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Channel: 碓井広義ブログ
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活字ジャーナリズムの力を示す、映画「スポットライト」

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映画「スポットライト~世紀のスクープ」を観ました。

アカデミー賞の作品賞&脚本賞受賞作です。


新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化し、第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマ。2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる、記者生命をかけた戦いに挑む人々の姿を、緊迫感たっぷりに描き出した。第87回アカデミー賞受賞作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で復活を遂げたマイケル・キートンほか、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら豪華キャストが共演。


「新聞、やるじゃん」「活字ジャーナリズム、大事じゃん」と思わせてくれます。

実話であり、結末もそれなりに知っているつもりでも、観ている間、ずっと緊張感がありました。

脚本がいいんですね。

エンタメ化のためにと、無理やり恋愛をからめたりしないのも好感度高し。

ボストンという街の落ち着いた雰囲気もよかった。

観る前は、「大統領の陰謀」をイメージしたりしましたが、淡々とした描き方も含め、独自の作品として、やはり見事です。


6月に、この作品の上映とリンクした講演をする予定があります。

その詳細はまた、あらためて。


【気まぐれ写真館】 雲と想像力 2016.04.25

「早子先生」、原作はいいのになあ・・・

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立木早子さんの漫画「早子先生、婚活の時間です」。

早子先生のキャラクターがいいんだよなあ。

ほわわ~んとしていて、時々チクッと鋭くて、でも、やっぱりほわわ~んとしていて(笑)。

フジテレビ版のタイトルは、「早子先生、結婚するって本当ですか?」。

って、ダ・カーポか!?(笑)

ドラマ化の話を聞いた時、黒木華さんが30代半ばならぴったりだけど、と思った。

原作漫画の印象は、少なくとも松下奈緒さんじゃないんだよなあ。

それに、ストーリーも、なんだかなあ。

8コマ漫画の、あののんびりした雰囲気はどこかに行っちゃってるしなあ・・・。

何でもドラマ化すればいいってもんじゃないし。

ぜひ、漫画のほうを、一度、ご覧ください。

石田ゆり子主演「コントレール~罪と恋~」は大人の恋愛ドラマ

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、NHKドラマ10「コントレール~罪と恋~」を取り上げました。


NHKドラマ10「コントレール~罪と恋~」
“ひこうき雲”から目が離せない
今期ドラマは序盤戦の真っ最中だが、見逃してはならない1本がある。石田ゆり子主演「コントレール~罪と恋~」だ。

通り魔事件に巻き込まれて亡くなった夫。残された妻(石田)は夫に愛人がいたことを知る。事件現場に居合わせた弁護士(井浦新)は犯人と揉み合い、結果的に石田の夫を殺してしまう。井浦はショックで声が出なくなり、弁護士を辞めてトラック運転手となった。

6年後、街道沿いで食堂を営む石田は、客として来た井浦に魅かれる。だが、その素性は知らない。井浦は自分が殺めた男の妻だと分かるが、石田へと傾斜していく。しかも、かつて事件を担当した刑事(原田泰造)も石田に思いを寄せている。さて、3人の運命は・・。

石田が演じる45歳の未亡人が何ともセクシーだ。幼い息子の母親としての自分と、一人の女性としての自分。その葛藤に揺れながらも衝動を抑えきれない。鏡の前で、久しぶりにルージュを手にする石田の表情が絶品だ。

井浦にとっても、会ってはならない女性との危うい恋愛だ。失声症だった井浦が、ベッドの上で石田の名を呼べた時の戸惑いと喜び。その心情の複雑さも、脚本の大石静がきっちり描いている。

大人の女性のココロとカラダが、今後どう動くのか。鮮やな軌跡を見せ、やがて消えていくコントレール(ひこうき雲)から、しばし目が離せない。

(日刊ゲンダイ 2016.04.26)

この春、大活躍! 俳優・杉本哲太さんのこと

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日刊ゲンダイに、この春、大活躍している俳優、杉本哲太さんに関する記事が掲載されました。

タイトルは、「50歳 杉本哲太が迎えた男盛り」です。

現在、同じクールで、日テレ『世界一難しい恋』と、テレ朝『グッドパートナー 無敵の弁護士』の2本に出演中。

この記事の中で、杉本さんについて解説しています。


高視聴率ドラマを下支え
50歳 杉本哲太が迎えた男盛り
俳優・杉本哲太(50)が円熟の“男盛り”を迎えている。

日本テレビ系「世界一難しい恋」(水曜22時)では、主演の嵐・大野智(35)扮するホテルチェーンの若社長のお抱え運転手役。竹野内豊(45)&松雪泰子(43)による元夫婦でライバル弁護士が奮闘するテレビ朝日系「グッドパートナー 無敵の弁護士」(木曜21時)では、2人の同僚弁護士を演じている。

春ドラマのラインアップがほぼ出揃う中、両作品ともに各回視聴率12%超をマーク。勢いある作品にいずれも名を連ねているのだ。

上智大の碓井広義教授(メディア論)が言う。

「NHK朝ドラ組のキャスティングが多くみられる春ドラマの中でも“あまちゃん俳優”の杉本さんはひときわ目を引きます。理由のひとつは演技のストライクゾーンが広いだけでなく、肩書や職業そのままではない裏側、あるいは“オチ”を期待させる役者だからです。『世界一』では人のいい実直な運転手役ですが、そうではない素顔や過去を期待してしまうし、『グッドパートナー』では敏腕を気取っていてもどこか抜けている独身男の役を見事に自分のものにしている。主役を引き立てながら、物語に深みを出す“隠していない隠し味”。視聴率の底上げに一役買っているといえるでしょう」

渡辺えり(61)や堤真一(51)、段田安則(59)といった舞台出身の俳優が多く在籍するシス・カンパニー所属。杉本自身は「横浜銀蠅」の弟分としてデビューし、神奈川・藤沢では知られた暴走族メンバーからリーゼントヘアのロッカーを経て、今から35年前の連ドラ「茜さんのお弁当」(81年)への出演を機に俳優の道へ。そんな杉本の演技の“地金”となっているのが「名匠・熊井啓監督との出会いです」というのはさる映画関係者だ。

「20代のときに熊井監督の『式部物語』『ひかりごけ』『深い河』といった文芸大作に出演。熊井組の現場で徹底的に鍛えられた。奥田瑛二ら先輩たちの凄みにも触れた経験は役者としての“足腰”の強さにつながっている」

近年の当たり役といえば、朝ドラ「あまちゃん」(13年)のコミカルな駅長役も。その後はすぐさま、「隠蔽捜査」(14年)で民放連ドラ初主演をゲットし、古田新太(50)らとともに上層部と現場の板挟みに悩む刑事を好演。中年俳優の底力を見せた。

「長年のキャリアを今まさに開花させている印象。演出家レベルで自分に求められる役割を察するから、使う側も起用したくなる。悪目立ちすることなく視聴者と制作陣の心に“杉本哲太印”を刻んでいく。貴重な存在ですね」(前出の碓井氏)

勢いのある中年俳優といえば遠藤憲一(54)が頭一つリードした感があるが、エンケンに続くのは“スギテツ”だ。

(日刊ゲンダイ 2016.04.27)

【気まぐれ写真館】 ハナミズキでプチお花見、の代官山

【気まぐれ写真館】 まだ結構涼しいぞ、の札幌

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札幌に来たら、「まる山」の鴨せいろ

【気まぐれ写真館】 札幌 気温7度


本日の「イチオシ!」 2016.04.29

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国井アナ、ヒロさん

オクラホマ藤尾さん

ファイターズガールの和音さん

今週の「国井美佐アナウンサー」

【気まぐれ写真館】 ちょっと寒いぞ、夜の札幌 

GWの「イチオシ!モーニング どようび」 2016.04.30

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愛里さん、依田アナ、オクラホマ藤尾さん

野球解説の岩本さん

五十幡アナ、岩本さん

藤尾さん、柳田アナ

新レポーターの谷口さん

ファイターズガールの渡辺さん、安念さん

今週の「木村愛里さん」




【気まぐれ写真館】 北海道が故郷の「宮越屋珈琲」

“宇宙猿”VS. “宇宙ゴキ”の映画『テラフォーマーズ』

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公開されたばかりの映画『テラフォーマーズ』を見てきました。


火星で人型に進化したゴキブリ「テラフォーマー」と人類の壮絶な戦いを描いた大ヒットコミックを、鬼才・三池崇史監督のメガホンにより実写映画化。主演を「悪の教典」でも三池監督とタッグを組んだ伊藤英明が務め、武井咲、山下智久、山田孝之、小栗旬ら豪華キャストが集った。2599年、人口増加による貧富の差が激しくなる日本では、新たな居住地開拓のために「火星地球化(テラフォーミング)計画」が始まっていた。しかし、火星の気温を上げるためにコケとともに放たれたゴキブリが異常進化してしまう。そのゴキブリたちを駆除するため、15人の日本人が火星に送り込まれるが……。


原作未読、予備知識無しのまま、映画館へ。

何しろ、三池崇史監督作品なので、とりあえず無条件参加(笑)。

「三池流の国産SF?」くらいのつもりだったのですが、いや、なんというか、びっくりぽん(懐)な内容で。

以前、ポール・バーホーベン監督の『スターシップ・トゥルーパーズ』(97年)という作品があって、人類と、笑っちゃうくらい大量の“宇宙昆虫”との壮絶な戦いを見たことがあるのですが、こちらの敵は、いわば“宇宙ゴキブリ”でありまして・・・。

その征伐のために、“海猿”の伊藤英明さんが、海ならぬ宇宙に出張(でば)ってるんだから、本作の伊藤さんは“宇宙猿”でしょうか。

“宇宙猿”VS. “宇宙ゴキ”!

三池作品に出演している武井咲さんを見るのは、『愛と誠』以来でした。

今回の武井さん、なかなか衝撃的なことになっております。

菊地凜子さんは、『パシフィック・リム』などを想起させ、貫禄十分。

小池栄子さんは、宇宙でも違和感なし。

そうそう、エンドロールでは、「特別協賛 アース製薬」の文字が目に飛び込んできて、嬉しくなってしまいました。



【気まぐれ写真館】 多摩川夕景 2016.05.02

朝ドラ「とと姉ちゃん」と北海道

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、朝ドラ「とと姉ちゃん」について書きました。


「とと姉ちゃん」と北海道
実在の人物は縁あるのに・・・
4月に始まったNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。浜松編が終わり、現在は東京・深川編に入っている。高畑充希の個性的なヒロイン、家族の強い絆、そして丁寧に描かれる戦前の日常などが、おおむね好評のようだ。 

しかし、一点気になることがある。このドラマがモチーフ(何かを表現するときの動機や着想)にしているという実在の人物、大橋鎭子(しずこ)のことだ。戦後に誕生し、現在も続く雑誌「暮しの手帖」の創刊者である。その鎭子と、ドラマの常子がかけ離れているのだ。

たとえば、鎭子は浜松の出身ではない。育ってもいないし、住んだこともない。鎭子の自伝的エッセイ「『暮しの手帖』とわたし」には、「生まれたのは現在の市ヶ谷駅近くにあった病院」とあり、出身地は東京である。

父親の武雄さんは府立一中(現在の日比谷高校)を経て、当時の北海道帝国大学を出た人物だ。日本製麻株式会社に入ると同時に帰京。結婚して鎭子が誕生したが、2年後に妻と幼い娘を伴って北海道に工場長として赴任する。鎭子が入学したのは三笠市萱野の小学校だ。

北海道での子供時代について、鎭子は「野原で一日中遊ぶガキ大将」だったと言い、「そのころの私の無鉄砲さというか怖いもの知らずが、決心したら何としてでも実行するという、私の性格の土台になっているのかもしれません」と回想している。

やがて武雄さんは結核を患い、療養のため東京に戻ることになる。鎭子も牛込第一小学校に転校する。その後、武雄さんの入院先に合わせて、一家は鎌倉や東京で暮した。つまり、浜松は「架空の人物・小橋常子」の故郷かもしれないが、「『暮しの手帖』の大橋鎭子」とは縁もゆかりもないのである。

もちろんドラマなのだから、事実に基づきながらもフィクションが織り込まれることは承知の上だ。NHKも、モデルではなく、あくまでもモチーフだと言う。だが、多くの視聴者は主人公の小橋常子と大橋鎮子を重ねながら見ているはずだ。

実在の人物を下敷きにするのであれば、人格形成に関わる基本的な部分を大きく変えるべきではない。同じ実録路線でも、「マッサン」では広島、「花子とアン」では山梨、そして「あさが来た」でも京都が、主人公の生まれ育った場所として大切にされていた。

父が学生時代を過ごし、仕事で汗を流し、本人が幼少期を送った北海道。その風土と生活が、鎭子の人生に大きな影響を与えたことを思うと、残念でならない。

(北海道新聞 2016年05月02日)

【気まぐれ写真館】 車窓に!?ガリガリ君 

【気まぐれ写真館】 連休は今年も、信州で田植え

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田んぼが苗の緑に染まっていく

週刊新潮で、NHK土曜ドラマ「トットてれび」について解説

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発売中の「週刊新潮」最新号で、満島ひかり主演のNHK土曜ドラマ「トットてれび」について解説しています。


“レジェンド徹子”を演じる
「満島ひかり」七変化
あるときは園子温映画「愛のむきだし」で狂気を演じ、またあるときはTVドラマ「ど根性ガエル」でカエルのピョン吉(声)、さらに「シリーズ・江戸川乱歩短編集」では男役・明智小五郎までを演じては評価を高めてきた満島ひかり(30)。次に挑むのは、タマネギ妖怪、もとい黒柳徹子(82)。

4月30日よりスタートするNHK土曜ドラマ「トットてれび」は、黒柳の自伝的エッセイ「トットチャンネル」「トットひとり」(いずれも新潮社刊)が原作で、彼女がテレビ放送が始まった1953年に、NHK専属テレビ女優第1号となった草創期から振り返る。

上智大学教授の碓井広義氏(メディア論)は期待を込めていう。

「黒柳さんは、確かにNHK専属女優第1号でもありますが、才能という意味でのマルチタレントの元祖でもある。声だけのラジオ放送から関わってきた放送界の“生きるレジェンド”を演じることは一筋縄ではいきません。そこにピョン吉の声だけであれほどの存在感を発揮し、何でも演じられる満島さんを持ってきたのは見事です。それにスタッフにも力が入っている」

プロデューサー・訓覇圭、演出・井上剛、音楽・大友良英といえば、あの「あまちゃん」チームであり、脚本は「花子とアン」の中園ミホ。さらにキャスティングもこれでもかというほど。

「渥美清役に中村獅童、森繁久彌役に吉田鋼太郎、永六輔役に新井浩文、濱田岳やミムラ、大森南朋、武田鉄矢など芸達者が揃っている。下手な役者が混じったら浮いてしまうでしょう」

大丈夫か? 坂本九役の錦戸亮・・・。

「しかもナレーションは小泉今日子で、黒柳自身も100歳になった本人役で出るといいますから、仕掛けも上手い。あらゆる番組が生放送だったテレビ草創期、ハラハラドキドキがあった時代のテレビをもう一度見たいという人は私を含め多いはず。たった7回などといわずにもっと見たい」

朝ドラで半年間やってもいいのでは。

(週刊新潮 5月5・12日ゴールデンウイーク特大号)

【気まぐれ写真館】 特急あずさを待ちながら

書評した本: 蛭子能収 『僕はこうして生きてきた』ほか

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テレビ東京のスタジオで、蛭子能収さんと・・・

「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

蛭子能収 『僕はこうして生きてきた』
コスモの本 1404円

著者は「バス旅」専門のタレントではない。70年代に『ガロ』でデビューした漫画家だ。同時に骨がらみのギャンブラーでもある。この自伝的エッセイで、「何とかなる」という超ユルの人生観と、独自のギャンブル哲学を学ぶことができる。気持ちも少し軽くなる。


水口義朗 『「週刊コウロン」波乱・短命顛末記』
中央公論新社 1620円

昭和31年、『週刊新潮』の創刊で起きた週刊誌ブーム。その3年後に登場したのが『週刊コウロン』だ。スキャンダルを扱わない清廉路線だったが2年で消滅した。この“幻の雑誌”の軌跡を、当時編集部員だった著者が回想する。深沢七郎「風流夢譚」事件も含めて。


小野一光 『震災風俗嬢』
太田出版 1620円

未曾有の地震と大津波は、地域の風俗店にも襲いかかった。だが、わずか1週間で営業を再開した店が存在したのも事実だ。著者はこの5年間、被災地の風俗嬢を取材し続けた。彼女たちは何を体験し、何を思いながら男たちと向き合ってきたのか。その肉声を聞く。

(週刊新潮 2016年4月28日号)

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