をしました。

この日は、道内の小中学校の終業式で、いよいよ夏休みというタイミングです。






今週の「国井美佐アナウンサー」

25日「金曜オトナイト」は経済金融評論家・山口正洋さんと

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25日の「大竹まことの金曜オトナイト」。

ゲストは、経済金融評論家の山口正洋さんでした。

慶応義塾大学卒業後、大手商社丸紅に就職。

欧米の金融機関を経て、特定の分野に特化し、資金調達を行う ブティックの投資銀行を開設。

現在は、M&Aから民事再生・地方再生と幅広く活動し、講演活動も積極的に行っていらっしゃいます。



安倍政権の経済政策についてズバリ、そしてチクリと論評。

地方再生のお話もリアルでした。



今週の「もえちゃん」

26日(土)のHTB「イチオシ!モーニング」

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26日(土)朝の「イチオシ!モーニング」。

ファイターズが勝った翌日は、番組全体も元気です(笑)。



岩本さんを中心に、中田の、初となる「逆転満塁ホームラン」で盛り上がりました。

ナウシカが使っていた飛行具「メーヴェ」を再現し、滝川市で公開試験飛行というニュースなどでコメント。

尾翼がないから、体重移動で左右に旋回する。

飛ぶところを見てみたい(笑)。






今週の「室岡里美アナウンサー」


今週の「木村愛里さん」

【気まぐれ写真館】 美味!北海道千歳市「柳ばし」のカツカレー

週刊現代で、歴代の「大河ドラマ」についてコメント

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発売中の「週刊現代」(2014.08.09号)に、『決定!NHK大河ドラマ
「最高のヤマリ役」は誰か』という特集記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。



ただし、私が受けたアンケートは、記事タイトルにあるような「役者」とか「ハマリ役」を問われるものではなく、「大河ドラマ53作品のうち、好きな作品ベスト5を挙げてください」という要請でした。

参考までに、以下が私の回答です。

本文には、この中の「赤穂浪士」の部分が載っています。

記事全体は、ぜひ本誌をご覧ください(笑)。


大河ドラマ53作品のうち、
好きな作品ベスト5
【1位】 竜馬がゆく
まず司馬遼太郎の原作自体がすこぶる面白い。その原作がもつ青春物語としての魅力を最大限に引き出していた。主演の北大路欣也、演出の和田勉、両者のエネルギーが激突した成果だ。

【2位】 太閤記
ドラマの冒頭に、関ケ原付近を疾走する新幹線を映し出して、視聴者の度肝を抜いた。ストーリーは知っているはずなのに、若き名優・緒形拳の熱演が新たな秀吉像を見せてくれた。

【3位】 源義経
「判官びいき」という言葉に象徴されるように、日本人のメンタリティを揺さぶる主人公。ソウルフードならぬ、ソウルドラマと呼んでもいい。歌舞伎の尾上菊之助(義経)と、新国劇の緒形拳(弁慶)という画期的なコンビも最強だった。

【4位】 赤穂浪士
起伏に富んだ物語展開、名場面の連続、そして大スターたちの競演。まさに「ザ・大河ドラマ」というべき古典的名作である。

【5位】 利家とまつ〜加賀百万石物語〜
何より、「夫婦」を主人公にした発想が秀逸。さらに、武家にとって「戦時」の合戦ばかりではなく、「平時」もまた命懸けの戦場だという視点も新鮮だった。


■あなたにとって、大河ドラマとはどのような存在ですか?

歴史から「男の人生」を学ぶ教科書。






2014年上半期 「オトナの男」にオススメの本(その5)

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この12年間、ほぼ1日1冊のペースで本を読み、毎週、雑誌に
書評を書くという、修行僧のような(笑)生活を続けています。

今年の上半期(1月から6月)に「読んで書評を書いた本」の中から、
オトナの男にオススメしたいものを選んでみました。

今回は、その「パート5」になります。

閲覧していただき、一冊でも、気になる本が見つかれば幸いです。


2014年上半期 
「オトナの男」にオススメの本
(その5)
村上春樹 『女のいない男たち』 文藝春秋

『東京奇譚集』から9年ぶりの短編小説集だ。登場するのは女性に去られてしまった、もしくは去られようとしている男たち。著者は楽しみながら様々な手法、文体、シチュエーションを試みている。

『ドライブ・マイ・カー』の主人公は、病死した妻が別の男と関係があったことを知りながら、何も言えなかった自分に拘り続けている。しかし、新たに雇った女性の専属運転手と一緒に走るうち、秘めていた過去を少しずつ語り始める。

また、小学校時代からつきあっているガールフレンドを抱くことのできない友人から、代理の恋人になってくれと頼まれるのは『イエスタデイ』の主人公だ。

全6編の最後に置かれた表題作は、他の作品より寓話性と暗示性に富み、男と女の深層へと踏み込んでいる。女のいない男たちの孤独感が重く痛切だ。


杉田俊介 『宮崎駿論〜神々と子どもたちの物語』 NHK出版

著者は『フリーターにとって「自由」とは何か』などで知られる批評家。NPO法人で障害者ヘルパーを務めながら執筆活動を続けている。本書は自身の子育ても踏まえた、いわば体験的作家論である。

「私たちのありふれたこの身体に、どうすれば、八百万の神々(自然)の力を再び宿していくことができるのか」――この問いかけが宮崎アニメの底流にあると著者は言う。

たとえば『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』も、この国の自然=神々を信じ直すために、子どもとしての潜在的な身体(欲望)を取り返そうという試みなのだ。その上で、「お前ら、この世界の大人たちに食い殺されるな」という、子どもたちへの厳しいメッセージが込められている。

家族観も歴史観も重層的な矛盾に満ちている宮崎駿。その本質に迫る意欲作だ。


川名壮志 『謝るなら、いつでもおいで』 集英社

2004年6月1日、佐世保市の小学校で6年生の女子児童が殺害された。犯人は同じクラスの友達。被害者の父親は新聞記者で、著者の上司だった。事件の背後に何があったのか。愛する者を失った家族は現実とどう向き合ったのか。鎮魂のノンフィクションだ。


南川三治郎 『聖地 伊勢へ』 中日新聞社

20年に一度の式年遷宮によって、1300年にわたり“更新”され続けてきた伊勢神宮。その神事のプロセスと四季の移り変わりを、美しい写真と達意の文章で伝えている。日本人の「心のふるさと」というだけでなく、国境や人種を超えた聖地の姿がここにある。


柳下毅一郎 『皆殺し映画通信』 カンゼン

俎上に乗る日本映画は76本。忖度・容赦の一切ない辛口批評が冴えわたる。『風立ちぬ』は夢と現実、マザコンとロリコン、兵器と反戦が一つになった世界。『永遠の0』はセリフで説明して復習もするバカでもわかる演出。自称「映画当たり屋商売」の面目躍如だ。


山下貴光 『イン・ザ・レイン』 中央公論新社

同窓会詐欺の犯人。騙された被害者。人探し専門の探偵。3人の目線が交錯する、異色のハードボイルド長編である。奇妙な自己啓発セミナーや、桃の缶詰と呼ばれる伝説の探偵も登場して謎が謎を呼ぶ。仕掛けられたトリックを見破るのも、また欺かれるのも快感だ。


中川右介 『悪の出世学〜ヒトラー、スターリン、毛沢東』
幻冬舎新書

最強最悪とわれる3人の政治家を取り上げているが、ポイントは2つだ。彼らは組織内でいかに上り詰めていったのか。また独裁者となった後、どのように政敵を排除し絶対的権力を掌握したのかが語られる。ヒトラーの「勝利神話」作り。スターリンの「敵の弱み」を握る手法。毛沢東の「スローガン」活用術などだ。

共通するのは「情報」の価値を熟知しており、有効な武器としたことである。自己宣伝、広報戦略にも長けている。また「敵の敵」を利用するのも横並びだ。歴史の裏話集、警鐘の書、悪漢小説としても楽しめる。


貫井徳郎 『私に似た人』 朝日新聞出版

舞台は近未来の日本だ。そこでは、「小口テロ」と呼ばれる小規模で局地的なテロが頻発している。誰が何の目的で行っているのか。読者は10人が語る「物語」を通じて、この国の患部に触れていくことになる。

まず本書で描かれる、すぐそこにある未来社会の様相が興味深い。「レジスタント」と称するテロの実行犯の多くは貧困層の住人たちだ。完全な格差社会の中で公的にも私的にも満たされない彼らの心を操るのは、ネット上に存在する謎の人物「トベ」である。

テロを引き起こす人間、テロを促す人間、テロを憎む人間、そしてテロの犯人を追う人間。それぞれが日常を生きながら、非日常的な逸脱へと向かっていく。孤独なはずなのに、奇妙なリンクに連なっていく。著者の巧みなストーリーテリングが成立させた、異色のサスペンス長編だ。


野地秩嘉 『イベリコ豚を買いに』 小学館

テーマを決め、資料に当たり、取材を行い、文章化する。ノンフィクション作家である著者はこの作業を長年続けてきた。しかし本書の中身はいつもとは違う。自身が対象に深くコミットし、その動きと影響も作品に取り込んでいるからだ。

人気のイベリコ豚とは何なのかに興味を持ち、本場スペインで取材をしようとするが頓挫。ならば「買う人」になろうと発想転換し、現地へと飛ぶ。そこで出会ったのはイベリコ豚の真の姿と、自国の文化として誇り思っている人たちだ。

また国内では、製品化のために結集してくれた面々との試行錯誤が続く。その過程で、著者は「本当の仕事の本質とは、毎日やる事務連絡と結果の確認、そして参加者の情報レベルを統一すること」だと知る。

食文化とビジネスにまたがった、体験的ノンフィクションの佳作である。 


塩澤幸登 『編集の砦』 河出書房新社

副題は「平凡出版とマガジンハウスの一万二〇〇〇日」。約30年の編集者生活を回顧する自伝的出版史だ。また人生の遍歴は「人間同士の出会いと別れの連続」と著者が言うように、清水達夫から木滑良久や石川次郎までが登場する、“伝説の編集者”列伝でもある。


筒井康隆ほか 『名探偵登場!』 講談社

文芸誌『群像』で特集されただけに異色作が並ぶ。筒井康隆「科学探偵帆村」の主人公は海野十三が生んだ探偵。津村記久子「フェリシティの面接」のヒロインはクリスティ作品に登場する秘書だ。また辻真先「銀座某重大事件」で金田一耕助に会えるのも嬉しい。


ワード:編著 『京都男子 とっておきの町あるき』 平凡社

「京都に暮らす男子が教える京都」というコンセプトが秀逸だ。居心地のいい本屋と珈琲店。時間を忘れる庭。こだわりの一品を入手できる店など。いずれも観光ではなく生活寄りの「京都ならでは」に満ちている。主張しすぎない写真とブックデザインも好ましい。


伊東 潤 『天地雷動』 角川書店

信玄亡き後、必死で武田軍を統帥する勝頼。秀吉や家康を縦横に駆使して突き進む織田信長。両者が激突したのが「長篠の戦い」だ。本書は、その後の勢力地図を塗り替えた稀代の一戦を描く長編歴史小説である。

著者は4人の男たちの視点を借りて物語を展開させていく。信長の命令で大量の鉄砲を調達すべく奔走する秀吉。多くの犠牲を必要とする役割を担わされ続ける家康。重臣たちとの軋轢を抱えたまま戦う勝頼。そして武田勢の最前線にいる宮下帯刀(たてわき)だ。

本書の特色は2点。まず実際の戦場にいるかのような臨場感だ。指揮官の判断力と行動力が明暗を分ける。また彼らに従う者たちの現場力も勝利を引き寄せる。運命という言葉が重い。

次に、野心と不安が交錯する男たちの熱い人間ドラマである。彼らは何を信じ、命をかけて戦ったのか。


橋爪大三郎 『国家緊急権』 NHK出版

「国家緊急権」とは何か。社会学者である著者によれば、「緊急時に政府が必要な行動をとること」を指す。それは政府が憲法違反をしてまでも、国民を守らなければならない緊急事態が生じた場合のアクションだ。

これまであまり議論されてこなかったのは、学問的に難問であり、また論ずること自体への反発が専門家にあるためだという。

国家緊急権は、いわば憲法を超えた権力だが、その法制化は行使にとって不要であり充分でもない。緊急事態になれば、政府は法制に関わらず速やかに適切で必要な行動をとらなければならないからだ。しかもその判断は政府の長(行政責任者)が自己倫理で行う。

憲法や集団的自衛権を論じる際、緊急権の存在を無視することは出来ない。また主権者である国民が知っておくべき事実でもある。たとえ物騒であっても。


鈴木洋仁 『「平成」論』 青弓社

気鋭の社会学者による現代社会論だ。四半世紀を数える平成時代を経済、歴史、文学、報道、批評など様々な角度から考察している。「わからなさ」と「手応えのなさ」を踏まえて、この時代を総括した言葉が「時代感覚の欠如」。個人的体験も織り込まれた快著だ。


中山康樹 『キース・ジャレットを聴け!』 河出書房新社

『マイルスを聴け!』などで知られる著者が挑む百番(枚)勝負だ。冒頭でキースの曲を「ジャズとして響かないジャズ」だと幻惑的に表現。75年の傑作『ケルン・コンサート』について、「この日は旋律の神が舞い降りたのだろう」と結んでいるから、やはり侮れない。


草森紳一 『その先は永代橋』 幻戯書房

「橋を渡る」という行為から連想された膨大な数の人間が登場する。幕末の武士に始まり、頼山陽、志賀直哉、小津安二郎、阿部定、堀田善衛、フランシス・ベーコンなど約300名。あたかも人間曼荼羅であり、著者の脳内宇宙でもある。今年上半期随一の奇書だ。


黒澤和子:編 『黒澤明が選んだ100本の映画』 
文春新書

黒澤明が好きな映画作品とその理由を率直に語っている。尊敬と憧れのジョン・フォード監督『荒野の決闘』。カメラワークの勉強になったという『第三の男』。テンポとラストに感心した『太陽がいっぱい』。さらにウディ・アレン『アニー・ホール』も並ぶ。

邦画では小津安二郎『晩春』、成瀬巳喜男『浮雲』から、『となりのトトロ』や北野武監督作品にまで言及している。愛娘である編者を相手にしての感想、インタビューでの言葉、そして作品解説とで構成されており、巨匠の肉声が聴けることが最大の贈り物だ。


小池真理子 『ソナチネ』 文藝春秋

7編が収録された最新短編集だ。全体を貫くテーマは、エロスと死である。

急死した夫が遺した1本の鍵から、自分もよく知る女との愛人関係を想像する周子。夫と女が見つめ合う姿を目撃したことが疑惑の始まりだ。悩んだ周子は女のマンションへと向かう(「鍵」)。

中年の主婦・美津代は、ふと思い立って指圧院に入る。そこで受けた施術が予想を超えた快感をもたらす。驚きと戸惑い、そして怒り。だが、やがて指圧院通いが止められなくなる(「千年萬年」)。

ピアニストである佐江は教え子のホームコンサートに出席する。会場の別荘で出会ったのは生徒の叔父だ。結婚を間近に控えた佐江だったが、この男に心惹かれる自分を抑えられない(「ソナチネ」)。

いずれの作品にも決して若くはないヒロインが登場する。彼女たちが体現する大人の女性の官能は、今の著者だからこそ描ける境地だ。


なべおさみ 『やくざと芸能と〜私の愛した日本人』 
イースト・プレス

いわゆる「タレント本」と決めつけ、避けて通るには惜しい一冊だ。当事者による戦後芸能史として、また独自の視点からのやくざ論として実に興味深い。

喜劇役者である著者は現在75歳。学生時代から三木鶏郎のもとで放送作家の修業を行い、歌手の水原弘や勝新太郎の付き人を務める。やがてコメディアンとして活躍するようになるが、その間に出会った人たちとの交流が人格を形成していく。

名前が挙がるのは白洲次郎、石津謙介、渡辺晋、石原裕次郎、美空ひばり等々だけではない。裏社会のスターだった安藤昇や花形敬をはじめ、実在の親分たちも実名で登場する。

根底にあるのは、芸能の世界とやくざ社会とのつながりを歴史的に捉える著者の視点であり世界観だ。ここまで正面切って、やくざについて論じた芸能人はいなし、今後も出そうにない。


村上陽一郎 『エリートたちの読書会』 毎日新聞社

世界のエグゼクティブが参加する読書会。そこで使われるテキストに日本の叡智が選んだ古典を加えたのが「百冊のグレートブックス」だ。カテゴリーは世界と日本、自然・生命、美と信など6つ。著者と共に何冊かを読み解きながら、「教養」とは何かを考える。


白鳥あかね 『スクリプターはストリッパーではありません』 
国書刊行会

著者は今村昌平、熊井啓、藤田敏八、神代辰巳など名だたる日活系監督の作品を手がけてきたスクリプター(記録係)だ。また脚本家、プロデューサーとしても活躍してきた。現場を最もよく知る証言者を得て、戦後日本映画史に新たなスポットが当てられる。


佐高 信 『ブラック国家ニッポンを撃つ』 七つ森書館

悪徳企業どころか、国全体がブラック化していると著者は憤る。TPP、特定秘密保護法、集団的自衛権などを梃子に安倍政権が現出させようとしている日本はあまりにも危うい。本書は田原総一朗、佐藤優、魚住昭、斎藤貴男など27人の論客との緊急対論集だ。



「花子とアン」 ヒロインたちの恋愛と自立

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発売中の「週刊新潮」最新号に、「花子とアン」に関する特集記事が掲載されました。

この中で解説しています。

タイトル:
『花子とアン』の「白蓮」で火がついた人妻たちの「駆け落ち願望」

記事のポイントとしては・・・・

・『花子とアン』の好調ぶり
・柳原白蓮をモデルにした葉山蓮子が話題
・実際の「白蓮事件」

などが並びますが、中心は「白蓮事件」という大正期を代表する不倫スキャンダルの話です。さらに・・・・

・白蓮の夫だった伊藤伝右衛門の、九州にある旧邸の来場者急増
・吉田潮さん(ライター)が、女性の「駆け落ち願望」についてコメント
・片山珠美さん(精神科医)が、「自己実現願望」についてコメント

などが続きます。

そして、私のコメント部分は・・・・

碓井広義・上智大学教授(メディア論)も、

「実はさわやかなヒロインであるはなも、妻のいた男性と不倫の末に結婚しています。このドラマでは、身分や家柄といった厳格な社会制度の縛りの中で恋愛することの困難さと、それを必死に乗り越えようとする人物たちが描かれている。

何でもありの自由な世の中になったことで、かえって“制約の中の恋愛”に憧れを抱く視聴者も多いのでしょう。そして、はなも蓮子も“女性の自立”の先駆者としても支持されている」

(週刊新潮 2014.07.31号)

Nスペ「調査報告 STAP細胞 不正の深層」のインパクト

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27日夜に、「STAP細胞」問題に関する検証番組が放送された。

NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」。

日刊ゲンダイの記事の中で、この番組について解説しました。


識者はこう見た
Nスペ「小保方検証」番組
笹井教授の存在にフォーカス
NHKの記者らが理研の小保方晴子氏(31)に全治2週間のケガを負わせ、図らずも放送前から世間の注目を集めた「NHKスペシャル」。

取材対象に対して強引な追跡取材をした挙句、負傷させてしまうという由々しき事態を引き起こしたが、負傷事故からわずか4日後の27日夜、NHKはNスペの放送に踏み切った。

「少し前まで次週放送予定の知床のヒグマの生態に迫った番組を放送する予定だった」(関係者)ところ、放送日を繰り上げたのはテレビ局として話題性を重視した結果であろう。

番組HPの告知では「史上空前と言われる論文の捏造」「執筆者の小保方晴子研究ユニットリーダーは徹底抗戦」といった文言を並べ、最終的に「調査報告 STAP細胞 不正の深層」と強気かつ過激なタイトルを打った。

小保方氏には謝罪済みで事故当日のVTRは流さないとしながらも、ハナから不正と決めつけてかかった番組だ。

その中身はSTAP細胞を巡るこれまでの報道を丁寧に総括。そこに今回Nスペが独自に取材をした上で明らかになった「新要素3点」を組み入れた構成だった。

その要素とは――小保方氏のSTAP論文で理研の調査委員会が不正画像と認定したのは2つとの指摘だったが、Nスペが依頼した有識者らによると全140の画像のうち7割で疑義が生じたり不自然であったこと。

その論文を掲載したネイチャー誌編集長がカメラの前で取材に応じたこと。

そして、小保方研究室の冷蔵庫から発見された「ES細胞」を作製した元留学生の存在を突き止め、本人に電話取材したことだ。

「私が直接(小保方氏に)渡したものではない」と話す元留学生の言葉のあと、「私たちは小保方氏にこうした疑問に答えて欲しい」というナレーションは、結果的に“暴走取材”に至った言い訳にもとれたが・・・・。

上智大教授の碓井広義氏(メディア論)が言う。

「調査報告と題し、番組最後のクレジットもプロデューサーほか制作者個人の名前も記さなかったことからも、あくまで報道番組として手がけたであろう制作陣の意図を感じます。ただし『不正の深層』と加えることで、NHKの旗幟を鮮明にした。

また笹井芳樹教授の存在にフォーカスした視点で展開することで、当初は複数の科学誌から掲載を却下されていた論文の変貌も理解できるようになっていた。

負傷事故はあるまじき失態ですが、速力のある番組がつくれるのは国内ではNHKを置いて他にはない。取材を蓄積し続報を期待したい」

小保方氏が口を開く日は来るのか。

(日刊ゲンダイ 2014.07.28 )


“録画再生率”が高そうな、不倫ドラマ「昼顔」(フジテレビ)

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、フジテレビ「昼顔」について書きました。


視聴率以上に「録画再生率」が高そうな1本
「男性からキレイだと思われる女と、そうじゃない女の人生って、ぜんぜん違うと思います」だなんて、いいのか、そんな本当のコトを言って。フジテレビ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」のヒロインの一人、吉瀬美智子のセリフである。

「上戸彩が浮気妻?白戸家の娘にしか見えないんだけど」と思っていたら、ちゃんと“オトナの女”担当の吉瀬がいた。

女性雑誌編集長を夫にもつ美人妻、良き母親、瀟洒な一戸建てに住むセレブ主婦でありながら、一方ではバリバリの「平日昼顔妻」だ。この吉瀬が、偶然知り合った普通のパート主婦・上戸を禁断の世界へと誘い込む。

吉瀬の相手は才能があってアクの強い画家(北村一輝)。上戸のそれは生真面目な生物教師(斉藤工)。

だが、いずれもすんなりと不倫に走るわけではない。特に上戸は自分の気持ちを疑ったり、押さえたりしながらの一進一退が続く。いや、そのプロセスそのものがドラマの見所なのだ。

また前述のようなドキリとさせるセリフをはじめ、妻や夫がもつ“別の顔”の描写など、井上由美子の脚本が冴えている。しかも次回は吉瀬のベッドシーンも登場する。

このドラマを夫婦そろって見るのは、互いのハラを探り合う事態を招くから止めたほうがいい。その意味では視聴率以上に、最近話題の「録画再生率」が高そうな1本だ。

(日刊ゲンダイ 2014.07.29)

上智大学オープンキャンパスで、「体験授業」を行います!

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7月31日(木)、8月1日(金)の両日、文学部新聞学科の「体験授業」を担当します。

高校生の皆さんに、テレビセンターを使って行っている、実習授業「テレビ制作」を体験してもらおうと思います。

31日(木)、1日(金)、それぞれ3回ずつ行いますが、おかげさまで毎年希望者が多く、「定員制」をとっています。

当日配布する「整理券」が必要なので、以下の大学サイトにアクセスし、確認の上、参加してください。

オープンキャンパス情報(四谷キャンパス):
http://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/gakubu_kanren/ug_event?kind=0

高校生諸君と父母の皆さん、四谷キャンパスで待っています!(笑)





昨年の「体験授業」の様子

横尾忠則さんのエッセイから小説へ

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横尾忠則さんの新著で、エッセイ集の『絵画の向こう側・ぼくの内側』(岩波書店)を読んでいたら、急に小説も読みたくなった。

さっそく横尾さんのWEBサイトで、小説集『ぶるうらんど』(文藝春秋)を注文。

届いた本の表紙をめくると、お願いしておいたサインもあって。



うーん、なんだか、すごい。

サインも作品です(笑)。

で、小説『ぶるうらんど』ですが、会話が延々と続く、とても不思議な味わいで、まさに「泉鏡花賞」がふさわしい作品でした。


今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。

横尾忠則 『絵画の向こう側・ぼくの内側』 岩波書店

伊兼源太郎 『事故調』 角川書店

楡 周平 『ミッション建国』 産経新聞出版

本の雑誌編集部:編 『本屋の雑誌』 本の雑誌社

日高勝之 『昭和ノスタルジアとは何か』 世界思想社

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(7月31日号)
  読書欄に掲載されています。

テレビ界に、「タイムシフト視聴率」(録画再生率)がやってくる!

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発売中の「週刊ポスト」最新号に、「タイムシフト視聴率」(録画再生率)に関する記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。


「録画視聴率」の指標登場 
TV界の常識を激変させる可能性も
不調にあえぐフジテレビの社員は「反転攻勢のきっかけになるかもしれない」と鼻息が荒い。一方、昨年開局以来初の視聴率2冠に輝いたテレビ朝日の社員は「せっかくの勢いに水を差される」と警戒する。

7月14日に初めて発表された「タイムシフト視聴率」(録画再生率)への反応は、テレビ各局で様々だ。これまで表に出てこなかった新指標の登場は、これまでのテレビ界の常識を激変させる可能性を秘めている。

タイムシフト視聴率とは、簡単にいえば「テレビ番組が録画でどれくらい観られているか」を示す数値だ。今回公表されたのは3月31日から3か月間に放送された番組のトップ50。ちなみにトップ5は以下の通りだ。

【1】『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS):7.7%
【2】『笑っていいとも!最終回』(フジテレビ):7.5%
【3】『MOZU Season1』(TBS):7.5%
【4】『アリスの棘』(TBS):7.4%
【5】『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ):6.8%

このランキングを一読しただけで、大きな傾向がわかる。トップはドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』で7.7%。2位は話題を呼んだ『笑っていいとも!』の最終回だったが、上位はほとんど「ドラマ」で30位以内のうち17番組。一方、バラエティは6番組しかない。

局別で見ると上位10位のうちフジが5番組を占め、次いでTBSが3番組。日テレ、テレ朝は1番組ずつしかランクインしていない。

元テレビプロデューサーで、上智大学文学部新聞学科教授(メディア論)の碓井広義氏がいう。

「以前から『ドラマは録画で』という傾向が強いとわかっていた。今回の公表でそれが裏付けられた格好で、当然ドラマを軸にしている局にプラスになる。キー局で最も有利なのがフジとTBSなのは間違いない」

それぞれ視聴率で民放3位、4位と不振に喘ぐ両局にとって好材料といえる。一方、苦戦を強いられるのがテレ朝だ。テレ朝関係者がいう。

「そもそも、タイムシフト視聴率導入に最も消極的だったのはウチだった。ターゲットが高齢者層で、看板番組はバラエティ番組や人気ドラマも『相棒』など1話完結型のストーリーが多い。万年民放4位から、やっと昨年はトップに立った途端に新ルールが出たといわれても納得できない。結局は他局に押し切られたようですが……」

冒頭で紹介したフジ社員とテレ朝社員の反応の違いは、事前に予想されていたものだったようだ。

(週刊ポスト2014年8月8日号)

2014年上半期 「オトナの男」にオススメの本(その6 ラスト)

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この12年間、ほぼ1日1冊のペースで本を読み、毎週、雑誌に
書評を書くという、修行僧のような(笑)生活を続けています。

今年の上半期(1月から6月)に「読んで書評を書いた本」の中から、
オトナの男にオススメしたいものを選んでみました。

今回は、その「パート6」

今年上半期分はこれでラストになります。

閲覧していただき、一冊でも、気になる本が見つかれば幸いです。


2014年上半期 
「オトナの男」にオススメの本
(その6)

東野圭吾 『虚ろな十字架』 光文社

果たして死刑は有効なのか。殺人と刑罰という重いテーマに挑んだ問題作だ。

動物の葬儀社で働く中原正道を刑事が訪ねてきた。別れた妻・小夜子が殺されたという。11年前、中原夫妻は殺人事件の被害者家族となった。当時小学2年生だった娘、愛美が殺害されたのだ。捕まった犯人は、別の殺人で無期懲役となりながら仮釈放で塀の外に出てきていた男で、結局この事件で死刑となった。

中原と離婚した後、ライターの仕事で生計を立てていた小夜子。彼女が遺したノートには娘の死をめぐる考察が記されていた。殺人を犯しても死刑ではなく、有期刑になることが少なくないこの国。「殺人者をそんな虚ろな十字架に縛り付けることに、どんな意味があるというのか」。

娘の死、元妻の死、そして隠された第三の死の謎が徐々に明らかになる。


内田 樹:編著 『街場の憂国会議〜日本はこれからどうなるのか』 
晶文社

安倍晋三政権下の日本。果たして、このままで大丈夫なのか。答えはもちろんNOだ。では何が、どのように問題なのか。内田樹、小田嶋隆、想田和弘、高橋源一郎、中島岳志、中野晃一、平川克美、孫崎享、鷲田清一という9人の論客が持論を展開する。

巻頭の内田論文のタイトル「株式会社化する国民国家」が、安倍政権が目指すものを端的に示している。国の存在理由を「経済成長」に一元化することだ。しかし、教育や医療が株式会社のように組織されるべきではないのと同様に、国家もまた株式会社とは違う。

また小田嶋は、安倍政権が歴史認識や大局を見た政策ではなく、歴史に対する「気分」によって動いていると指摘する。解釈改憲も、「書き換え」より気分的に簡単な「読み替え」を選んだことになる。今そこにある危うさを撃つ警世の書だ。


荒木経惟 『往生写集』 平凡社

今年74歳となるアラーキーが、半世紀に及ぶ“写業”を一冊に凝縮した写真集。「さっちん」「センチメンタルな旅・冬の旅」「チロ愛死」などの代表作から、「道路」「去年の戦後」といった最新作までが並ぶ。途中、作品によって用紙さえ変える執念が見事だ。


武田邦彦 『政府・マスコミは「言葉の魔術」でウソをつく』 
日本文芸社

たとえば「子供に国の借金のツケを回すな」。実際は政府が国民から借りており、国の借金はない。また「原発は経済発展に必要」と言うが、安全性やコストを考えれば石炭火力に勝るものはない。原発を求める他の理由があると著者は言う。目から鱗のトリック解説だ。


小林信彦 『「あまちゃん」はなぜ面白かったか?』 
文藝春秋

「週刊文春」連載のエッセイ集2013年版だ。大島渚と大瀧詠一の死、橋本愛の発見、ヒッチコック再考、そして「あまちゃん」。稀代の時代観察者が「これほど辛い年はなかった」と言う1年間を追体験する。文化から国家まで、自分の頭で考えるための参考書だ。


ちばてつや 『ちばてつやが語る「ちばてつや」』 
集英社新書

漫画界の重鎮による創作論的自叙伝である。1939(昭和14)年に生まれ、2歳で旧満州に渡り、終戦で命懸けの帰国を果たした少年は、いかにして国民的漫画家となったのか。「理由は単純明快に、お金のためだ」と著者は言う。だが、誰もがなれるものではない。

貸本漫画家としてデビューした後、少女漫画に転じ、次に『おれは鉄兵』や『あしたのジョー』など少年漫画の金字塔となる傑作を発表。やがて『のたり松太郎』といった青年漫画にも進出する。徹底した取材をベースに想像力を羽ばたかせる手法が開陳されていく。


小手毬るい 『アップルソング』 ポプラ社

恋愛小説の名手として知られる著者が、殺戮の世紀といわれる時代を背景に書き上げた壮大な物語だ。

敗戦直前、焼野原の岡山市街。瓦礫の中から救い出されたのは茉莉江という名の赤ん坊だ。10歳になった彼女は母親に連れられてアメリカへと渡るが、待っていたのは過酷な運命だった。大人になった茉莉江の人生を変えたのは写真との出会いだ。戦争報道写真家となってからも、愛する人への思いとカメラを手放すことは決してなかった。

茉莉江と仲間たちが世界に伝えようとしたベトナム戦争、三菱重工爆破事件、チェチェン戦争、そして2011年の同時多発テロ。ある女性編集者が茉莉江に言う。「写真は、そこに写っていないものも含めて、その外には世界が広がっているということを表現し、見た人に世界の広がりを感じさせるもの」だと。


和田誠 『ほんの数行』 七つ森書館

本を読む楽しみの一つは「忘れられない一文」「刺激的な一行」に出会うことだ。それが「自分のための一文」や「自分だけの一行」になれば喜びは倍加する。

本書には100冊の本から抜き出された100個の珠玉の数行が並ぶ。いずれも著者が装丁を手がけた本であり、その内容と魅力を誰よりもわかっているからこそ選ぶことができた“名ゼリフ”ばかりだ。

たとえば、色川武大『うらおもて人生録』の「九勝六敗を狙え」。また、「なんといっても文章は頭の中身の反映ですから」は、井上ひさし『井上ひさし全選評』。そしてドナルド・キーンは言う。「便利さが人間の最高の目標になってよいのでしょうか。私はむしろ文化は不便の上に立つものではないかと思います」(『私の大事な場所』)。

著者の傑作『お楽しみはこれからだ』の拡大版だ。


一橋文哉 『モンスター〜尼崎連続殺人事件の真実』 
講談社

首謀者・角田美代子が謎の自殺を遂げたこともあり、全容が解明されていない連続殺人事件。複雑に絡んだ多数の関係者がいて、しかも被害者の一部が加害者でもある特異性をもつ。著者は徹底取材で新事実を明らかにするだけでなく、黒幕的存在にまで迫っている。


夢枕 獏 『幻想神空海』 マガジンハウス

空海とは「豊饒なる虚空」だと著者は言う。『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』等、長年空海に関する作品を書き続けてきたが、本書は熱い“空海愛”を語り下ろしたものだ。出会いに始まり、最澄との対比、戦略家としての空海、さらに夢枕流密教解釈も開陳している。


佐々木マキ 『ノー・シューズ』 亜紀書房

村上春樹『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』などの表紙画を手がけた著者の自伝的エッセイ&イラスト集。神戸での幼少期、伝説の漫画誌『ガロ』への投稿からプロになるまで、そしてなってからの悪戦苦闘が洒脱に語られる。長井勝一や村上春樹との交流秘話も必読。


西澤保彦 『下戸は勘定に入れません』 中央公論新社

タイムスリップを題材にした異色のSFミステリだ。何しろ「ある条件のもとで酒を飲むと同伴者と一緒に時空を超える」のだから。

主人公の古徳は大学の准教授。50歳でバツイチの独身だ。しかも生きる意欲を失い自殺願望をもっている。ある日、かつての恋人・美智絵を古徳から奪い、自分の妻にした旧友・早稲本と再会する。2人は酒を酌み交わすうちにタイムスリップしてしまう。着いた時代は28年前。まさに早稲本が美智絵に接近した夜だった。

本書は連作短編集だ。古徳はその不可思議な能力と独特の推理力で、いくつかの事件を解決していく。また同時に、自分と早稲本と美智絵の微妙な三角関係の謎を探っていくのだ。

古徳たちが体験するのは「意識」のタイムスリップ。実体として別の時代に行けるわけではない。そんな設定も物語を面白くしている。


伊藤彰彦 『映画の奈落〜北陸代理戦争事件』 国書刊行会

1977年2月、深作欣二監督作品『北陸代理戦争』が公開された。松方弘樹が実在の組長をモデルにした主人公を演じる、東映実録やくざ映画である。公開から2ヶ月後、映画の中で殺人事件が起きるのと同じ喫茶店で組長が射殺された。いわゆる「三国事件」だ。

なぜ映画と現実がリンクするような事態が発生したのか。フィクションであるはずの映画は、進行中のやくざの抗争にどのような影響を与えたのか。著者は丹念な取材と作品分析によって真相に迫っていく。

見えてくるのは、巨大な山口組に挑もうとした北陸の組長・川内弘の生き方であり、新たなやくざ映画の地平を切り開こうとした脚本家・高田宏治の執念だ。

その時々のスキャンダルや事件をライブ感覚でつかみ、映画に取り込んできた東映。本書はその影の映画史でもある。


矢萩多聞 『偶然の装丁家』 晶文社

今は亡き自称スーパーエディター・安原顯をして「天才だよ!」と言わしめた装丁家が著者だ。不登校の中学生は14歳でインド暮らしを始める。帰国して絵を描き、やがて本のデザイナーとなった。気負いのない自然体で語られるのは本作りと暮らしの自分史だ。


宮城谷昌光『三国志読本』 文藝春秋

毎日、原稿用紙1・7枚を書き続けて12年。宮城谷版『三国志』全12巻が完結したのは昨年のことだ。本書は副読本ともいうべき一冊。独自の論考だけでなく、井上ひさしや五木寛之などと語り合う。「歴史は多面体だからこそおもしろい」を再認識させてくれる。


角田光代 『ポケットに物語を入れて』 小学館

読み巧者である著者のブック・エッセイ集。文庫本のの解説を軸に編んでいる。「書くという行為について私はこの作家にもっとも影響を受けている」とあるのは開高健のことで5作品が並ぶ。また江國香織や井上荒野など女流実力派の仕事にも目配りが効いている。


半田 滋 『日本は戦争をするのか―集団的自衛権と自衛隊』 
岩波新書

安倍政権が今国会中の閣議決定を目指す集団的自衛権の行使容認。憲法解釈の変更によって「他国の戦争に参加する権利」を手に入れ、この国はどこへ向かおうというのか。だが、戦後最大の危機ともいうべき状況にも関わらず、大手メディアの腰は引けたままだ。

そんな中、「異議あり」の論陣を張り続けているのが東京新聞。論説兼編集委員の著者はその中軸にいる。防衛問題のエキスパートとして、今の自衛隊を変質させるべきではないと強く主張する。「立憲主義の破壊」をくい止めるためにも多くの人が読むべき一冊だ。


藤田宜永 『女系の総督』 講談社

還暦間近の森川崇徳は出版社の文芸担当役員。以前、喉頭がんが見つかったが、大事に至らずに済んだ。妻と死別したことを除けば、まずまず順調な人生だ。

とはいえ、苦労がないわけではない。それは森川家が完全な女系家族であるためだ。母、姉、妹、3人の娘、そして猫まで。何年つき合っても、その思考と行動は予測不能だ。下手に口を出せば大炎上となる。崇徳の家庭内処世術は「控え目に意見を述べ、その後しばらく黙る」だ。

しかし、黙ってばかりもいられない。母の認知症問題、姉の不倫疑惑、妹の離婚騒動、長女との関係も風雲急を告げている。さらに崇徳自身が恋愛に発展しそうな女性と出会ってしまう。

大きな事件が起きるわけではない。だが、人生は小事の連続だ。女系の総督の選択と決断は世の男たちに知恵と勇気を与えてくれる。


安西水丸 『ちいさな城下町』 文藝春秋

著者は今年3月に71歳で亡くなった、村上春樹作品の挿絵や装丁で知られるイラストレーターだ。『村上朝日堂』シリーズなどの共著もあるが、一人の文筆家としても活躍していた。

本書は『オール読物』に連載していた、全国の城下町を訪ね歩く紀行エッセイ。しかし大阪や姫路などは登場しない。新潟県村上市、長野県飯田市、大分県中津市といった、「一番それらしい雰囲気を残している」十万石以下の城下町が著者の好みだったのだ。

その視点も独特で、城址の楽しみは「縄張り(設計)」にあると言う。多くの人が注目する天守閣を、「あんなものは大工工事」だと歯牙にもかけない。また城下町歩きは、歴史を押さえておくことで楽しさが広がることも教えてくれる。

時おり挿入される幼少時代や学生時代の回想も、著者急逝の今、
味わい深い。

 
泉 麻人 『昭和40年代ファン手帳』 中公新書ラクレ

敗戦から20年。前年の東京オリンピックを経て昭和40年代に突入した日本は、右肩上がりの高度成長時代を迎える。著者の小学3年生から高校3年生までと重なる日々。本書は少年の目と現在の著者の目という複眼で語られる同時代史だ。

たとえば昭和42年に公開された、内藤洋子主演の映画『君に幸福を センチメンタル・ボーイ』と『怪獣島の決戦ゴジラの息子』。これを見て、「青春歌謡とゴジラ映画は終わった」と感じた少年の判断は正しい。巻末の対談の相手は慶應義塾高校での同級生、石破茂・自民党幹事長である。



上智大学オープンキャンパス2014の開催

オープンキャンパス「体験授業」第1日目、満員御礼!(その1)


オープンキャンパス「体験授業」第1日目、満員御礼!(その2)

8月最初の「金曜オトナイト」は、噺家の春風亭一之輔さんと・・・

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BSジャパン
大竹まことの金曜オトナイト
2014年8月1日(金)
夜10時54分〜夜11時24分




今回のゲストは、噺家の春風亭一之輔さん。

一朝師匠に入門して11年、並み居る先輩噺家21人を抜いて、柳家小三治会長の大抜擢にて、真打昇進を果たす。高座姿のきれいさと、その口跡のさわやかさが魅力の、今最も注目されている新進気鋭の噺家です!

◆特捜!オトナイト最前線
「空が青いから白をえらんだのです」
「僕の夢は…」
という詩が生まれた奈良少年刑務所へ…

そこで更生教育の一貫として行われているのが、社会性涵養プログラムでの詩の授業。

講師は作家・寮美千子さん。受刑者たちは罪を償いながら、詩を通して社会復帰の一歩を踏み出す。

罪を犯したことへの後悔、そして、詩から見える受刑者の家族への思いとは!?

◆文化情報コーナー
春風亭一之輔さんおススメの一冊
「もたない男」

<出演者>
ゲスト:春風亭一之輔(噺家)



レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)



今週の「繁田美貴アナウンサー」

上智大学オープンキャンパス2014 (2日目)

オープンキャンパス「体験授業」 2日目も満員御礼!(その1)

オープンキャンパス「体験授業」 2日目も満員御礼!(その2)

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