「高度の清廉性」どこへ
億ション購入に1億7千万円無利息借用
上重・日テレアナ おとがめなし
<文書で謝罪>
上重聡アナウンサーのコメント全文
「一部週刊誌報道で、わたくし上重聡が知人から便宜供与を受けていたとの指摘がありました。 この方には、かねてより応援していただき親交がありましたが、あくまでもプライベートな交友関係であり、会社や仕事について特別な便宜を図っていただいたことは一切ありません。その一方で、個人的なご厚意の申し出に甘えたことによって、疑念をいだかれるような結果を招いたことは、わたくしの不徳の致すところで深く反省しております。現在、そのような疑念を払拭するべく専門家の方のアドバイスをいただきながら対処しています。今後は、放送人としての自覚を強く持ち、信頼されるアナウンサーとなるべく業務にまい進いたします。このたびは視聴者をはじめ関係する多くの方々にご迷惑ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした」
週刊文春報じる
2日発売の「週刊文春」で、番組の有力スポンサーから利益供与を受けたと報じられた日本テレビの上重聡アナウンサー(34)が同日、同局を通じて文書でコメントを発表し、利益供与を否定したうえで謝罪した。
しかし、同局によると、司会をつとめる情報番組「スッキリ!!」は降板せずこれまで通り出演。事実上、不問に付されることとなった。
「文春」の報道によると、上重アナは昨年3月、東京都内のタワーマンションの最上階の部屋を購入。その際、購入費用の1億7000万円を同番組のスポンサーでもある、靴の小売りチェーン「ABCマート」の創業者で元会長の三木正浩さんから無利息で借りたという。
さらに、同局では社員就業規則でマイカー通勤が禁止されているが、上重アナが三木さんが代表をつとめる、資産管理会社が所有する高級車で通勤する様子も写真付きで報じられた。
上重アナは同局を通したコメントで三木さんとは「あくまでもプライベートな交友関係」とし、「会社や仕事について特別な便宜を図っていただいたことはありません」と利益供与を否定。「わたくしの不徳の致すところで深く反省しております」と謝罪した。
また、「疑念を払拭するべく専門家の方のアドバイスをいただきながら対処しています」としていることから、購入したマンションや三木さんから借りた1億7000万円については、何らかの“善処”を考慮しているようだ。
番組司会降板せず
同局によると、上重アナに事情をきいたところ、マイカー通勤については「ときどき通勤していた」と事実を認めたため、就業規則に従って厳重注意を行ったという。しかし、同番組も含めて出演中の番組に変更はなし。マンション購入の件については、「個人が結んでいる契約」として同局は関与しないという。
上重アナは3月30日から新司会者として同番組の顔になったばかり。2日の放送には通常通り出演したものの、この件に関しては言及しなかった。
女子アナの時は・・・
日本テレビでは、昨年、銀座のクラブホステスのアルバイト経験を申告しなかったとしてアナウンサーの内定を取り消された笹崎里菜さん(22)が、裁判闘争の末、局と和解、1日の入社式に出席したばかり。局側は、アナウンサーには「高度の清廉性」が求められると説明していた。
報道に関わる自覚なし
▽上智大の碓井広義教授(メディア論)
「日本テレビとしてではなく、上重アナ個人としてコメントを出したということは、『上重アナが個人的にお金を借りた』ということにして(この件を)スルーしようとしているのではないのか。おそらく、スルーすることで上重アナを傷つけないようにしているのだろう。われわれも知り合いからお金を借りることはあるが、1億7000万円という金額はあり得ない。無利息で借りるということは、利息分のお金をもらっているのと同じことなので、上重アナはそのことをどう考えているのか。まるでタニマチから支援してもらっているスポーツ選手のようで、報道番組に関わっているという自覚がない」
(東京中日スポーツ 2015.04.03)