フジ「グッディ!」惨敗は
安藤優子の“昼の場違い感”が原因か
情報番組の改編で注目はフジだ。夕方の顔だった安藤優子キャスターを昼に回して裏番組の宮根誠司にぶつける一方で、夕方のメーンに伊藤利尋アナウンサーを起用。背水の陣で臨んだ。
もっともアテは完全に外れた。宮根の「情報ライブ ミヤネ屋」は2ケタの視聴率を記録するなど相変わらず好調だが、安藤の「直撃LIVE グッディ!」は視聴率1%(!)台も記録。似ているのは、番組のタイトルだけである。
上智大教授の碓井広義氏(メディア論)は、「宮根に負けないぐらい名前があってメーンを張れるキャスターということで、安藤を持ってきたのでしょうが、完全に場違い。主婦たちの午後に付き合うつもりはみじんもなく、“私は私、ついてきたいならどうぞ”という態度が透けて見えます。高橋克実の役割も曖昧」と言う。
放送ジャーナリストの小田桐誠氏も、「高橋は慣れない仕事への不安が画面からにじみ出ています。1週目の金曜日に、『1週間経ちましたが僕はどうだったんでしょう』と自虐的なコメントをしていましたが、これに安藤が『よく出来ました』と返していた。まるで先生と生徒。見ていて気持ちいいものではなかった」とバッサリだ。
「上西小百合議員を直撃し、『なんじゃ、こらー』と因縁をつけるガラの悪い秘書の映像を放送していたので、“さすが直撃LIVE”と思ったら、関西テレビのニュース映像を使い回しているだけだった。がっかりです」(放送ライター・堀江南氏)
昼の数字が悪ければ、次にバトンを受け取る「みんなのニュース」もつらい。
前出の碓井広義氏は、「カジュアルな報道番組を目指しながら、津田大介や江上剛など、話を聞く価値のありそうなコメンテーターをそろえて好印象」と言うが、ほかにいっている視聴者をグイッと引っ張れるほどの力を発揮できてはいない。
また、「伊藤アナは現場経験がないため、コメントに説得力がない」(小田桐誠氏=前出)との指摘もある。苦戦は続きそうだ。
(日刊ゲンダイ 2015.04.26)