日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、深田恭子主演「ダメな私に恋してください」(TBS)を取り上げました。
TBS系「ダメな私に恋してください」
つい毎週見てしまう理由は・・・
何はともあれ深キョン、深田恭子である。CMでは常に目にするが、連続ドラマの主演は1年前の「女はそれを許さない」以来だから久しぶりだ。
深キョン、何してたんだろう。そういえば、私生活もよく分からない。ま、そういう生活感というか、現実感が希薄なところが深田の持ち味だ。
今回のヒロイン・柴田ミチコは、そんな深田の“ゆるふあ感”が存分に生かされている。「職なし、金なし、彼氏なし。貢ぎ体質の30歳。会社が倒産し仕事も失う。無類の肉好きで肉のためならどんな努力も惜しまない」というキャラが、こんなに似合う女優はいない。
そして、このドラマの深田は理屈抜きでかわいい。正確に言えば、33歳の深田が演じる30歳のミチコがかわいいのだ。自分に自信がなくて、臆病で、思い込みが激しくて、恋愛を含む人間関係においても不器用なミチコ。でも、その明るさと、世間ずれしていないピュアな内面は、“愛すべき珍獣”と呼びたくなる。
そう、つい毎週見てしまうのは、番組視聴というより、ミチコ=深キョンという珍獣の“観察”なのかもしれない。年下のカレシ・三浦翔平との進展も、元上司で間借り先の大家でもあるディーン・フジオカとの関係も目が離せないのだ。
ライト感覚のラブコメでありながら、全体が実に丁寧に作られていることにも好感が持てる。
(日刊ゲンダイ 2016.02.09)