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「日曜劇場」香川照之、緩急自在の芝居にハズレなし!

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、TBS日曜劇場「99.9―刑事専門弁護士―」について書きました。


TBS系 日曜劇場「99.9―刑事専門弁護士―」
緩急自在の芝居にハズレなし!
香川照之が出ている「日曜劇場」にはハズレがない。「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「流星ワゴン」、そして今回の「99.9―刑事専門弁護士―」だ。

主役は嵐の松本潤。飄々としていながら、「事実が知りたいんです」と言って、とことん事件を追究する弁護士、深山大翔を好演している。どんなに逆転するのが難しそうな案件であっても、同僚弁護士の榮倉奈々やパラリーガルのマギーや片桐仁(怪演に拍手!)の力を借りつつ、その真相に迫っていくのだ。

香川が演じる佐田は、深山が所属する刑事専門ルームの室長だが、本来は企業弁護のエキスパートだ。元検事で野心家。超マイペースで暴走気味の深山にブレーキをかけたり、時には手柄を横取りしたりする。ハラに一物も二物もあるこの男を、香川は緩急自在の芝居で造形していく。

しかもここ数週ほど、18年前の事件の再審請求にからんで、佐田の過去が浮かび上がってきた。宇田学のオリジナル脚本は、しっかりした伏線とその回収が毎回見事だが、ドラマの後半戦に入ってますます冴えている。松本潤と香川照之の本格勝負もこれからだ。

そうそう、佐田が唯一言いなりになってしまう年下妻役の映美くらら(元・宝塚月組トップ娘役)がいい味を出している。“ポスト檀れい”の出現かもしれない。

(日刊ゲンダイ 2016.05.25)

週刊新潮で、「日本初のネット限定制作発表」についてコメント

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大看板「月9」の制作発表を
ネット配信した「フジテレビ」大迷走
かつて無敵の黄金時代を誇ったフジテレビだが、今年の黄金週間は煌(きら)びやかというわけにはいかなかった……。視聴率低迷の苦境から抜け出せない同局は5月1日、7月から始まる「月9」ドラマの制作発表をネット限定で生配信する「奇策」に打って出た。しかし、その評判は黄金のように輝くどころか、くすんだものとなってしまったのだ。

 ***

通常、新しいドラマの制作発表は、放送開始数日前にホテルの宴会場などを借りて記者会見の形で行われる。ところが今回、フジは5月1日の未明に突如、同日の午後7時からネットのみで月9『好きな人がいること』の制作発表を行うと告知したのである。

「日本初との触れ込みのネット限定制作発表を注目して観たんですが……」

と振り返るのは、スポーツ紙の芸能記者だ。

「主演の桐谷美玲ら4人のキャストが、自分たちが若い男女の『四角関係』を演じるといったごく簡単なストーリーを説明した程度で、内容が煮詰まっていない印象が際立ち拍子抜けでした。なにしろ台本もまだ完成していないそうですから」

こうした「拙策」の背景を記者氏が続ける。

「現在放送されている福山雅治主演の月9『ラヴソング』の第4話までの平均視聴率は、これまでの月9平均視聴率の最低記録である9・7%を下回る9・4%の体たらく。全日視聴率でテレビ東京に抜かれることもあるフジの低迷ぶりを象徴しています。これを受けて亀山千広社長が、『今までにやったことのないことをやってくれ』と檄を飛ばした結果、今回のネット制作発表になったそうです」

■「時代を逆走」

『フジテレビはなぜ凋落したのか』(新潮新書)の著者で、同局元プロデューサーの吉野嘉高氏はこんな評価を下す。

「おそらく、このドラマは10代、20代をメインターゲットにしていて、それゆえに若者に向けてネット限定制作発表を行ったのでしょう。でもこの世代は最もテレビを観ていません。そんな狭いターゲットに絞ってボールを投げても視聴率は上がりにくいはずです。自分たちでストライクゾーンを小さくしておいて、そこにコントロールが利いていないボールを投げているようなものです」

なぜ、このようなことが起きてしまうのか。

「若々しいイメージで成功した80年代、90年代の黄金期のフジに戻りたいのでしょうか。しかし、これは時代を逆走しているように思えます。社会状況を細かく観察してみればキラキラしていた“あの時代”に戻れないのは明らかです。この分だと、しばらく『迷走フジテレビ』が続くのではないでしょうか」(同)

上智大学の碓井広義教授(メディア論)も手厳しい。

「数字を捨ててやりたいことをやろうといった考え方もあるかもしれませんが、今一番、視聴率を大事に考えなければいけないはずなのがフジです。自分たちが置かれている状況を客観視できていない。これこそフジがここまでダメになった一番の原因だと思います」

フジの企業広報部は、7月からの月9について、「放送をご覧になって判断して頂きたいと思います」と強気だが、

「果たしてどれだけの人に月9を『観る』という入口に立ってもらえるか。そもそも、フジそのものがあまり観られていないのが現状ですからね」(碓井氏)

もはやフジの低視聴率は不治の病か。

(週刊新潮 2016年5月19日菖蒲月増大号)

【気まぐれ写真館】 羽田空港は雨  2016.05.27

【気まぐれ写真館】 札幌は快晴  2016.05.27

HTB北海道テレビ「イチオシ!」 2016.06.27

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今週の「国井美佐アナウンサー」

【気まぐれ写真館】 HTB 西野 志海(もとみ)アナウンサーと

【気まぐれ写真館】 札幌 本日も晴天  2016.05.28

HTB「イチオシ!モーニング」どようび 2016.05.28

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今週の「木村愛里さん」

【気まぐれ写真館】 いつもの千歳市「柳ばし」で・・・ 2016.05.28

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生姜焼き&おとーさんの釣果・ヒラメのフライ

今期“ジャニーズ系ドラマ”の楽しみ方

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ドラマを見るのは好きだけど、「ジャニーズ系の人たちが主演」と聞くと、急に引いてしまう大人の男性視聴者がいます。でも、それって、ちょっとモッタイナイ。今期のドラマにも、大人のオトコが楽しめる“ジャニーズ系ドラマ”があるのです。

ポイントの第1は、主役が、演技においても実績のある「嵐」のメンバーたちであること。第2に、秀逸な脇役たちの存在。そして、ドラマを支える巧みなストーリー・テリングです。


大野智の『世界で一番難しい恋』(日本テレビ系)

嵐の大野智(35)といえば、すぐ思い浮かぶのが「怪物くん」。まさかの実写化でした。あの怪物くん(1960年代後半、「少年画報」で読んでいました)を、一体誰が演じられるのかと思っていたら、なんと大野がピタリとはまってしまった。びっくりだ。

あれから6年。その可愛げのある“とっちゃん坊や”ぶりを、いかんなく発揮しているのが「世界一難しい恋」である。大野は、チェーンホテルの御曹司にして社長というポジション。仕事の上では冷酷な判断も平気なヤリ手だが、恋愛に関しては、短気で、わがままで、ジコチューな、いわば子供っぽい性格が災いして、成就したことがなかった。

そんな若社長が新入社員の波瑠(24)に恋をした。ホテルの仕事に夢と意欲を持つ彼女。実は大野が最も好きな「正義感の塊で世話好きな学級委員みたいなタイプ」だった。波瑠も、はじめは大野の気持ちに戸惑うが、その素顔に少しずつひかれていく。

このドラマのスパイスとなっているのが、大野に対する”恋愛指南”だ。指南役の一人は社長秘書(小池栄子 35)であり、もう一人がライバルホテルの社長(北村一輝 46)である。特に、ある時は慈母のごとく慰め、またある時は姉のように励ます小池のキャラが立っている。「モテ男は優しさを求めません。与え続けるのです!」といった名言が並ぶのだ。

指南役たちのアドバイスにやや翻弄されながら、すねたり、ふてくされたりする大野がおかしい。波瑠との距離感や関係の微妙な変化も丁寧に描かれており、日本テレビの“お家芸”の一つ、良質のラブコメディーになっている。


松本潤の『99.9―刑事専門弁護士―』(TBS系)

香川照之(50)が出ている「日曜劇場」にはハズレがない。「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「流星ワゴン」、そして今回の「99.9―刑事専門弁護士―」然りだ。

主役は嵐の松本潤(32)。飄々としていながら、とことん事件を追究する弁護士、深山大翔(みやま ひろと)を好演している。どんなに逆転するのが難しそうな案件であっても、「事実が知りたいんです」と言って、まったくひるまない。同僚弁護士の榮倉奈々(お得な役柄です)、パラリーガルのマギー(出てくるだけで和む)や片桐仁(毎回の怪演に拍手!)などの力を借りつつ、その真相に迫っていく。

香川が演じる佐田は、深山が所属する刑事専門ルームの室長だが、本来は企業弁護のエキスパートだ。元検事で、かなりの野心家。超マイペースで暴走気味の深山にブレーキをかけたり、時には手柄を横取りしたりする。ハラに一物も二物もあるこの男を、香川は緩急自在の芝居で造形していく。

しかもここ数週で、18年前の事件の再審請求にからんで、佐田の過去が浮かび上がってきた。宇田学のオリジナル脚本は、しっかりした伏線とその回収が毎回見事だが、ドラマの後半戦に入ってますます冴えている。松本潤と香川照之の本格的な演技勝負もこれからだ。

そうそう、佐田が唯一言いなりになってしまう、というか尻に敷かれ気味の年下妻役、映美くらら(元・宝塚月組トップ娘役)がいい味を出している。もしかしたら、ズバリ!“ポスト檀れい”の出現、かもしれません。

(Yahoo!ニュース個人 2016.05.29)


Yahoo!ニュース個人
「碓井広義のわからないことだらけ」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/usuihiroyoshi/

今週末の「講演」について

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お知らせを1件。

今週末の6月5日(日)、私の故郷である長野県塩尻市の映画館「東座(あずまざ)」で、講演をさせていただきます。


<講演タイトルと概要>

「今、報道番組で何が起きているのか!?」
今年3月、NHKクローズアップ現代」の国谷裕子さん、 TBS「NEWS23」の岸井成格さん、 テレビ朝日「報道ステーション」の古館伊知郎さんと、3人の報道番組のキャスターが相次いで降板しました。それぞれ、政治的なテーマについても言うべきことは言う、そんな気概を持った人たちでした。何か圧力があって“辞めさせられたわけでない”と報じられてはいますが、“3人同時降板”というのは普通のこととは思えません。今、報道番組で何が起きているのか。“ジャーナリズムとしてのテレビ”について、皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。


これは、映画「スポットライト 世紀のスクープ」の上映に合わせ、映画館主の合木こずえさんによって企画されたものです。

関心のある皆さんのご参加、どうぞよろしくお願いします。


6月5日(日) 13時30分~14時40分

講演自体は無料。
ただし午前11時、もしくは午後3時からの上映回のチケットが必要。(参加費は通常の入場料に含まれます)

<要予約> 0263-52-0515 東座



(信濃毎日新聞より)

【気まぐれ写真館】 五月雨  2016.05.30

書評した本: 『池波正太郎を“江戸地図”で歩く』ほか

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「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

壬生 篤 『池波正太郎を“江戸地図”で歩く』
誠文堂新光社 1,620円

「聖地巡礼」をご存知だろうか。いや、仏教の源流を訪ねてとか、サウジアラビアのメッカを目指すという話ではない。近年、映画やドラマ、漫画やアニメなどの舞台となった場所を訪れ、作品の世界にひたることを楽しむファンが増えた。それが、「聖地巡礼」と呼ばれている。

特にアニメには有名な聖地がいくつもある。『けいおん!』の主人公たちが通う女子高の建物のモデル、滋賀県の豊郷小学校。また、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の舞台である埼玉県秩父市では、秩父神社などのスポットに若い巡礼者が絶えない。

池波正太郎の三大時代小説といえば、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人』を指す。本書は、古地図(切絵図)と現在の地図とを見比べながら、三作品に描かれた江戸の街を旅しようというものだ。いわば“大人の聖地巡礼”である。

たとえば、『鬼平』といえば本所だ。ここには軍鶏なべ屋「五鉄」がある。食べて飲むだけでなく、チーム鬼平の作戦会議を開いたりもする店だ。二階には鬼平を支える密偵の一人、相模の彦十も起居している。「竪川に架かる二ツ目橋の北詰」がその所在地だが、二ツ目橋は「二之橋」の名称で現在も存在している。

橋から少し南が弥勒寺で、その門前にあるのが茶店「笹や」だ。立ち寄った長谷川平蔵に憎まれ口をたたく、お熊婆さんの姿が目に浮かぶ。そうそう、本所には『剣客商売』の秋山小兵衛の囲碁仲間にして町医者の小川宗哲も住んでいるはずだ。

本書を読んでいくと、一つの場所で四つの風景が重なって見えてくる。作品に描かれた江戸、池波が少年時代に見た戦前、執筆していた戦後、そして現在の東京の風景だ。フィクションである小説だからこそ、よりリアルを求め、実際の街歩きを通じて体感した「場」の空気をも伝えようとした池波正太郎。江戸の街は、重要な脇役の一人だったのだ。


倉本聰 『見る前に跳んだ : 私の履歴書』
日本経済新聞出版社 1,728円

国民的ドラマ『北の国から』の放送開始から35年。草創期からテレビに関わった著者は、多くの名作を生み出し、81歳の現在も創作活動を続けている。幼少時代の思い出、怒涛のドラマ黄金時代、富良野塾、演劇、そして自然と環境までを縦横に語る自伝エッセイだ。


石原慎太郎 『男の粋な生き方』
幻冬舎 1,728円

酒、旅、発想、賭けなど、28のテーマで語り下ろした人生論。「贅沢とは所詮自己満足」といった明快さが特色だ。また長年の文学生活が生んだエピソードも興味深い。伊藤整と寄付。三島由紀夫とスポーツ。小林秀雄と鮨屋。粋というより意気軒昂な83歳だ。


松田賢弥 『政治家秘書 裏工作の証言』
さくら舎 1,620円

「政治とカネ」の問題が起きるたび、秘書の存在がクローズアップされる。一方の議員先生は秘書に責任を押しつけ、逃げるばかりだ。その構造は、数十年前から最近の甘利明・前TPP大臣まで変わらない。裏金工作、金脈一族、野望と裏切りの実像に迫る労作だ。

(週刊新潮 2016年5月26日号)

週刊ポストで、『笑点』新司会者“人事”についてコメント

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『笑点』新司会者「昇太」
&新出演者決定の
裏に何があったのか
国民的関心事となった『笑点』(日本テレビ系)の大喜利新司会者発表。本誌は「三遊亭円楽(66)に当確」、と報じてきたが結果は春風亭昇太(56)というサプライズ人事だった。取材を進めると、「本命・昇太」隠しのカモフラージュとして「本命・円楽」が使われたようにも見える。日テレの他番組も「円楽推し」を強力にサポートしていた。

これに対して笑点関係者は胸を張って反論する。

「『新司会・昇太』と報じられないために、番組として何か手を打ったということはありませんよ。週刊ポストさんをはじめとする各メディアが様々な憶測記事を報じてくれたおかげで、うまくカモフラージュできました(笑い)。ポストさん、ありがとうございます」

ちなみにこの関係者は、本誌が後継者探しで取材した際には、「みなさんが予想している方が、新しい司会になるんじゃないかな」と囁いていた。思わず「昇太は予想しないだろ!」と叫びたくなったが、すべて後の祭り。この囁きにまんまと踊らされ、正直ぐうの音も出ない。また一部の誤報記者たちからは“後出しジャンケン”の声まで聞こえてきた。

「円楽はメンツにこだわるタイプではないし、責任のない自由なポジションのほうが活躍するでしょう。まあ冷静に考えれば、昇太しかいなかったかな」(ワイドショー芸能デスク)

こんな負け惜しみを叫ぶ彼ら同様、本誌も誤報を打ってしまったのは紛れもない事実で、やはり大いに反省しなければならない。

本誌では「第三者」に、この誤報について“精査”してもらった。上智大文学部新聞学科・碓井広義教授(メディア論)が言う。

「今回は司会者が誰なのかを言い当てるのは難しかった。私自身も円楽さんかな、と思ってましたし(笑い)。ポストさんを含め、各メディアが円楽さんで決まりだと思うのは当然のことです。むしろ、その一枚上手をいった日テレさんに座布団一枚ですね」

一方で芸能ジャーナリストの二田一比古氏は本誌をこう叱る。

「すでに円楽ムード一色だったわけですから、『このまま円楽で決まりのわけがない』という視点を持たないと。やはり裏の裏を読むのが週刊誌の仕事でしょう。それに演芸の専門記者も置いていないのに、急に核心の話が取れるわけない」

キツ~い糾弾はまだ終わらない。当事者である前司会者・桂歌丸師匠(79)もこう高笑いする。

「あの人(円楽)の言ったことを信用するからいけないんですよ。あの人の言ったことは全部裏へ裏へと取らなきゃダメですよ、ウェッヘッヘ。そもそも次が昇太だということは、誰も知らなかったですからね。知っていたのは私だけ。『次は昇太さんでどうでしょう』とこっちから日テレに相談して、色々と話し合って、それで『(昇太で)いいでしょう』ということになったんです」

新司会者となる昇太も本誌直撃に舞台裏について教えてくれた。

「発表のだいぶ前からメンバーの皆さんには、(私が新司会者だと)連絡は入っていたはずです。だから円楽師匠が『次は俺じゃないか』みたいなことを言っていたのは、わざとやってくれたんだろうと思いますよ」

司会の座を逃す形となった円楽はこう笑う。

「ずっと(昇太が司会だと)黙ってるのは辛かったけど、最後は面白くなってね。ふざけて『次の司会です』とか言うとウケるし(笑い)。あっ、世間は案外、オレのこと見てくれてるんだって嬉しかった。だから(ポストは)謝ることないだろう」

微妙に食い違う部分はあるが、3名とも最後まで隠し通した満足感に溢れた受け答えだった。

本誌はこうして日テレや出演者の思惑にまんまとハマり、「大誤報」を流してしまったというのが事の顛末である。読者の皆様、どうもすみません!

(週刊ポスト2016年6月10日号)

NHK「トットてれび」が描く、テレビ草創期の熱い日々

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、NHK土曜ドラマ「トットてれび」を取り上げました。


NHK土曜ドラマ「トットてれび」
ムチャクチャだけど熱い日々
よく思いついたものだ。若き日の黒柳徹子さんを、満島ひかり(30)に演じさせようだなんて。

ドラマ「トットてれび」の舞台はテレビ草創期。日本のテレビ放送開始は昭和28年だが、黒柳さんはNHKの専属女優第1号だった。

昭和30年代の子どもである私も、その活躍ぶりはよく覚えている。「ブーフーウー」「チロリン村とくるみの木」「一丁目一番地」「若い季節」「夢であいましょう」、それに「魔法のじゅうたん」の司会もそうだ。

当時はドラマも含めてすべてが生放送だった。どんなにリハーサルを重ねても、本番で出演者がセリフを飛ばす(忘れる)ことや、スタッフの見切れ(画面に映る)なんて日常茶飯事だった。このドラマのナレーターである小泉今日子が言う通り、「ムチャクチャだけど熱い日々」だったのだ。

生きた黒柳さんが憑依(ひょうい)したような満島のハイテンション演技はもちろん、ドラマで蘇る今は亡きスターたちも見ものだ。

森繁久弥(吉田鋼太郎)、渥美清(中村獅童)、沢村貞子(岸本加世子)らが“成りきり”で競い合う。22歳の黒柳さんが接した森繁は「近所のちょっとエッチなおじさん」という印象。接した女性全部に(黒柳さんにも)、「ね、一回どう?」とコナをかける様子が笑える。

黒柳さんの自分史は、そのままテレビの歴史と重なる。全7回で終わりじゃモッタイナイ。

(日刊ゲンダイ 2016.06.01)


【気まぐれ写真館】 渋谷 2016.06.02

第53回ギャラクシー賞 贈賞式

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渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで、第53回ギャラクシー賞の贈賞式が開催されました。

選奨委員を務めているCM部門も含め、大賞などは以下の通りです。


第53回ギャラクシー賞受賞作品
(2015年4月1日~2016年3月31日)

◆志賀信夫賞
山本雅弘

◆マイベストTV賞第10回グランプリ
木曜ドラマ「スペシャリスト」
(テレビ朝日 2016年1月14日~3月17日放送)

テレビ部門

●大賞
報道ステーション「特集 ノーベル賞経済学者が見た日本」「特集 独ワイマール憲法の“教訓”」
(テレビ朝日 2016年3月17日、18日放送)

●優秀賞
ETV特集「“書きかえられた”沖縄戦~国家と戦死者・知られざる記録~」
(日本放送協会 2015年8月15日放送)

NNNドキュメント'15 シリーズ戦後70年「南京事件 兵士たちの遺言」
(日本テレビ放送網 2015年10月4日放送)

家、ついて行ってイイですか?
(テレビ東京 2016年2月17日放送)

●選奨
土曜ドラマ「64」
(日本放送協会 2015年4月18日~5月16日放送)

能登消滅 9分の8の衝撃
(テレビ金沢 2015年5月29日放送)

報道ステーション 特集「沖縄“慰霊の日”に考える『日米地位協定』」
(テレビ朝日 2015年6月23日放送)

団地ともお スペシャル~夏休みの宿題は終わったのかよ?ともお~
(日本放送協会 2015年8月14日放送)

報道特集~終戦の日スペシャル
(TBSテレビ 2015年8月15日放送)

金曜ナイトドラマ「民王」
(テレビ朝日/アズバーズ 2015年7月24日~9月18日放送)

満州 富士見分村~戦後70年の証言~
(エルシーブイ 2015年11月8日放送)

NHKスペシャル シリーズ東日本大震災「追跡 原発事故のゴミ」
(日本放送協会 2015年11月21日放送)

木曜時代劇「ちかえもん」
(日本放送協会 2016年1月14日~3月3日放送)

人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり
(東海テレビ放送 2016年3月20日放送)

●フロンティア賞
TVer(ティーバー)
テレビ番組の新しい見方を提案した在京5社共同公式テレビポータル

●特別賞
国谷裕子
「クローズアップ現代」(NHK)のキャスターとしての功績に対して

●個人賞
遠藤憲一
金曜ナイトドラマ「民王」(テレビ朝日)、BS日テレ開局15周年特別企画時代劇「佐武と市捕物控」(BS 日テレ)、「お義父さんと呼ばせて」(関西テレビ)の演技


ラジオ部門
●大賞
「憲法で巡る日本の旅」
(九州朝日放送 2015年5月3日放送)

●優秀賞
赤ヘル1975
(中国放送 2015年8月6日放送)

遠くなる戦争を語り継ぐ~女性ノンフィクション作家の対話~
(日本放送協会 2015年8月16日放送)

学生に夏休みはない 2015
(毎日放送 2015年10月26日放送)

●選奨
タモリのオールナイトニッポンGOLD Song&BOSSスペシャル
(ニッポン放送 2015年12月18日放送)

SCHOOL OF LOCK!
(エフエム東京 2016年2月17日放送)

エフエム仙台・TOKYO FM共同制作「ライターのつぶやき~河北新報の5年~」
(エフエム東京/エフエム仙台 2016年3月6日放送)

Memorial Graduation 2016~小学校卒業生のメッセージ~
(アップルウェーブ 2016年3月13日放送)

●DJパーソナリティ賞
荻上チキ
「発信型ニュースプロジェクト 荻上チキ・Session-22」(TBSラジオ)パーソナリティとして


CM部門
●大賞
KDDI au 「三太郎シリーズ」
「auスマ得キャンペーン 桃太郎とかぐや姫篇」「au夏のトビラ・竜宮城篇」「au夏ラインナップ 乙姫登場篇」「auWALLET 竜宮城ポイント篇」「auガラホ 海の声篇」「auスマートバリュー かぐや姫の帰省篇」「au 竜宮城ぷるぷる篇」
(KDDI/電通/AOI Pro.)

●優秀賞
サントリーホールディングス PEPSI STRONG ZERO桃太郎「Episode.3篇」
(サントリーホールディングス/TUGBOAT/読売広告社/東北新社)

宮崎県小林市 移住促進シティプロモーション「ンダモシタン小林篇」
(宮崎県小林市/電通九州/ロボット)

早稲田アカデミー 企業「へんな生き物篇」
(早稲田アカデミー/アサツーディ・ケイ/ロボット)

●選奨
英進館 英進館中学部「歩く男篇」
(英進館/電通九州/ティーアンドイー)

NTTドコモ 企業 シリーズStyle'20「マシュー篇」「アンジェリカ篇」「山田拓朗篇」「ベベ篇」
(NTTドコモ/NTTアド/電通/TUGBOAT/東北新社)

大分県 おんせん県おおいた「シンフロ」
(大分県/西広/ティーアンドイー)

大塚製薬 カロリーメイト「見せてやれ、底力。篇」
(大塚製薬/博報堂/catch/AOI Pro.)

サントリーホールディングス SONG&BOSSシリーズ 宇宙人ジョーンズ「時代篇」「恋人も濡れる街角篇」「喝采篇」「ヘッドライト・テールライト篇」
(サントリーホールディングス/シンガタ/ワンスカイ/電通/ギークピクチュアズ)

東海テレビ放送 公共キャンペーン・スポット「戦争を、考えつづける」
(東海テレビ放送)

内閣府 消費者保護「毎日話せば詐欺は防げる」
(内閣府/電通/電通クリエーティブX)

日清食品ホールディングス カップヌードル シリーズ「バカッコイイ篇」
(日清食品ホールディングス/電通/ソーダコミュニケーションズ)

日本中央競馬会 企業「夢の第11レース」
(日本中央競馬会/TUGBOAT/博報堂/スプーン)


※CM部門の社名は広告主/広告会社/制作会社の順


報道活動部門
●大賞
RSK地域スペシャル メッセージ
(山陽放送)

●優秀賞
「子どもが多いほど保育料が値上がりした問題」を追及取材
(北海道テレビ放送)

戦後70年シリーズ企画「戦後70年の地平から」
(琉球放送)

●選奨
シリーズ「終わらなかった戦争~70年目の証言~」
(札幌テレビ放送)

東住吉“放火殺人”事件についての10年間に渡る報道活動
(テレビ朝日)

続「小高区の農地復興」一連の報道
(福島放送)
________________________________________
※以上、詳しいお問い合わせは
放送批評懇談会(TEL:03-5379-5521)までお願いします。



6月5日 講演会「今、報道番組で何が起きているのか」

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塩尻でアカデミー受賞作「スポットライト」上映
日本のマスコミ知る講演会も

塩尻市の映画館「東座」(塩尻市大門4、TEL 0263-52-0515)で現在公開中の映画「スポットライト 世紀のスクーブ」に合わせて6月5日、上智大学文学部新聞学科の碓井広義教授による講演会が行われる。

第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞をW受賞した同作。アメリカの新聞「ボストン・グローブ」がカトリック教会の醜聞を暴いた実話に基づいた作品。同紙で「スポットライト」という特集記事を担当する記者たちが、地道な調査と取材を続ける姿と、徐々に明らかになる衝撃の真実を描く。

6月5日は13時30分から、碓井教授による講演会を開催する。碓井教授は1955(昭和30)年、塩尻市生まれ。テレビマンユニオンに参加し、20年にわたりドキュメンタリーやドラマの制作を行った後、慶應義塾大学助教授、東京工科大学教授などを経て2010年より現職。専門はメディア論で、「テレビの教科書」(PHP研究所)などの著書を持つ。

当日は、「今、報道番組で何が起こっているのか!」をテーマに、今年に入ってから相次いだテレビの報道番組のキャスターの降板を取り上げ、「ジャーナリズムとしてのテレビ」について考える。「何か圧力があって『辞めさせられたわけではない』と報じられているが、3人ものキャスターが同時降板というのは普通のこととは思えない。皆さんと一緒に考えるきっかけになれば」と碓井教授。

同館では長年、映画をより深く味わってほしいと、上映に合わせてさまざまな企画を実施している。同館の合木こずえさんと碓井教授は幼なじみで、お互い映像の仕事に携わっていたこともあり、「何か一緒に企画できないかと相談したら、今の状況が異常だと懸念している先生が、ぜひ話したいということになった」。

「巨大権力に立ち向かう民衆の力は偉大だと感じる作品」と合木さん。「映画はアメリカのマスコミが舞台だが、講演会では、日本のマスコミで何が起こっているのかを知ることができると思う。この夏の選挙やこれからの政治を考えるきっかけになれば」と話す。

上映時間は、6月10日まで=11時~、15時~、19時~(5日のみ11時~、14時45分~、19時~)、同11日~17日=12時~、14時30分~、18時~。料金は、一般当日=1,700円(前売り・電話予約=1,400円)、大学生=1,300円、65歳以上=1,100円。講演会は上映料金に含まれるが、同館まで予約が必要。

(松本経済新聞より)

週刊朝日で、「とと姉ちゃん」についてコメント

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「仮にも名編集長でしょう!」
花森安治を叱った“とと姉ちゃん”
「暮しの手帖」創業者の大橋鎭子(しずこ)さんをモチーフとしたNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が絶好調だ。高畑充希演じるヒロインが戦後、苦難の末、唐沢寿明演じる花森安治氏がモデルとされる名編集長と出版社を立ち上げるという物語だ。人気の秘密と「暮しの手帖」の魅力に迫る。

初回から視聴率20%超えが続く理由を、上智大学の碓井広義教授(メディア論)はこう読む。

「前作までの朝ドラ視聴習慣に加え、『とと姉ちゃん』は一つひとつのエピソードを丁寧に描き、日本人の暮らしの原点がある朝ドラ。困難な時代に夢を実現していく女性の一代記は“朝ドラの王道”でもあります」

今後、物語の軸は、雑誌編集部へと移るが、大橋鎭子さん(2013年に93歳で死去)が天才編集者・花森安治氏と共に創刊したのは「暮しの手帖」──。最盛期には100万部に近い発行部数を誇り、現在も出版されている生活情報誌だ。

自伝『「暮しの手帖」とわたし』(大橋鎭子著)によると、二人は会社を作る時に<もう二度と恐ろしい戦争をしない世の中にしていくために、一人一人が自分の生活を大切にする雑誌を作りたい>と約束。その気持ちが、現在も表紙裏に<これはあなたの手帖です>と記されている。

その「暮しの手帖」はどんな編集部だったのか。元編集部員の河津一哉さん(86)は、こう振り返る。

「創刊時から、編集実務に詳しいのは花森さんだけ。表紙の作画から、見出し、文章、カット絵、写真、新聞広告まで全てを抜群のセンスで仕切る編集長でした。この天才が仕事に没頭できるよう、雑事の処理を引き受けて陰で支え、部員に気を配ってくれていたのが、社長であり編集部員でもあった鎭子さんでした」

花森氏は「学校の論文が書けたから簡単だと思っているだろ。あんなものは文章じゃないぞ」と怒り、読者にわかりやすい文章を書くように、口を酸っぱくして言っていた。

「新人のときに“老眼と近視の違い”を記事に書くことになりましたが、何度書き直しても、花森さんは『わからない』と言う。赤字を入れたのを見ると、テンとマルしか残っていない。その時は、ふて腐れて“花森さんて頭が悪いんじゃないのか”と恨んだりしましたが(笑)、書き直された原稿は非常にわかりやすい。どうしたら追いつけるのか必死でした」(河津さん)

昭和天皇の長女・東久邇成子さんを始め、川端康成、志賀直哉などの著名な人の原稿を多数掲載していたことも人気の理由だ。

「鎭子さんは、鎌倉まで何度も足を運び、川端先生に原稿を依頼。『書いてあげる』と言われてもなかなか原稿がもらえず、最後はぶわーっと涙を流してお願いして、原稿をいただいたそうです。喜怒哀楽を真っ直ぐにぶつける鎭子さんのひたむきな姿は、著名な方からも可愛がられていました」(当時を知る出版関係者)

普段は名編集長だったが、芸術家肌の花森氏は、プイッと機嫌を損ねてしまったこともあったという。

「そんな時、社長の鎭子さんが花森さんに『あなたは、仮にも名編集長といわれる花森安治でしょう。それがなんですか、ちょっとしたことで怒りだして!』などと説得していました。そんなことを言えるのは鎭子さんだけ。二人は名コンビでしたね」(河津さん)

毎日15時には“おやつの時間”もあった。花森氏はいつも「早く文章が上手になってくれ」と怒ったが、おやつの時間には、意外な一面も見せたという。

「仕事が一段落し、遅れて花森さんが食堂にやってきたのですが、いただきものの“きんつば”を、既に皆で分けて食べてしまっていたんです。そしたら、花森さんは、『僕のきんつばはどうした!』と怒りだした。こんな時、花森さんは気取らず子供みたいに本気で怒り、皆で唖然としちゃいましたけど(笑)。のちに、“僕のきんつば”事件と呼ばれ、おもしろかった」(同)

さらに、週に一度、社交ダンスを習う日や、年に一度の豪華な社員旅行もあった。花森氏は「編集者たる者、一流のものを知らなければいい記事は書けない」と言い、伊豆、神戸、京都などの有名な旅館やホテルに宿泊。家族のような会社だったという。

高度成長期に次々と新製品が出た家電などの「商品テスト」は雑誌の目玉企画の一つになった。だが、はやるにつれ、雑誌を“お薦め商品ガイド”とみる読者も増えていたという。

「花森さんは、『商品テストを売りモノにしてはダメ』と言い、戦後焼け跡の中から生まれ、自分の暮らしを大事にする『暮しの手帖』の原点にかえろうと、一冊まるまる戦争特集をすることになりました」(同)

それが、1968年に発行された96号だ。戦争を体験した人たちから寄せられた文章で構成され、普段よりも早く売り切れた。

「ファッションや料理など、生活のことばかり載せていた雑誌が、一冊すべてを戦争中の暮らしの記録にすることは、大きな挑戦でした。初めに本屋さんを回ると『一体、どうしちゃったの』『もう戦争は嫌だ』と、店員さんに怒られてしまった。理由を説明すると納得してもらえたのですが」(同)

この特集は、人々が戦時中に、何を食べ、どんな日常を送っていたのか、記憶が薄れてしまわないうちにとまとめたもので、掲載の1年ほど前から募集した。「文章を書いたのは初めてという投稿もありましたが、切実とした思いが書かれていて、非常に印象に残っています」(同)

徴兵経験があり、かつて大政翼賛会宣伝部に属した花森氏なりの“贖罪”だったのかもしれない。NHK関係者は、「ドラマはあくまでフィクション」と言うが、前出の碓井教授はこう話す。

「天才といわれた花森さんの編集術や、雑誌作りは今作の大きな見どころ。現在も続く名物雑誌を生み育てた鎭子さんだからこそ、今後の展開に関心を持ち、視聴率が上がっていく可能性が高いですね」

今後の展開も目が離せない。(本誌・牧野めぐみ)

(週刊朝日  2016年6月10日号)



書評した本:  『安倍官邸とテレビ』ほか

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「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

砂川浩慶 『安倍官邸とテレビ』
集英社新書 778円

今年3月、報道番組の看板キャスターが相次いで降板した。NHK「クローズアップ現代」国谷裕子さん、TBS「NEWS23」岸井成格(しげただ)さん、 そしてテレビ朝日「報道ステーション」の古館伊知郎さんである。

それぞれ政治的なテーマについても言うべきことは言う、そんな気概を持つ人たちだった。何か圧力があったわけではないと報じられたが、“3人同時降板”は尋常なことではない。

立教大教授である著者は、ここに至るまでの安倍政権とテレビの関係を徹底検証していく。狡猾ともいえるメディアコントロールの手法、揺さぶりと介入の具体的な動き、さらにテレビ自身が抱える問題点や危うさにも迫っている。

思えば、安倍首相のテレビに対する警戒心と支配欲は昨日今日のものではない。15年前に起きた、「戦時性暴力」をテーマとしたNHK教育テレビの番組改変問題にも直接かかわっている。第一次安倍政権ではテレビ局への「行政指導」を乱発したが、現在はより直接的、より露骨なメディアコントロールが行われている。

選挙報道に対する「お願い」という形の恫喝。個別番組の件でテレビ局の経営幹部を呼びつける。加えて、前代未聞の総務大臣「電波停止」発言である。こうした状況は報道現場の萎縮や自己規制を生むが、政権の狙いもそこにある。

報道内容の是非を判断するのは視聴者だ。本書は貴重な判断材料となる。


安東能明 『ソウル行最終便』
祥伝社 1,836円

大手家電メーカーのフロンテが、4Kテレビの次世代技術を開発した。その最新技術を手に入れようとするのは韓国企業のチムサンだ。しかし、データを記録したSDカードは思わぬ人物に奪われてしまう。日韓の産業スパイ、警視庁公安部、外事課の暗闘が始まる。


土橋 正 『仕事文具』
東洋経済新報社 1,620円

文具コンサルタントである著者が、自ら使用する中から厳選した235点が並ぶ。いずれも便利かつ機能的で美しく、しかも愛嬌がある。書く、整理するなど日常の仕事が楽しくなりそうだ。中でも「万年筆のすすめ」は必読。大人の男にとって永遠の桃源郷である。

(週刊新潮 2016年6月2日号)

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