ベテラン俳優・笹野高史が
映画初主演 人気の理由
映画「武士の一分」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど、名わき役として活躍している、笹野高史の初主演映画「陽光桜」が11月21日から公開される。
同映画は、世界恒久平和への願いを託し、桜の新品種開発に生涯を賭けた高岡正明をモデルに描かれたヒューマンドラマ。
笹野の他、的場浩司、若き日の高岡役として笹野の実息のささの翔太が出演する。
笹野は現在67歳。1972年の舞台デビュー以来、これまで映画「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」シリーズなど、数々の作品に出演してきた。
上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義氏は、「一言で言えば、ネガティブさこそが売りです。俳優なんだけど、一見ただのおじさん。しかも「冴えない」「地味」「暗い」「意地悪そう」など、俳優の褒め言葉とは対極にいる人。でも、そのネガティブさを武器にわずかな出番でも「ワンシーン役者」として一瞬画面を支配する。その集中力はすごい」とコメント。
「まだ笹野さんが世間的に名の知れてない頃から、CMディレクターの川崎徹さんは、まず笹野さんのスケジュールを押さえると言っていました。そこにいるだけで、不思議な空気感が生まれるからです。
役柄も中小企業のさえない係長から、大河ドラマ『天地人』での秀吉まで、ここまでふり幅の広い役者はそうそういない。どんな役柄にも馴染んでしまう、まさにカメレオン役者です」と絶賛する。
“ワンシーン役者”として一瞬の登場でも確実に爪跡を残すその存在感。スクリーンに登場するだけでワクワクさせられる俳優である。
(コンフィデンス 2015.11.09号)