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ORICON STYLEで、『アイムホーム』木村拓哉についてコメント

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【春ドラマ】木村拓哉、佐藤健が
“らしくない”役で高視聴率獲得
堺雅人主演『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)、SMAP・木村拓哉主演『アイムホーム』(テレビ朝日系)、佐藤健主演『天皇の料理番』(TBS系)、斎藤工主演『医師たちの恋愛事情(仮)』(フジテレビ系)など、人気俳優が目白押しながら、全体的に視聴率が低調傾向の春ドラマ。その中でも視聴率男の面目躍如たる結果を出したのが、初回16.7%の『アイムホーム』(毎週木曜 後9:00)の木村と、同15.1%の『天皇の料理番』(毎週日曜 後9:00)の佐藤だ。この2作品に共通するのは、これが木村拓哉?、これが佐藤健?と、主演の二人が“らしくない”役を好演している点だ。

特に木村は、ジャニーズ俳優に厳しい『週刊文春』(文藝春秋)が、亀和田武氏のコラムで「出世から外れた四十男を自然に演じるキムタク」と絶賛していたり、“ジャニーズの最新情報やタブーを配信する”WEBサイト『サイゾーウーマン』でも「いつものキムタクドラマじゃない」といったネット上の声を拾い、「年相応でカッコいい!木村拓哉がパパ役として好評価」という記事を掲載。「何をやってもキムタク」と揶揄(やゆ)されたり、「二枚目役・ヒーロー役はもう年齢的にキツい」といった酷評から、役者として再評価、一皮むけることへの期待に変わっている。

『アイムホーム』は、ある事故によってこん睡状態に陥り、目が覚めたときには直近5年間の記憶が曖昧になってしまった家路久(木村)が、手元に残された10本の鍵の束を元に、その失ってしまった過去を探していく新感覚のミステリー・ホームドラマ。原作は石坂啓氏の漫画『アイ’ム ホーム』(小学館)。原作を生かしながら、10本の鍵の謎が1回ずつ解き明かされる凝った構成、ストーリーになっている。漫画ではあまり描写されていない“仕事”の部分をふくらませて、よりサラリーマンが共感しやすい人間模様も描くことで、原作とはまた違った面白さも出ている。

タブロイド判夕刊紙『日刊ゲンダイ』(日刊現代)にコラムを連載する、メディア論が専門の上智大学文学部新聞学科・碓井広義教授は、同ドラマを「年齢や性別などを超えて楽しめるドラマですが、特に仕事場でも家庭でも、さまざまな責任を背負っている“働き盛り”の世代にぜひ観てほしい」とすすめる。

木村についても「年齢相応の役柄に果敢に挑戦し、夫であり父でもあるという自身の経験も踏まえながら、きちんと造形している」と評価しており、「自分は元々家庭や職場でどんな人間だったのか。なぜ結婚し、離婚し、新たな家族を持ったのか。知りたい。でも、知るのが怖い。そんな不安定な立場と複雑な心境に陥った男を、木村さんが演技の幅を広げることによって誠実に演じている」と抑制の効いた演技を称賛した。

一方、『天皇の料理番』は、大正・昭和時代の宮内庁大膳頭を務めた秋山徳蔵の人生を描く。佐藤も、何をやっても長続きせず、考える前に体が動き、何かに夢中になるとほかが見えなくなってしまう主人公・秋山篤蔵役を好演。初回では、新婚1月の妻を置き去りにして、料理人になるため上京してしまう暴挙に出てもどこか憎めないキャラクターを、過剰すぎない演技で体現していた。

『アイムホーム』では木村が料理を作るシーンがあり、『天皇の料理番』は“運命のカツレツ”など、タイトルどおりに料理や食事シーンが頻出する。映像作品で料理を美味しそうにみせるのはヒットの鉄則だが、その点も期待できそうだ。

(ORICON STYLE 2015.04.30)

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