天井からぶら下がっている黒玉は何か?
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【気まぐれ写真館】 コンサート前(東京ドーム)
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言葉の備忘録54 「いいプレゼンは結論が1行」 白土謙二
(前略)その方がある企画書をくださった。そして、「いいプレゼンは結論が1行になっていないといけない。それから実際に商品を売る営業の気持ちを考えなければいけない。営業を動かすような表現かどうか、結果を1行で表現できるかどうかをチェックしていれば、素晴らしいプランナーになれる。だから頑張れ」と言ってくださった。僕はそれ以来、その企画書に載っているコピーの文字数からレイアウトまで、愚直なまでにまねをして、完璧にその「型」をマスターしました。優れたものをそっくりまねることは基本中の基本だと思います。
「誰が電通人をつくるのか」――白土謙二 最終講演
http://www.advertimes.com/20150605/article192528/
白土さんといえば、「セブンイレブンいい気分」「開いてて、よかった」を思い出します。
なぜか夜中に、いきなり「いなりずし」が食べたくなるケイコさん。
「あなたにはあなたの・・・」セブンイレブン。
上手いなあ、と思いました。
かつての「放送広告の日 特別番組」の取材で、白土さんにお会いしたことがあります。
飄々とした風貌でありながら、話し始めると、きっちり理論派。
「うーむ、これはキレ者だあ」と、ほぼ同世代のクリエイターに感心したものです。
白土さん、長い電通人としてのキャリア、おつかれさまでした。
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週刊新潮で、AKB48「投票券付きCD」についてコメント
6日夜、いわゆるAKB総選挙、第7回選抜総選挙の開票イベントが行われました。
結果としては、指原莉乃が1位に。
さっしーの19万4049票という得票数は、史上最多だそうです。
ちなみに、総得票数は328万7736票。
いやはや、それだけの数のシングルCDが売れた、ということですね。
以下は、コメントした週刊新潮の記事です。
最多300万枚出荷で噴出する
「AKB48」ゴミ問題
もはや恒例となったAKB48の総選挙が6月6日に迫った。これに合わせて投票券のついたシングルCD「僕たちは戦わない」(通常盤¥1646)は5月20日に発売されたが、初期出荷数は300万枚!
「シングル50万枚売れれば1位で大ヒットの時代に、在り得ない数字。20作連続初週ミリオンだそうですね。業界にとってはありがたいけれど、馬鹿馬鹿しくなります。資源の無駄ですよ。投票券目当てで何十枚も買って、CDは再生されるんですかね」
吐き捨てるように言うのは、音楽CD会社の社員だ。
ヤフオクでは、投票券300枚(なんだこの数!)が24万円で出品されている一方で、商品であるCDは4枚150円で叩き売りだ。
漫画家でAKBファンの小林よしのり氏も、CDを段ボール箱買いしたというが、5月28日のブログで、<CDはスタッフと親戚の子どもたちに配るが、もういっそのこと投票券だけ売ってほしい。(中略)これ、運営がタダでいいから回収してほしいよ。目的は投票券だけなのだから、CDはいらないんだよ>と本音を吐露しているほどだ。
「おまけのシール欲しさに商品のチョコを捨てる子供が続出して社会問題化した、かつてのビックリマンチョコ・ブームと一緒。しかし、AKB商法はメディアも含め、誰もおかしいと言わないところがおかしい」
とは上智大学の碓井広義教授(メディア論)だ。
天下の朝日新聞ですら<センター争奪 混戦模様>(5月30日付夕刊)と題し、“識者”4人による座談会を全段抜きで報じる始末。
「経産省の役人まで出てきて、誰が1位になるかを予想している。子供やファンから金を巻き上げるシステムに疑問を持つこともなく、大人もAKB商法に乗っかって浮かれているようにしか見えません」(同)
餌食になるのはファンばかり。『僕たちは戦わない』とは言いも言ったり。
(週刊新潮 2015.06.11号)
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祝!「日本文学100年の名作」全10巻の完結
“新潮文庫100年記念”のアンソロジーである、「日本文学100年の名作」全10巻が、ついに完結しました。
最終刊は、2004~2013年分となる、『バタフライ和文タイプ事務所』。
タイトルは、巻頭に置かれた、小川洋子さんの作品からきています。
その小川さんから絲山秋子さんまで、16編の中短編が並ぶ。
個人的には、伊集院静「朝顔」、桜木紫乃「海へ」あたりが、いいですね。
100年分の中短編から選びに選んで編まれた、10冊のオリジナル文庫。
編者である池内紀、川本三郎、松田哲夫のお三方に感謝です。
週刊新潮に書いた書評は、以下の通りです。
永栄 潔
『ブンヤ暮らし三十六年~回想の朝日新聞』
思草社 1944円
ブンヤが新聞記者の異名であることを知らない世代も増えてきた。しかし、ここにあるのはブンヤとしか言いようのない記者魂だ。瀬島龍三との駆け引きや石原慎太郎との対峙も興味深いが、朝日新聞の内幕を率直に語って読みごたえがある。異色の体験的メディア論だ。
荒井 修
『浅草の勘三郎~夢は叶う、平成中村座の軌跡』
小学館 1944円
著者は、舞扇の老舗「荒井文扇堂」四代目店主。3年前に他界した十八代目中村勘三郎とは、40年にも及ぶ交友があった。「平成中村座」にも立ち上げから関わっている。本書は勘三郎と中村座の歩みを綴った回想録だ。勘三郎の歌舞伎への熱い思いが伝わってくる。
ジョアンナ・ラコフ:著、井上里:訳
『サリンジャーと過ごした日々』
柏書房 2376円
『ライ麦畑でつかまえて』で知られるサリンジャーは“生ける伝説”だった。世界的な作家でありながら、私生活は極端に謎だったからだ。本書の舞台は90年代のニューヨーク。出版エージェンシーで働く若き日の著者が体験した、本と恋愛と自分探しの物語だ。
倉田真由美
『もんぺ町 ヨメトメうお~ず』
小学館 1404円
『女性セブン』に連載された、究極の嫁姑バトル漫画である。元ヤンキーのクマ子が嫁ぎ先で遭遇するのは、息子を奪った嫁に敵意を燃やす義母。引きこもり系デイトレーダーの義弟。無神経な隣人たちなど。特に姑という強敵を相手の孤軍奮闘は苦笑・爆笑の連続だ。
(週刊新潮 2015.06.04号)
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「女性アナウンサー」と「女子アナ」の危うい関係!?
ビジネスジャーナルに連載している、碓井広義「ひとことでは言えない」。
今回は、小島慶子さんの小説『わたしの神様』が描く、「女子アナ」について書きました。
元TBSアナが暴く、エグすぎる女子アナの世界
今月3日、日本テレビの新人アナウンサー、笹崎里菜がデビューした。同局系のバラエティ番組『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』に出演し、これからの抱負を語ったのだ。
ほんの短いコメントだったが、ホステスのバイト歴で内定取り消し、それを不当だとしての訴訟、さらに逆転入社という経緯があるため、芸能マスコミの取り上げ方は、すっかり“話題の大型新人”扱いだった。思い返せば、「清廉性」という言葉が一人歩きするなど、「アナウンサーとは一体なんだろう」と考えさせられる騒動だった。
●小島慶子の初の小説 『わたしの神様』
先日、元TBSアナウンサーで、現在はタレント、エッセイスト、ラジオパーソナリティとして活躍中の小島慶子が、初の小説『わたしの神様』(幻冬舎)を上梓した。
舞台はズバリ、民放キー局。主人公は「私には、ブスの気持ちがわからない」と言い切る人気女子アナである。誰よりもスポットを浴びようと競い合い、同時に地位と権力を求めてうごめく男たちとも対峙する彼女たち。テレビドラマで、そう簡単には描けない物語だ。
低迷しているニュース番組がある。キャスターを務めてきた佐野アリサが産休に入ることになり、抜擢されたのは人気ランキング1位の仁和まなみだった。育児に専念する先輩と、これを機にさらなる上を目指す後輩。フィクションであることは承知していても、彼女たちの言葉は、著者の経歴からくる際どいリアル感に満ちている。
例えば、ニュース番組担当の女性ディレクターは女子アナを指して、「ほんと、嫌になるわ。顔しか能のないバカ女たち」と手厳しい。
当のまなみは心の中で言い返す。「この世には二種類の人間しかいない。見た目で人を攻撃する人間と、愛玩する人間。どれだけ勉強したって、誰も見た目からは自由になれないのだ」。
さらに、「どんなに空っぽでも、欲しがられる限りは価値がある。(中略)他人が自分の中身まで見てくれると期待するなんて、そんなのブスの思い上がりだ。人は見たいものしか見ない」と容赦ない。
また、この女性ディレクターが、アナウンサー試験に落ちた自分の過去を踏まえて断言する。
「これは現代の花魁(おいらん)だと気付いた。知識と教養と美貌を兼ね備えていても、最終的には男に買われる女たちなのだ。(中略)自分で自分の値をつり上げて、男の欲望を最大限に引きつけるのだ。その才覚に長けた女が生き残る世界なのだと」
果たして、これらは極端に露悪的な表現なのか。そうとは言い切れないのが、現在の女子アナの実態だ。小説ならではのデフォルメの中に、小説だからこそ書けた真実が垣間見える。
●女性アナウンサーと女子アナ
1980年代に「楽しくなければテレビじゃない」をモットーに、視聴率三冠王の地位に就いた当時のフジテレビが、女性アナウンサーをいわば“社内タレント”としてバラエティ番組に起用。それがウケたこともあり、以後、歌って、踊って、カブリモノも辞さない「女子アナ」が、各局に続々と誕生していった。
著者は常々、TBSの局アナ時代を振り返り、「自分は局が望むような“かわいい女子アナ”にはなれなかったし、なりたいとも思わなかった」と語っている。できれば“女子アナ”ではなく、一人のアナウンサーとして仕事を全うしたかったのだ。しかし、それは許されなかった。
昨年、TBSを定年退職した現フリーアナウンサーの吉川美代子は小島の先輩にあたる。その著書『アナウンサーが教える 愛される話し方』(朝日新書)の中で、「女子アナ」をアナウンサーの変種・別種と捉え、社内タレントとしての功罪を指摘。アナウンサーが文化や教養を伝える立場にあることを自覚せよと訴えていた。
とはいえ、今後もテレビ局は、社内タレントとしての女子アナの採用を続けるだろう。それは仕方がないとして、一方で真っ当な、もしくは本来のアナウンサーも採用・育成すべきなのだ。伝えることのプロとしてのアナウンサー、言葉の職人としてのアナウンサーは、目立たないが各局に存在する。その系譜を絶やしてはならない。
(ビジネスジャーナル 2015.06.08)
碓井広義「ひとことでは言えない」
http://biz-journal.jp/series/cat271/
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“モテ男”片岡愛之助、絶賛出演中のドラマ「LOVE理論」
日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、片岡愛之助絶賛出演中のドラマ「LOVE理論」を取り上げました。
テレビ東京系「LOVE理論」
モテモテの愛之助を起用した
キャスティングの勝利
モテるんだねえ、片岡愛之助。熊切あさ美の次は藤原紀香だという。
歌舞伎界には「芸の肥やし」という有難い言葉もあるので、この騒動をしっかり収めて、舞台に精進してもらいたいものだ。
その愛之助が、何ともタイムリーなドラマに出演している。その名も「LOVE理論」。
茨城から東京に出てきた大学生(大野拓朗)が、「モテたい」という夢を必死で追いかける物語だ。愛之助は、大野のバイト先であるキャバクラの店長。しかも、“恋愛理論の達人”という裏の顔を持っている。
大野がアプローチしているのは、新人キャバ嬢として入店してきた、同じ大学の女子学生(清野菜名、好演)。
毎回、愛之助が大野に授けるLOVE理論が笑える。たとえば、わざと障壁を作って相手を揺さぶる「ロミオとジュリエット理論」。また、トラブルを抱えた相手に取り入るための「そんな事か理論」などだ。
金髪のかつらを被った愛之助は、マスターとしての威厳と自信をもって、大野を指導していく。
しかも、そのテンションの高さが異様だ。「理論通りには展開しない、自身の恋愛への苛立ちがあるのか?」などと、つい余計な想像をしてしまう。
2年前、コンビニを舞台に同名のドラマが放送されたが、その時の恋愛理論マスターは中村獅童だった。連続してキャスティングの勝利である。
(日刊ゲンダイ 2015.06.09)
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【気まぐれ写真館】 梅雨の夕景
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書評した本: 佐藤忠男『喜劇映画論~チャップリンから北野武まで』
本の中で、よく読むジャンルの一つが、「映画」に関するものです。
映画は、観ても、読んでも、話しても楽しい。
小林信彦さん、川本三郎さん、佐藤忠男さんなど、信頼できる人が映画について書いた本や文章は、貴重な案内役でもあります。
以下は、週刊新潮「十行本棚」に書いた佐藤さんの新刊です。
佐藤忠男
『喜劇映画論~チャップリンから北野武まで』
桜雲社 2138円
「お笑い芸の範囲にとどまらない演技術の歴史を書きたいと思っていた」と著者。本書には小津安二郎のギャグから黒澤明作品における道化、さらにウッディ・アレンが生み出す笑いの解読までが並ぶ。かつて低俗文化と呼ばれた喜劇が持っている豊かさと鋭さを知る。
(新潮書評 2015.06.11号)
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アサヒ芸能で、女優・宮沢りえさんについて解説
アサヒ芸能に、女優にの宮沢りえさんに関する特集記事が掲載されました。
この中で、解説しています。
宮沢さんといえば、最近は『ヨルタモリ』での“湯島のバーのママ役”が好評。
確かに42歳と、すっかり大人の女性です。
以下は、私が話をさせていただいた部分ですので、記事全体は本誌をご覧ください。
記事タイトル:
宮沢りえ タモリ・たけし・松本幸四郎がデレデレ
メディア論を専門にする上智大学の碓井広義教授が、その魅力を語る。
「まだ10代のときにCMの撮影現場で出会ったことがあります。宮沢さんがスタジオに入ると現場が急にパッと明るく華やいだのを覚えています。『ヨルタモリ』を見ていても、それを感じますよね。しかも、その華やかさがまったくもってくすんでいない。それどころか、ますます大人の魅力を増し、チャーミングになっている。稀有な女優さんですよね」
『ヨルタモリ』での再ブレイクについて、
「いい意味で女優然としていない。42歳の素の自分をさらけ出していますよね。肩肘張らない自然体の姿は最大のチャーミングポイントです」(前出・碓井氏)
87年、初代リハウスガール「白鳥麗子」を務めた宮沢の印象は、
「今でこそ美少女という言葉が定着しているが、宮沢さんは元祖美少女。パッと見た時の端正な顔だち。独特の品がありましたよね。年齢にそぐわない気品があった。そこがちょっと同年代のアイドルとは一枚違った。いまどきのハーフタレントとは違う位置づけでした」(前出・碓井氏)
昨年は、映画『紙の月』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。舞台での活躍も目覚ましい。
「現在の宮沢さんを見ていると自分に自信を持っているのが見える。堂々としている理由は、舞台のキャリアが支えていると思います。野田秀樹に磨かれ、蜷川幸雄に鍛えられ、まさに目の前の観客の気持ちを動かすということをやってきましたから、足場がしっかりしている。ありきたりの人気女優ではなくて、きちん一本、筋が通っている」(前出・碓井氏)
(アサヒ芸能 2015.06.18号)
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【気まぐれ写真館】 出張で名古屋 2015.06.13
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低視聴率だったけど、おもしろいドラマ!?
女性セブンが、「低視聴率だったけど、おもしろいドラマ」という記事を掲載しました。
この中で、ドラマを2本推薦し、解説しています。
記事全体は、ぜひ本誌をご覧ください。
低視聴率だったけど、
このドラマ、実はおもしろい
視聴率40%台を叩き出した「半沢直樹」(TBS系)や「家政婦のミタ」)(日本テレビ系)のようなお化けドラマがある一方で、1ケタ台の低視聴率ドラマは今や当たり前。
だが、そうした作品がすべてつまらないというわけではない。平均2%の視聴率だった「鈴木先生」(テレビ東京系)が映画化して成功したように、おもしろいものが実は多くあるのだ。
テレビウオッチャーとメディア論の大学教授が選んだ低視聴率ドラマ傑作選!
<コラムニストのペリー荻野さんが選んだ2本>
『あすなろ三三七拍子』(2014、フジテレビ系)
平均視聴率5.2%
『家族のうた』(2012、フジテレビ系)
平均視聴率3.9%
<私が選んだ2本>
『ゴーイングマイホーム』(2012、フジテレビ・関西テレビ系)
平均視聴率7.9%
脚本・演出を手がけたのは、『そして父になる』でカンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた映画監督の是枝裕和さんだ。
「是枝さんが初めて民放の連続ドラマにトライするというので、期待して見ました。実際にとても良質なドラマでした。当たり前の日常にこそドラマがあるという是枝さんの思想が見事に反映されていました」(碓井広義・上智大学文学部教授)
ドラマを盛り上げるような殺人事件は起こらないし、大恋愛もない、泣かせるような難病もないが、「画面から目が離せなかった」(碓井さん)という。
碓井さんが印象的だった場面は、山口智子(50才)演じるフードスタイリスト・沙江のCM撮影のシーンだ。
沙江が盛りつけた料理をスタッフが「美味しそう」と感心する。すると、沙江は「美味しそうと、美味しいは、別なんだよ」と笑顔で答える。
「このセリフは深いですよね。たとえば視聴者も、現実生活の中で見かけた人を『いい人そう』と思う。でも、本当に『いい人』とは限らない。つまり、あのセリフは是枝さんの『この世界は見えないところにこそ真実がある』というメッセージだと思うんです。さりげないひと言にも深い意味が込められている。それが是枝作品なんです」(碓井さん)
だが、視聴率は1話目の13%をピークに急降下してしまった。
「起伏のない日常の積み重ねというホームドラマは異色作でした。普段と違うものに対する違和感、拒否感があったのかもしれません」(碓井さん)
『ごめんね青春』(2014、TBS系)
平均視聴率7.7%
宮藤官九郎脚本のドラマだったが、NHK朝ドラ『あまちゃん』とはうってかわった低視聴率に泣いた。それでも、碓井さんはなぜか納得の表情だ。
「面白かったですよ。最初から“視聴者限定”という潔さがあったから(笑)。『わかるヤツだけわかればいい』という感じで、小ネタもバカバカしさも満載でした」(碓井さん)
主人公原平助(錦戸亮、30才)の実家はお寺。家の中にはなぜか亡くなった母親の姿をした仏像が鎮座している。しかも平助は母親と話すことができ、母親に「あんた、ダメじゃない」とツッコミを入れられる。
「ついていけない人は『何やってるの?』って感じでしょうね。でも、その奇抜な設定があとあと効いてくる。クドカン得意の伏線も素晴らしかったです」(碓井さん)
(女性セブン 2015.06.25号)
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気持ちのいい時間が流れる、映画『海街diary』
是枝裕和監督の新作『海街diary』を観てきました。
なんとも気持ちのいい時間が流れていて、「ずっと終わらないままでいないかなあ」などと夢想するような映画でした。
四姉妹ということで、『細雪』が引き合いに出されたりしていますが、違うような気がします。
それから、もしかしたら是枝監督は、「四女・すず」を演じた広瀬すずの“出現”によって、映画化を決意したのかもしれません。
そんな、あれやこれやを思わせる『海街diary』。
この作品については、あらためて、きちんと書かせていただきます。
未見の皆さんには、劇場に足を運ぶ価値は十二分にあることを、お伝えしたいと思います。
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【気まぐれ写真館】 授業は、いつだってライブだ
文学部横断型人文学プログラム
「テクストを読む/メディア・ジャーナリズムのテクスト」
「テクストを読む/メディア・ジャーナリズムのテクスト」
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【気まぐれ写真館】 実習授業「テレビ制作」、ただいま撮影中
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普遍性のある青春ドラマ「ちゃんぽん食べたか」
日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、NHK土曜ドラマ「ちゃんぽん食べたか」について書きました。
NHK土曜ドラマ「ちゃんぽん食べたか」
さだまさしのルーツをたどる時間旅行
さだまさしの伝記ドラマと聞いて、当初は懐疑的だった。半端な成功物語や自慢話なら勘弁してほしいからだ。しかし実際に見てみると、普遍性のある青春ドラマとして、よく出来ている。
主人公の雅志(菅田将暉)は高校2年生だ。プロのバイオリン奏者になるべく長崎から上京し、芸大を目指して下宿生活を送っている。本来はバイオリンに集中すべきなのだが、級友たちと文化祭を盛り上げたり、バンドのコンテストに出場してみたりと、やや現実逃避気味。無意識ながら、自分探しの渦中にある。
まず、菅田をはじめ若手俳優たちに注目だ。級友役の間宮祥太朗、泉澤祐希。やがて、さだと組んで「グレープ」を結成する吉田正美を演じる本郷奏多。そしてドラマの中のマドンナ的存在である森川葵。今後の成長株が顔を揃えている。
尾崎将也の脚本は周囲の人たちを単なる脇役や引き立て役にせず、一種の青春群像劇として時代の空気をも描こうとしている。当時を知る者にはほろ苦い懐かしさを感じさせ、知らない者には人も音楽も新鮮に映る。
特にさだまさしのファンは嬉しいだろう。音楽との関わり、達者なトークの原点である落語など、このドラマはさだのルーツをたどる時間旅行だ。“昭和40年代ドラマ”として丁寧に作られており、ファン以外の視聴者にも十分オススメできる。
(日刊ゲンダイ 2015.06.16)
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【気まぐれ写真館】 梅雨の晴れ間 2015.06.17
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書評した本: 大沢在昌『鮫島の貌(かお)~新宿鮫短編集』ほか
新宿鮫こと鮫島とも、ずいぶん長いつき合いになります。
大沢在昌さんの「新宿鮫」シリーズは、新刊が出るたびに一気読みで、しかも毎回、ページが残り少なくなると寂しくなって、ふと読むスピードを落としたりして・・・。
そういう本は、嬉しいですよね。
「新宿鮫」の新作、ほんと読みたいなあ。
以下は、「週刊新潮」に寄稿した書評です。
大沢在昌
『鮫島の貌(かお)~新宿鮫短編集』
光文社文庫 605円
シリーズ第1作目の『新宿鮫』が、カッパ・ノベルスとして世に出たのは1990年。以来、『絆回廊』まで10作を数える。本書は初の短編集であり、キレのいいサイドストーリーが10編収録されている。
鮫島が署内で信頼する数少ない一人、上司の桃井を主人公にした『区立花園公園』。鮫島の恋人で、人気ロックバンドのボーカル・晶が、ある事件と鮫島の素顔を語る『似た者どうし』。また、人気コミックの主人公が登場し、鮫島と絡む異色作『幼な馴染み』もある。
中でも愛読者に嬉しいのが巻末の『霊園の男』だ。9作目の『狼花』で鮮烈な印象を残した仙田をめぐる後日譚。読後、次の新作長編が読みたくなってくる。
金 彦鎬(キム オノ):著、舘野 哲:訳
『本でつくるユートピア~韓国出版 情熱の現代史』
北沢図書出版 2700円
著者が出版社を興したのは70年代半ばだ。その40年に及ぶ出版人としての歩みが一冊になった。文化運動・社会運動としての出版を目指す著者は、営業停止処分も恐れない。韓国の作家たちはもちろん、堀田善衛や塩野七生などの作品の翻訳出版も大きな功績だ。
小島慶子
『わたしの神様』
幻冬舎 1620円
著者は元TBSアナウンサー。初挑戦となる小説の主人公は、「私にはブスの気持ちがわからない」と言い切る人気女子アナである。誰よりもスポットを浴びようと競い合い、同時に地位と権力を求めてうごめく男たちとも対峙する。ドラマでは描けないリアル感だ。
マイルス・デイヴィス、クインシー・トウループ:著、中山康樹:訳
『マイルス・デイヴィス自伝』
シンコーミュージック・エンタテインメント 3240円
本書がアメリカで刊行されたのは89年。翻訳版は過去3回出版されている。「まあ、聞いてくれ。オレの人生で最高の瞬間は」という書き出しだけで、一気にマイルスの世界へ。訳者による見直しと共に、これまで使用できなかった貴重な写真も多数掲載されている。
(新潮書評 2015.06.18号)
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【気まぐれ写真館】 梅雨空 2015.06.18
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「菜々緒」姫のドス!?
「週刊新潮」最新号で、菜々緒さんが出演している、auのCM「乙姫登場」篇などについてコメントしています。
“ドS”キャラで闊歩する股下85センチ「菜々緒」姫
「開けちゃダメッつってんだろぉが!」
ドスのきいた声で、玉手箱に手をかけた金太郎を怒鳴りつける乙姫――。
演じているのは、身長172センチ、体重46キロ、股下85センチの美脚と美貌を誇るモデルで女優の菜々緒(26)。
「綺麗なニューハーフかと思ったほど、吹っ切れた演技です。ボンデージを着ているわけでもないのに、ムチを持たせたら、そのままSMの女王になれそうなくらいハマっている」
と唸るのは上智大学の碓井広義教授(メディア論)。
6月から放映されているauのCM「乙姫登場」篇である。auは桃太郎(松田翔太)、金太郎(濱田岳)、浦島太郎(桐谷健太)といったおとぎ話の主人公“三太郎”をCMに起用。犬のお父さんでCM好感度8年連続1位の座から、ソフトバンクを引きずり下ろしたばかり。この勢いをかって加わったのが“ドS”キャラの乙姫だったのである。
その菜々緒姫、立て続けにドSキャラでCMに出演。
たとえば、ブランド品買い取りの“ブランディア”では、「もらったプレゼント沢山あってぇ」と自称モテるタイプの先輩女子に、(自分で買ったんじゃない?)とつぶやく腹黒さ。
12日より放送されている“ファブリーズMEN”では、電車で乗り合わせたアツ過ぎる松岡修造に笑顔で、(スーツあっせ臭いの、気付いてねえな、こりゃ)と悪魔のような囁き……。
「綺麗なOL役や優しいお嬢さん役はいくらでもいますが、男にも女に対しても高飛車に上から目線で演じて、ウケる女優はなかなかいない。これだけ続けているのは本人も腹が据わったからでは」(前出・碓井教授)
ちなみに菜々緒姫は埼玉出身。ドス声のイントネーションは完璧だ。
(週刊新潮 2015年6月25日号)
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シンポジウム「異文化理解とメディア」の開催 2015.06.19
上智大学国連Weeks・国連創設70周年・NHK日本賞50年
記念シンポジウム
「異文化理解とメディア」
NHK日本賞は、世界の教育コンテンツの向上と、国際的な理解・協力の増進を目的として、1965年にNHKが創設した国際コンクールです。本シンポジウムでは、国際交流と異文化理解をテーマにした同賞の受賞作品のプレビューを行い、ディスカッションを通じて、異文化理解とメディアの役割について考えました。
■登壇者:
立教大学教授・日本賞審査委員 竹中 千春 氏
国連広報センター長 根本 かおる 氏
上智大学グローバル教育センター長/
総合グローバル学部 教授 廣里 恭史
上智大学文学部新聞学科 准教授 阿部 るり
■モデレーター:
上智大学メディア・ジャーナリズム研究所長・文学部新聞学科 教授 音 好宏
■司会:
上智大学文学部新聞学科 教授 碓井 広義
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